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中国におけるUL認証製品の偽造阻止とその実例

Underwriters Laboratories

2008年09月03日


 ウチヤ・サーモスタット社(本社:埼玉県三郷市)は、家電製品、自動車用のサーモスタット、サーマルプロテクター、サーマルカットアウトを開発・生産している専門メーカーです。特にヘアドライヤー向けのサーモスタットでは、同社だけの技術と品質が認められ、年間生産数は5,000万個以上で、世界シェアの70%を占めています。本社工場の他に、香港とアイルランドにも工場があり、社員の80%がこれらの海外子会社の社員、製品は米国、欧州など世界中に出荷されているというグローバル企業でもあります。また、UL認証を始めとする各国の認証取得にも注力されており、多くの製品にULマークが貼付されています。

 2006年7月、そんな同社の主力製品の一つである、サーマルプロテクターの偽造品が中国で生産され、メーカーに納入されていることが発覚しました。対応に苦慮した同社にひらめいたのが、製品が取得しているULマークの活用でした。同社はULの協力で、同地における偽造品の一掃に成功しました。同社の打矢正雄代表取締役社長と田中春夫常務取締役にお話を伺い、事例として偽造阻止の実態をまとめました。
 

 ■不良品の発覚
 当時、ウチヤ・サーモスタット社は、UL認証を取得したサーマルプロテクターをとある中国企業に納入していました。その企業はそれを組み込んだポンプ用のモーターを生産・出荷していたのですが、そのポンプが最終製品のメーカーの手に渡った時、それは発覚しました。偽造品であったサーマルプロテクターの品質不良が原因で製品が不良品となったのです。
 
 ■偽造の実態
 知らせを受けた同社がサーモプロテクターを調査した結果、大きさ・外観はほとんど同じで、同社の商標、型番が捺印されているのですが、それは同社製ではなく、性能の異なる偽造品であることが判明しました。さらにその出所を調べたところ、同社の製品を使用していた中国企業がコストダウンのプレッシャーを受け、地元の部品メーカーに同社の製品を模倣させ、さらに別の企業に偽の捺印をさせ出荷していたことが明らかになりました。

 ■ウチヤ・サーモスタット社の対応
 この事実を知った打矢社長は、同社の信用を脅かす大きな問題であると判断。早速対策の検討を開始しました。先ずは偽造品が出回っていることを警告した文書を3カ国語で作成し、国内外の顧客に配布しました。現地の裁判所に訴えることも考えましたが、過去の裁判事例から見て得策ではないことは明らかでした。そこで社長が着目したのが、その製品はUL認証を受けているということだったのです。 同社の製品を模倣するばかりか商標や型番まで偽造したことは、
ULの認証制度に反することでもあると確信した打矢社長は、UL認証を受けている同社の製品が偽造され、市場に出回っていることを米国のUL事業所に報告しました。 

 ■ULによる調査開始
 『UL認証製品』であることが持つ価値と知名度が大きいからこそ、UL認証製品の偽造品を販売したり、UL認証を受けていない製品にULマークを貼付して販売したりという不正は、残念ながら後を絶ちません。ULは常に断固とした態度でこれに挑んできました。税関など各国の政府機関と協力して、偽造品の発見・締出しを狙うプロジェクトを継続的に実施し、特に北米では偽造製品の摘発・押収と、それに伴う関係各社・個人の刑事告訴が頻繁に行われています。
 このケースでも一報を受けたULの偽造防止対策部は、早速同社との詳しい情報交換を開始しました。
 そして数ヶ月後、模倣と捺印偽造を指示した企業の関係者は既に行方不明となっていましたが、模倣品を製造したという部品メーカーの工場にULの検査員が立ち入り、ついに、偽造品を作る前段階の無印品の在庫の発見に成功したのです。ULの検査員は部品メーカーに、偽造は深刻な不正行為であることを説明し、この工場はULの厳格な監督下におくと通告しました。と同時に、口頭で、再度偽造品の製造に手を染めるようなことがあれば、同社の製品が有するUL認証を全て取り下げると警告したのです。 この部品メーカーの主な出荷先は米国で、UL認証が取り下げられると、米国に輸出することは事実上困難となり、それは経営を直撃します。かくして同社の模倣品製造は阻止されました。  

 ■メーカー(ウチヤ・サーモスタット社)の考察
 打矢社長は今回の成功を鑑みて、下記のように述べています。
「他の認証機関にも連絡したのですが、具体的な行動をとってくれたのはULだけでした。現地の工場に乗り込み、無印の模倣品を発見し、警告したという報告メールを受け取った時は感激しましたし、本当に安心しました。私達も工場に調べに行きたかったのですが、現場に踏み込むのはさすがに危険だと感じていました。ULは認証機関として工場に立ち入る権利も有しているし、何より中国に事業所があります。技術的な知識もあり、現地の事情にも通じた中国事業所の検査員がひるまず対応してくれたのがよかったと思います。また、偽造品の押さえ込みには商業的ダメージを与える手段をとるのが一番だということを改めて感じました。メーカーにとってはUL認証が取れなくなることは営業的に大打撃です。ULが、弊社のために力を発揮してくれたことに感謝しています。」

 同社は、現在もJETROが事務局を務めるIIPPF(国際知的財産保護フォーラム)に参加するなどして海外の知的財産権侵害問題に積極的に取り組んでおられます。このように、UL認証を登録されているお客様は、常に責任感を持って、UL認証製品を製造する管理手順・システムを構築・維持し、安全な製品が市場に出回るよう努力を重ねていただいています。



 製品に偽造ULマークが使用されているかもしれないという疑いがありましたら、ULにeメールにてご連絡いただくようお願いいたします(アドレス:anticounterfeiting@us.ul.com)。偽造ラベルを識別する方法については、 ULニュースルーム(www.ul.com/newsroom)をご覧ください。偽造及び国際的偽造防止活動へのULの協力に関しては、www.ul.com/ace をご覧ください。

 ■ULについて:
 ULは、1世紀以上の間、安全規格を作成して製品の試験をしている独立した製品安全認証機関です。ULは、それぞれの年に71,000社の製品に表示される210億のULマークに19,000種類を越える製品、部品、材料、及びシステムを毎年評価しています。ULの世界的なファミリー企業とサービス・プロバイダーのネットワークは、99カ国でお客様に提供できる62の試験所と認証施設を持っています。詳細につきましては、次のサイトをご覧下さい。:www.UL.com/newsroom

問い合わせ先(米国)
Joe Hirschmugl
Media Relations Supervisor Global Communication Services Underwriters Laboratories
Phone: +1 847 664-1508
E-mail: Joseph.F.Hirschmugl@us.ul.com

問い合わせ先(日本国内)
與芝加寿世(Kazuyo Yoshiba)
PR Consultant, Platinum Inc.
Phone: 03-5572-6073
Email: k-yoshiba@vectorinc.co.jp

本件に関するお問合せ:(株)プラチナム内 
UL担当 與芝(よしば)・小山 TEL03-5572-6073

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