2017年04月19日
東京
(ビジネスワイヤ) -- 株式会社東芝ストレージ&デバイスソリューション社は、当社オリジナルの脱調注1防止機能により高効率モータ制御を実現したステッピングモータドライバ「TB67S289FTG」をラインアップに追加し、7月末より量産開始する予定です。なお、本日より幕張メッセで開催される「TECHNO-FRONTIER 2017」の東芝ブースに、本製品を出展します。
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プリンタ、OA機器、ATMなどの金融端末や紙幣識別機、遊戯機器、家電などのアプリケーションには常に安定したモータ動作が求められています。また、使用環境の多様化により、効率や発熱の改善に対する要求が高まってきています。
安定したモータ動作を実現するためには、ステッピングモータの課題である脱調を回避する必要があり、従来は常に必要以上の電流を流し続けることでトルクマージンを確保してきました。一方で、効率や発熱改善のためにトルクマージン分の電流を可能な限り削減することが求められ、モータ駆動時の負荷状況をセンサやマイコンなどにより常にモニタし、モータに流す電流をその都度調整するなど、極めて複雑な制御が必要でした。また、効率や発熱を改善するには駆動時の導通損失も減らす必要があり、従来では内蔵出力MOSFETのオン抵抗に大きく依存していました。
「TB67S289FTG」は、当社オリジナルの脱調防止・効率改善機能(AGC注2)を初めて搭載しました。これによりマイコンなど制御システムへの余計な負荷を増やすことなく、ドライバIC自身が外付センサ無しでモータの状況を監視し、制御の最適化を行うことができるようになりました。モータの脱調を回避しつつ負荷トルクに応じた最適な電流を自動で調整することで、従来の制御方式に対して最大80%程度のモータ消費電力削減が可能となり、オン抵抗に依存せずにモータ駆動時の大幅な効率改善・発熱低減ソリューションを提供します。
さらに、外付抵抗不要でモータ電流をモニタするシステム(ACDS注3)の採用や、ドライバを制御する上で必要な部品数の削減により、システムBOMコストの削減と基板パターンの自由度なども大幅に改善しました。
当社は、AGCを含めた自動化システムにより、高性能/高機能を実現しつつ必要な部品数の削減を両立させた本製品を、次世代のフラグシップモータドライバと位置づけさらに強化していきます。
新製品の特長
1. 脱調防止・高効率当社が新たに開発した新モータ駆動技術(AGC)により効率・発熱を改善することができます。また、電流センス抵抗レス制御(ACDS)による省スペース化も可能です。更に最大1/32ステップの高分解能モータ駆動技術も採用し低騒音化・低振動化に貢献します。
2. 低発熱の実現低オン抵抗(0.46Ω(上下和:標準値))により発熱量を軽減します。
3. 小型パッケージの採用小型で放熱特性に優れたQFNパッケージを採用することにより、セットやモジュールの熱処理の簡素化が可能となり、小型化とコスト削減に寄与します。
4. 異常検出機能の搭載従来搭載されていた過熱検出機能、過電流検出機能、低電圧検出機能に加え、モータの負荷がオープンになったことを検出する負荷オープン検出機能を新たに搭載しました。また、これらの異常値を外部にフラグとして出力する異常検出フラグ機能も搭載しています。
新製品の主な仕様
品番 TB67S289FTG 制御I/F CLOCK-IN 絶対最大定格 50V, 3A パッケージ QFN48 励磁モード 2相、1-2相、W1-2相、2W1-2相、4W1-2相、8W1-2相 その他・特長AGC技術によるモータ駆動電流制御の最適化ACDS技術による電流センス抵抗レス化異常検出機能(過熱・過電流・低電圧・負荷オープン検出機能)搭載異常検出フラグ出力機能搭載単一電源駆動による電源投入シーケンスフリー
量産時期 2017年7月末以降(予定)注1:脱調(現象):制御信号とモータ回転のズレが生じることで発生し、動作継続が困難となるステッピングモータ特有の現象。注2:AGC: Active Gain Controlの略。モータの負荷トルクに応じて自動的に電流を最適化する技術。注3:ACDS: Advanced Current Detection Systemの略。電流センス抵抗を使わずにモータに流れる電流を検出できる技術。
新製品のさらに詳しい仕様については下記ページをご覧ください。https://toshiba.semicon-storage.com/info/lookup.jsp?pid=TB67S289FTG®ion=jp&lang=ja
お客様からの製品に関するお問い合わせ先:ミックスドシグナルIC営業推進部Tel: 044-548-2821https://toshiba.semicon-storage.com/jp/contact.html
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