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上場ゼネコン、売上高最高も減益、人件費等高騰で利益ピークアウトか

2019年08月20日

東京商工リサーチが上場ゼネコン57社の2019年3月期...

 日本経済は先行き不透明な指標も見られるものの今のところ堅調に回復傾向で推移している。この景気を牽引してきた内需の大きな存在として2020東京オリンピック関連の建設需要があり、またこの五輪関係需要は他の都市再開発や商業施設建設などの民需にも広がりを見せており、五輪後も25年の大阪万博に向けて引き続き順調に推移して行くものと期待されている。

 しかし、一方で人手不足は深刻さを増しており、建設部門では特に建設躯体工事関係の求人倍率が10倍を超えている状況が続いており、人件費の高騰とともに建材費の高騰もまた収益性を圧迫する要因として懸念材料とされてきた。

 2日、東京商工リサーチが上場ゼネコン57社の「2019年3月期決算」業績動向調査の結果を発表している。

 レポートによれば上場ゼネコン57社の19年3月期単体決算の売上高の総計は12兆8148億円で前年比6.0%の増加となり、過去10年間で最高を記録した。ラストスパートに入った東京五輪・パラリンピック関連などの公共工事をはじめ、国際都市化をにらんだ全国都市部での大型再開発や商業施設などの民需も活発となり、伸び率は14年の7.4%増に次ぐ2番目の高水準となった。

 売上高が高い伸びを示した一方で、利益は高水準を維持したものの前年を下回る増収減益となり、利益のピークアウトが鮮明となった。19年3月期の粗利益である売上総利益は1兆6516億円で前年比0.2%の減少、営業利益は9958億円で3.5%減、経常利益が1兆518億円で1.7%減と13年3月期以来6年ぶりに主要利益はそろって前年を下回る結果となった。

 日本経済全体が人手不足の中で、特に建設業界は建設技能者の高齢化、若年者の減少などで人手不足がピークに達しており、これに伴い人件費の高騰も生じている上に、高止まりする資材価格の高騰も減益圧力となって、この影響が上場クラスの大手ゼネコンにも波及してきているようだ。

 建設需要の見通しについては20年東京五輪までがピークと見られてきた一方で、民需への派生とともに25年の大阪万博やリニア関連工事の本格化などが成長維持の期待材料ともなっている。一方で不動産部門での投資用物件の不透明感の増大が建設部門へと波及することが懸念材料として上がってきており、先行きの見通しは流動的だ。

 五輪後も堅調な成長が期待されるとしても労務費・建材費高騰による「利益なき成長」が業界全体に波及する兆しが出てきており今後の動向に注意が必要だ。(編集担当:久保田雄城)

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