2008年11月04日
前回触れた麻生グループ企業による不祥事について、もう一度、詳しく説明したい。
麻生ラファージュセメントより2007年の2月~3月にかけて出荷された、「六価クロム」を多く含む製品は、リリースによると以下のものとなる。
*製品名 数量(うち、太平洋セメントを通じた販売量)
普通ポルトランドセメント 983トン( 605トン)
高炉セメントB種 2128トン(1558トン)
固化剤 12446トン(2355トン)
このうち、上の2つは一般的にコンクリートに加工されるもの。この場合、環境基準を超えた六価クロムはもちろん問題だが、「基本的にコンクリート中の六価クロムは溶出しないのが前提」(業界関係者)。人体などへの影響はそれほど心配しなくていいと考えられる。
しかし、3つめの「固化剤」については事情が大きく違うという。
というのも、リリースに出ているように、「固化剤」は地盤改良工事に使われる。
地盤改良工事とは、軟らかい地盤などの上に建造物を作る際、地下2~3メートルまでの土にセメントでできた固化剤を混ぜ、地盤を強化するもの。
土と一緒に埋められた固化剤は、コンクリートと比べると圧倒的に水に触れやすい。つまり、「炭酸化(セメント水和物が炭酸カルシウムに変化)することで六価クロムが溶出しやすくなる」(業界関係者)ということになる。
その結果、地盤改良工事の現場から、基準値の3倍を超える六価クロムが検出された例もあるという。
●六価クロム:萩の県道工事現場から検出 周辺の井戸水飲用中止を /山口
六価クロムは空気の接触によって肺がんを起こしたり、水の摂取では肝臓障害や胃がんを誘発する可能性のある物質。
そんな危険な物質が、昨年建てたばかりの建造物の足もとに高濃度で含まれていたとしたら…。(次回へ続く)
木暮隆文<TOKYO株ニュース>