本日の相場見通し/手掛かり材料が不足、為替や米株価先物動向に神経質
2008年11月17日
週末14日の米国株式市場は反落した。NYダウは前日比337.94ドル安の8497.31ドル、
ナスダック総合指数は79.85ポイント安の1516.85ポイントで取引を終えた。米景気や企
業業績の先行き懸念を改めて強める材料が相次ぎ売りが優勢になった。10月の米小売売上
高は前月比2.8%減と市場予想の2.4%減以上に悪い内容だったことなどが嫌気された。
G20の金融サミットは、金融安定化に向け「あらゆる追加的措置をとる」との首脳宣言を
採択し、閉幕した。世界的な金融・経済危機の克服に向け、適切な景気刺激の財政政策・
適切な金融政策を含めた協調行動を取ることで一致した。今後1年間の新たな貿易障壁の
設置禁止を盛り込むなど、自由貿易体制の堅持を確認した。次回会合は来年4月末までに
開催する。
なお、サウジアラビアのアブドラ国王は15日、金融サミットで、石油部門やその他の分野
に今後5年間で合計4000億ドル以上を投資すると述べたという。このような財政出動の確
度の高まりは市場にポジティブだ。しかし、サミットでの首脳宣言や「行動計画」は具体
性に乏しく、即効性のあるものではない。もととと、利害が完全に一致しない先進国と新
興国との溝を完全に埋めるのは難しいと市場はみていた感が強いが、やや肩透かしという
った反応を市場は示す公算だ。
今後は、米国議会での追加的な景気対策実行の有無と経営危機に陥っているビッグスリー
への政府支援の行方が、最大の注目材料だ。なお、ビッグスリーへの支援にはEUが公正
な自由貿易を阻害する可能性を指摘している。また、共和党も民間企業への踏み込んだ政
府支援には慎重だという。米国の専門家の間では、米連邦破産法11条を申請したほうが再
建が進め易いとの見方も浮上しているとも報じられている。なお、市場的には事実上破綻
すれば、アク抜け感が出るとみている。
本日の日経平均の想定レンジは8200円~8700円程度。手掛かり材料が不足する中、為替
市場やグローベックスでの米株価指数先物動きに対して、神経質な動きが予想される。東
京電力(9501)が09年度に約300台、三菱自動車(7211)から導入すると、17日付け日
本経済新聞が報じたことで、環境関連に物色の矛先が向かう公算が大きい。一方、同じく
17日付け日本経済新聞が、「オフィスビル賃貸料調査(下期、10月下旬実施)によると、
新築ビルの賃料は東京で6年ぶりに下落した。大阪でも賃料の下げが鮮明になった。」と報
じたため、不動産関連には売り圧力が強まる見通し。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)