米失業率6.1%、過去5年間で最高水準へ
2008年09月06日
失業率の6%越えは心理的に重要なラインであり、過去5年間で初の最高水準となった。そのため米景気後退懸念が高まり、今年末にも米経済は回復するとの投資家の期待を裏切ることにつながった。
また8月非農業部門雇用者数も前月比で8万4千人の減少、8か月連続の減少を示した。今年はこれまでに60万5千人の職が失われた。これは米アラスカ州の人口を上回る数である。そのため米経済が安定に成長するためには月間10万職以上の新たな雇用を設けなければならなくなっている。
失業率の高まりにより、消費者・事業者がさらに支出を切り詰めるのではないかという懸念も高まるようになった。米住宅市場の低迷、信用収縮、金融市場の動乱というトリプル攻撃が米経済に襲いかかっており、回復の兆しが見えていない。多くの専門家らは今後も回復に向かう前にさらなる悪化を示すだろうと懸念している。
失業率が増加すれば、多くの企業が事業投資を削減せざるをえなくなる。8月米失業者数は総計940万人となり、前年同月の710万人をはるかに上回った。エコノミストらは2009年度末には失業率は7%に達するだろうと予測している。そのため今年10−12月か来年1−3月にかけて米景気後退が生じるとの懸念が高まるようになってきた。これまでドル安に支えられて堅調に推移してきた米輸出高も、世界経済低迷に伴い今後低迷することが予想される。
米大統領選でも高まる失業率、景気後退懸念にどう対処していくかが重要な政策決定課題となっている。米民主党大統領候補オバマ上院議員は、再度政府による経済刺激策を行うべきだと提唱している。一方で共和党大統領候補マケイン上院議員は政府による再度の経済刺激策よりも、国民や事業団体への減税や就業訓練、自由貿易の促進などを提唱している。
米政府広報官Dana Perino氏は、「米労働市場が政府が期待していたほどの回復を示していないことは明らかだ。多くの米国民が困難な時期に直面していることを理解している。就業希望者が仕事につけるような対策を練っていきたい」と述べている。一方米労働者平均時給は8月にわずかに上昇して前年同月比3.6%増の18.14ドルとなった。また米抵当銀行協会(MBA)によると、6月末までに抵当権質流れあるいは支払滞納に追い込まれた米住宅ローン借入者の割合は9.2%と過去最高値に達したという。
米連邦準備理事会(FRB)は16日に公開市場委員会を開催するが、フェデラル・ファンド金利を2%に据え置くことが予想されている。多くのアナリストらはインフレ懸念が和らぐにつれてFRBは来年から利上げを行いだすだろうと予想している。ただ現状では労働市場の悪化により一部アナリストからは利下げの必要もあるのではないかとの懸念も生じている。
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