2013年09月17日
サンフランシスコ
(ビジネスワイヤ)-- ドルビーラボラトリーズ(DLB)は本日、画期的なオーディオ技術を開発して世界で広く評価されていた米国人発明家のレイ・ドルビーが同日、サンフランシスコの自宅で死去したと発表しました。享年80歳でした。ドルビー博士はここ数年にわたってアルツハイマー病を患い、今年7月には急性白血病と診断されていました。
ドルビー博士は1965年にドルビーラボラトリーズを創業し、エンターテインメントと通信をより魅力的なものにできるように、科学者とエンジニアが映像と音の科学を前進させ続けることができる環境を作り出しました。ドルビー博士のノイズリダクションとサラウンドサウンドにおける先駆的な業績は、多くの最先端技術の開発につながっており、博士はこれらの技術で50件を超える米国特許を取得しています。
ドルビーラボラトリーズのケビン・イェーマン社長兼最高経営責任者(CEO)は、次のように述べています。「私たちは今日、友人であり、良き指導者であり、真の先見性を持つ人物を失いました。レイ・ドルビーは、革新を通じて価値を創出するという決意、そして人々に投資して成功のための手段を与えると、素晴らしいことを成し遂げられるという情熱的な信念の下、当社を設立しました。レイ・ドルビーが掲げた理想は、今後も私たち全員にとってのインスピレーションと意欲の源としてあり続けるでしょう。」
ドルビー博士の息子であり、ドルビーラボラトリーズの取締役でもあるデイビッド・ドルビーは、次のように語っています。「父は思慮深く、忍耐力があり、愛情深い人物でした。彼は仕事や慈善活動で、そして夫や父親としても、常に正しい道を歩むことを決意していました。私たち家族は、彼の業績とリーダーシップを大変誇りに思っています。非常に惜しまれる死ですが、革新における彼の遺産は生き続けるでしょう。」
ドルビー博士は飽くことのない好奇心で知られ、支えとなってくれた両親が大事にした勉学を追求したおかげで、成功を収めることができたと考えていました。ドルビー博士はキャリアの初期で、サンフランシスコ半島にある高校とスタンフォード大学に在籍中からアンペックス・コーポレーションで働いており、初の実用的なビデオテープレコーダーシステムの開発では、チーフ設計者として電子機器に関するあらゆる側面に携わりました。現在、ドルビーラボラトリーズの技術は、レコーディングアーティストや映画製作者のクリエイティブなプロセスで不可欠な要素となっており、こうした人々はビジョンに命を吹き込むために一貫してドルビーのツールを採用しています。
ドルビー博士の息子で、映画製作者、小説家でもあるトム・ドルビーは、次のように述べています。「父は根っからのエンジニアでしたが、技術分野における彼の業績は音楽やアートに対する愛情から生まれています。彼は芸術的プロセスに対する理解を、映画/オーディオ録音のあらゆる事業で生かしました。」
ドルビー博士がドルビーラボラトリーズを創立してからの48年間に、当社は映画館から家庭のリビング、モバイルエンターテインメントまで、エンターテインメント体験を変革しました。ドルビーの技術を搭載した何万もの映画、何十億もの製品や機器が世界中の映画館、家庭、消費者の手に行き渡りました。ドルビーラボラトリーズは長年にわたり達成した画期的な業績を評価され、業界からアカデミー賞を10回、エミー賞を13回授与されています。
ドルビー博士が受けた受賞・学位の例は下記の通りです。
クリントン大統領からアメリカ国家技術賞(1997) 女王エリザベス2世から大英帝国勲章(O.B.E.)(1987) 名誉博士号(科学、ケンブリッジ大学、1997) 名誉博士号(ヨーク大学、1999)ドルビー博士は、業界から下記のような賞を授与されています。
映画芸術科学アカデミーからオスカー像(1989) 映画芸術科学アカデミーからオスカー科学技術賞(盾)(1979) アンペックス(Ampex®)ビデオテープレコーダーの発明やドルビーラボラトリーズでの活動が評価され、全米テレビ芸術科学アカデミーから数件のエミー賞(1989、2005) 全米レコード芸術科学アカデミーからグラミー賞(1995) ベルリン国際映画祭、ベルリナーレ・カメラ賞(2012) サンフランシスコ映画協会、ジョージ・ガンド3世賞(2013)ドルビー博士は、下記の専門団体からメダルを授与されています。
