プーチン首相「米国がグルジア紛争を画策」、米政府は否定
2008年08月29日
ロシアプーチン首相は28日、米国がグルジア紛争を扇動しており、グルジア紛争の過熱が米大統領選挙運動に関与しているとして非難した。プーチン首相はさらにロシアへ家禽類を輸出している米輸出業者19社に対し、ロシアへの輸出禁止を命令した。グルジア紛争に関しては、欧州連合(EU)議長国フランスのクシュネル外相は同日、「ロシアに反対する制裁措置を考慮している」と述べ、ロシア側の独立承認を厳しく非難している。
プーチン首相はロシアは米国がグルジア内の紛争を鎮静化させることを願っているとし、「事実米軍は武装してグルジア内に駐在し、グルジア軍を訓練している。両サイドが武装しているため妥協や解決が難しくなっている。一方が武装し、他方を鎮圧すれば、すべてが終わる。それが簡単な解決法だが、現実にはそう簡単にはいかない」と述べた。
米政府はグルジア政府と同盟関係にあり、グルジア軍を訓練している。米国防省によると、米軍はグルジア軍の訓練のために130名の米軍を派遣しているという。これに対しロシア政府は米軍がグルジアの軍事力を直接支援しているとして非難している。一方グルジアサーカシビリ大統領は29日放送予定の「France24」で、米軍司令官や相談役はグルジア紛争地域には存在していないと断言し、グルジア紛争はロシア軍の攻撃によるものだとして非難している。
これに対し、グルジア紛争は米国が政治目的で同問題に関する米国の存在感を高めるためであると嫌疑をかけるプーチン首相は、「もし私の疑いが事実であると確認されれば、米国内の何ものかが故意的にグルジア紛争を生み出したことも考えられる。その目的としては米大統領選挙での大統領の地位をかけての戦いに勝つことが挙げられるだろう」と話している。一方米ホワイトハウス広報官のDana Perino氏は、プーチン首相の主張は「まったくの間違い」であり、「プーチン首相を後方で支えるロシア政府高官がプーチン首相に事実と異なる悪い情報を流していることも考えられる」と述べている。
なお、米家禽類のロシアへの輸出禁止措置は、グルジア問題とは無関係であるという。米国の家禽類輸出業者19社がロシア側の検閲修正要求を無視したため今回の措置が行われたという。ロシア政府高官によると、他にも警告を与えている29社の輸出業者が存在しているという。ロシアは米家禽類生産者にとって今年半年間にわたり最大の輸出相手国となっていた。ロシア政府による家禽類輸出禁止措置を受け、米国では28日、Smithfield Foodsなど家禽類生産業株価が低迷した。一方米スーザン・シュワブ通商代表付広報官のシーン・スパイサー氏は、「ロシアが家禽類貿易に関して交わした契約から離れるのであれば、ロシアのWTO加盟への道の遅延につながるだろう」としてロシア側の措置に遺憾の意を述べている。
記事本文