2008年10月31日
毒性が強く、人体に甚大な影響を与えるといわれる「六価クロム」。それゆえに、セメントなどの製品においては、「六価クロム」含有量には厳しい基準が設定されている。
しかし、その六価クロムを環境基準より多く含む製品が、何と合計で1万5000トンも販売されていたのだ。
一応、このうち約4000トンを販売したのは、太平洋セメント(5233)。
しかし、この製品はOEM生産されており、太平洋のものも含め、実際に製造・出荷したのは麻生ラファージュセメントという会社だ。(太平洋を通じて販売したのが約4000トン、麻生ラファージュセメントとしての販売が1万トン以上)
そう、麻生首相の親族が経営する、麻生グループの企業だ。
じつはこの不祥事、それほど話題にはなっていないが、昨年の8月にすでにリリースされている。
弊社製造委託製品の品質問題について(太平洋セメント)
http://www.taiheiyo-cement.co.jp/news/news/070806.pdf
麻生グループの上場企業としては、麻生フオームクリート(1730)がある。今回の麻生ラファージュセメントとともに、株式会社麻生(旧・麻生セメント)の子会社に当たる。
もちろん「麻生」も「麻生ラファージュセメント」も上場していないため、株価への直接の影響はないのかもしれない。
しかし、現役首相の直系企業における不祥事だけに、気になるところ。それも、この問題、1万5000トンという六価クロムの量や、その後の処理をめぐり、大きな社会問題にもなりかねないという。
というのも、今回の製品はコンクリートとしてではなく、ほとんどが「地盤改良工事の材料」として用いられたいうのだ。
「地盤改良工事で使用した場合には、六価クロムが土中に流出する可能性は高く、処理などに膨大な費用が必要となる可能性が高い」(業界関係者)
その後のリリースや報道を見る限りでは、まだこの問題が解決した様子はない。
それどころか、被害はこれから表面化してきそうな気配だ。
では、なぜ、このような事態が生じたのか。そして、なぜ基準値を上回る六価クロムを含有した製品が出回ったのか・・・・?(次回へ続く)
木暮隆文<TOKYO株ニュース>