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JAXAとトヨタ、国際宇宙探査ミッション挑戦で合意、月探査機「有人与圧ローバ」公開

2019年03月15日

紹介された月面探査機「与圧ローバ」、全長×全幅×...

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)とトヨタ自動車は、国際宇宙探査ミッションでの協業の可能性を検討していくことについて合意した。

 その第一弾として、これまで共同で検討を進めてきた「燃料電池車(FCV)技術を用いた、月面での有人探査活動に必要なモビリティ、有人与圧ローバ」について、さらに検討を協力して加速することに合意したという。月面まで輸送し得るエネルギーが限られるなか、この有人与圧ローバは、月面で乗員は宇宙服を着用せずに乗車でき、1万km以上の走行できる。2029年に米国のロケットで打ち上げを目指す。

 国際宇宙探査ミッションでは、人類の持続的な繁栄を目指し、「人類の活動領域の拡大」と「知的資産の創出」を目的として、人類が大気圏を超え、月や火星を目指す。その実現には、小惑星リュウグウへのタッチダウンに成功した小惑星探査機「はやぶさ2」のような無人探査と、ローバなどを使って宇宙飛行士が月面で活動するような有人探査の協調が必要不可欠だ。月や火星の探査というチャレンジングなミッションに、各国が競争しながら技術を高めている。その一方で、協調した取り組みも進んでいる。

 今回のJAXAとトヨタの協力合意に際し、JAXAの山川理事長は、「JAXAでは、我が国の国際宇宙探査への参画に向けて、国際調整や技術検討を進めており、我が国として優位性や波及効果が見込まれる技術で貢献することを目指しています。今回、トヨタ自動車様が国際宇宙探査に挑戦する“仲間”に加わっていただき、大変心強く思います。有人与圧ローバは、本格的な月面の探査・利用において重要な役割を担う要素であり、我が国の技術力を結集して技術検討に取り組んでいきたいと考えています。今後の共同検討により、トヨタの優れた走行に関する技術力を活用させていただき、有人与圧ローバの実現に向けて、技術検討が加速していくことを期待しています」と述べた。

 紹介された月面探査機「与圧ローバ」は全長×全幅×全高6000×5200×3800mm、ボディから幅広いトレッドが露出する小型のバス程度のボディで、パワーユニットは燃料電池による電動。乗員は通常2名で、最大で4名乗車が可能。詳細は不明だが6輪による全輪駆動車と思われる。

 トヨタの豊田社長は、「自動車業界としては、これまで『ホームタウン』『ホームカントリー』を念頭に取り組んできましたが、これからは、地球規模の環境問題への対応など、我々の故郷である『ホームプラネット』という概念が非常に大切になってきます。国・地域といった枠を越えて、どのような役割を果たしていけるのかを考え続けている私たちと、国際宇宙探査は志を同じくするものだと思います。また、クルマは地球上のあらゆる地域で使われており、地域によっては生きて帰ってくるための相棒として活躍しています。今回のプロジェクトに求められることは、まさに生きて帰ってくるということだと思います。そうしたプロジェクトに、これまで培ってきたトヨタの車両の『耐久性、走破性』と『FC』という環境技術に期待を寄せていただいていることを大変うれしく思います」と語った。

 月面を走る車両としては、米アポロ計画で電動バギーが活躍した。ただしオープンカーだったため、乗車する宇宙飛行士は宇宙服を着たまま操縦していた。与圧された空気で満たされた車両が月面を走れば世界初となる。JAXAでは30年代をめどに、日本人宇宙飛行士による月面探査を構想しており、トヨタ製・月面探査機の活躍が期待される。(編集担当:吉田恒)

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