オーディオ・エンジニアリング・ソサエティー(AES)から銀メダル(1971)と金メダル(1992) 米国電気電子学会(IEEE)からエジソン・メダル(2010)マーシャル奨学生だったドルビー博士は、ジョージ・C・マーシャル賞を2003年に受賞しています。博士は、米国で全米発明家殿堂入りをしているほか、英国では2004年に英王立工学アカデミーに選出されています。
2012年には、ドルビー博士にちなんで、世界中にアカデミー賞式典の会場として知られるハリウッドの名所がドルビー・シアター(Dolby® TheatreSM)に、オスカー像授与式の後に開催される舞踏会の会場がレイ・ドルビー・ボールルームに改名されました。
ドルビー博士は、妻のダグマー・ドルビーと共に慈善活動に意欲的に取り組み、数多くの慈善活動や組織を支援しました。近年、ドルビー夫妻の支援で2つの科学研究・患者ケアセンターが開設されており、サンフランシスコ大学の幹細胞センターにレイ&ダグマー・ドルビー再生医療ビルディングが、カリフォルニア太平洋医療センターに脳ヘルスセンターがオープンしました。
ドルビー博士と47年間連れ添った妻のダグマー・ドルビーは、次のように語っています。「レイは寛大で忍耐強く、知の追求に誠実で、公正な人でした。インドから陸路で自動車旅行中も、大西洋を飛行機で横断中も、あるいは大型バスで国立公園巡りをしているときでも、常に好奇心に富み、恐れを知らず、そう、非常に粘り強かったのを覚えています。彼は私たち家族にエキサイティングな人生をもたらしてくれただけでなく、息子たちの素晴らしい手本となる人物でした。」
経歴
レイ・ドルビーは1933年1月にオレゴン州ポートランドで生まれ、後に家族と共にサンフランシスコ半島に移り住みました。1949〜1957年にかけて、アンペックス・コーポレーションでオーディオ/機器関連のさまざまなプロジェクトに従事し、アンペックス・ビデオテープレコーダーシステムの電子機器開発を主導しました。1957年にスタンフォード大学で、電気工学の理学士号を取得しました。マーシャル奨学金と米国国立科学財団の大学院生フェローシップを受けると、英国のケンブリッジ大学でさらなる研究を行うために、アンペックスを離職しました。ドルビー博士は1960年に、米国人としては初めてペンブルック・カレッジのフェローに指名されました。ケンブリッジ大学で1961年に物理の博士号を取得し、後に名誉フェローに選ばれました(1983年)。ケンブリッジ大学に在学中、1962年の夏期講習の学生だった妻のダグマーと出会いました。ドルビー博士はケンブリッジ大学の最終年には、英国原子力公社のコンサルタントも務めていました。
ドルビー博士は1963年に、2年の任期でインドでの国連アドバイザーを引き受け、1965年に英国に戻った際に、ドルビーラボラトリーズをロンドンに設立しました。1976年にサンフランシスコに移り、社として本社社屋、研究所、製造施設をサンフランシスコに開設しました。
ドルビー博士は妻のダグマー、息子のトムとデイビッドおよびそれぞれの配偶者のアンドリューとナターシャ、4人の孫を残して亡くなりました。
レイ・ドルビーの生涯を記念する祝典を後日開催します。
ドルビー博士の家族は献花の代わりに、アルツハイマー協会(1060 La Avenida Street, Mountain View, CA 94043)、または脳ヘルスセンター(c/o CPMC Foundation, 45 Castro Street, San Francisco, CA 94117)への寄付を希望しています。
下記のリンクで、以下の資料をダウンロードすることができます。
https://dolby.box.com/s/n0szwpm4sylbcxgkekkk
レイ・ドルビーによる発言とレイ・ドルビーに関する発言 写真 ビデオドルビーラボラトリーズについて
ドルビーラボラトリーズ(NYSE:DLB)は、モバイル機器、映画館、家庭や職場でのエンターテインメントおよび通信を変革するオーディオ・ビデオ・音声技術を開発しています。50年近くにわたり、視覚・サウンド体験はドルビー技術によって、より鮮明、明瞭で、価値あるものになりました。詳しい情報については、dolby.comをご覧ください。
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Sean Durkin, Dolby Labs, 415-645-5176
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