イスラエル、パレスチナ囚人200人解放へ
2008年08月18日
イスラエル領土内に抑留されているパレスチナ囚人問題は、パレスチナ人にとって大きな懸念事項となっている。パレスチナ側はイスラエルが不当な理由でパレスチナ人を抑留していると見なしている。イスラム教国であるパレスチナでは9月1日からラマダン(断食月)を迎える。オルメルト政権によるパレスチナ人囚人解放の決定はムスリム聖月を迎えるにあたっての両サイド和平促進の姿勢を示す意志表示とみられる。
イスラエル政府による声明文では「パレスチナ囚人の解放は今後の対話によって順次行われるだろう。暴力や兵士の誘拐と通しては決してなされない」とも警告された。一方パレスチナファヤド首相は、イスラエル政府の意向を歓迎しながらも、もっと多くのパレスチナ囚人を解放すべきだとし、「我々はパレスチナ囚人の解放を歓迎する。今後イスラエルが例外なしにすべてのパレスチナ囚人を解放することを願う」と話している。
17日の決定に基づき、イスラエル治安当局がパレスチナ囚人リストの中から実際誰を開放すべきかを決定することになる。イスラエル政府によると解放される囚人の中には1970年代後半にイスラエル国内で死者を出す攻撃に加わった2名のパレスチナ囚人も含まれる可能性があるという。
イスラエル当局によると、イスラエル国内の致命的な攻撃に加わったパレスチナ囚人は解放されない予定であるという。イスラエル刑務所では現在9000人程度のパレスチナ囚人を収容している。なお17日現在でも、パレスチナ軍がイスラエルに向かってロケットを発射したとの報告がなされている。
17日のパレスチナ囚人一部解放の決定はオルメルト首相が汚職調査の引責辞任を表明したことを受けてなされたものであるという。パレスチナでは、オルメルト首相が辞任するにあたって、今後も和平交渉が継続されるのか否か懸念が高まっていた。
オルメルト首相は現職にある限り、パレスチナとの和平交渉を積極的に進めていくと述べている。イスラエルの政治システムにより、同首相は来年まで任期にとどまる可能性もある。オルメルト首相とアッバス議長は今年度末までに和平協定に調印することを目指している。
なおパレスチナではアッバス議長率いる政党ファタハとイスラム原理主義政党ハマスが対立しており、ハマス政党広報官のSami Abu Zuhri氏は、「イスラエルがパレスチナ囚人を解放することで、パレスチナ内部でのハマスとファタハの分裂がより高まるおそれがある」との懸念を表明している。
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