2014年01月17日
ロンドン
(ビジネスワイヤ) -- 国際法律事務所のエバーシェッズによる最近の調査により、新世代の若手弁護士は弁護士業界の改革が必要と考えていることが明らかになりました。世界に目を向けた野心を持ち、弁護士という職業の伝統的側面の近代化を模索する若手弁護士の多くは、弁護士を専門的職業というよりも営利目的の事業としてとらえる傾向にあり、テクノロジーの導入が旧来の労働慣行に変革を起こす鍵であると考えています。
国際法律事務所のエバーシェッズがまとめた報告書「21st Century Law Firm: Inheriting a new world(21世紀の法律事務所:新たな世界の継承)」では、世界各国の1800名の若手弁護士(年齢23~40歳)を対象に調査を実施し、弁護士業界の来るべきリーダーたちの実像を探りました。それによると、弁護士業界の革新を求める意欲的な集団の存在が明らかになりました。
この調査によると、若手弁護士は新たな働き方を求めています。若手弁護士は、クライアントとかかわりを持ち、つながりを維持することが重要と考えており、賢明かつ効率的に仕事をこなすためにテクノロジーを有効活用したいと考えています。調査対象者の3分の1(35%)が弁護士業界ではテクノロジーが十分に活用されていないと感じており、ほぼ半数がプロジェクト・マネジメント技術や仕事量を管理するための技術の活用など、法律事務所の業務効率化の方策を指摘しています。
若手弁護士の5分の2近く(39%)がパートナーシップという法律事務所の経営形態が21世紀にそぐわないと感じている一方で、大半(68%)がパートナーとなることを望んでいます。ただし、この点については男女間で考え方に大きな差があり、男性の弁護士は77%がパートナーになることを希望しているのに対して、女性は57%にとどまっています。また、調査対象となった男性弁護士の半分近く(46%)が弁護士を一生の仕事と捉えているのに対して、女性弁護士は34%にとどまりました。
年齢別でも調査結果に差異がみられ、30歳代の弁護士に比べて26~30歳の弁護士ではパートナーになることを希望する割合は低くなっています(わずか65%)。またこの若年層では、10年後も法律事務所で働いている(26~30歳では56%、これに対してそれ以外の年齢層では61%)、あるいは退職するまで法律事務所で働く(26~30歳では37%、それ以外の年齢層では43%)と予想する回答者の割合が低くなっています。
また地域間でも、若手弁護士の仕事に関する考え方に大きな違いが認められました。パートナーになることを希望する弁護士の割合は北米(58%)に比べて南米では極めて高くなっています(79%)。
若手弁護士は勤務形態も重視しており、全体の3分の1(38%)が将来のキャリアを考える上で柔軟な勤務形態が極めて重要と回答しており、4分の1強(28%)が労働環境の改善のため、より優れた設備を備えていることが望ましいと考えています。さらに、全体の25%が仕事と私生活とのバランスを改善したいと考えており、28歳以上の弁護士の場合、これを事務所を移る最大の理由に挙げています。
またこの調査では、報酬と機会における男女間の不平等が依然として問題であることが明らかになりました。女性弁護士の場合、キャリアのスタート段階では男性に比べて待遇が良いものの、資格を得てから3年後に状況は逆転し、男性弁護士の方が報酬が多くなり、格差は年を追うごとに拡大しています。21歳から25歳までの期間は女性の報酬が男性を30%上回っていますが、26~30歳では男性の報酬が女性を11%上回り、36~39歳では格差は25%に拡大します。
エバーシェッズのマネジングパートナーのリー・ランソンは以下のように述べています。
「過去5年間に弁護士という職業にはこれまでにない大きな変化が生じており、若い弁護士はキャリアの初期にこうした変化に適応しています。新世代の弁護士は、弁護士という職業に変革を起こす力を秘めていますが、これまで、若手弁護士の視点や願望に関する調査はほとんど行われてきませんでした。エバーシェッズは、こうした若手弁護士特有の懸念、意見、野心を把握することを目的に、画期的な調査を実施しました。」
「旧世代との共通点は多いものの、新世代の弁護士の優先事項はいくつかの点で異なっています。“つながり”に敏感な若手世代にとって、世界は一段と狭くなっており、旧世代に比べて国際的な場での活躍が重要な意味を持つようになっています。若手弁護士の3分の2(62%)が、就職先の選択に際して国際業務へのかかわりを不可欠の要素と見ています。」
「若手弁護士の半分近くが、自分たちが勤務する事務所の効率化のための建設的な手段を提示できると考えており、こうした声に注意を払うことが重要であることは明らかです。この世代は、キャリアが自分の人生の目的に合っているかどうか、疑問を抱いています。業界全体がこうした不安に耳を傾け、その解決を図ることにより、有能な人材を引き付け、関係を築いて維持していくことが重要と考えられます。」
以上
編集者への注記
エバーシェッズ法律事務所について
エバーシェッズ法律事務所とその世界各地のオフィスは、4500人以上の法務とビジネスのアドバイザーを擁し、民間部門と公的部門のビジネス・金融コミュニティーに質の高いリーガルサービスを提供しています。これらすべてのサービスは、エバーシェッズのグローバルな業務網を通じてご利用いただけます。エバーシェッズは、現地市場の知識・アクセスと世界最大級の法律事務所の専門性、資源、能力を組み合わせています。
「21st Century Law Firm: Inheriting a new world」について
この報告書は、法律業界の未来を考える報告書シリーズの第3弾です。
2008年に行われた第1回の調査では、クライアントがコストを一段と重視するようになっており、“ビラブルアワー(クライアントに報酬を請求できる時間数)”方式がとられなくなったことを歓迎していることが明らかになりました。2010年に発行された第2回報告書では、クライアントの間で新たな動きが発生し、企業内弁護士の数が増え、その地位も高まっていることが指摘されました。
今回まとめられた最新の「21st Century Law Firm」報告書は視点を次の段階に進め、次世代の弁護士が将来のキャリアや雇用主に何を求めているのか、さらに10年後の弁護士という職業についてどのように考えているのかについて、特に着目しました。調査への回答を通じて、若手弁護士は目的意識が強く、意欲的で、全般に満足感を抱いていることが明らかになりました。旧世代との共通点も多いものの、様々な面で変化を求めています。この新世代が数十年内に経営幹部や指導者となった際、その選択が21世紀の法律事務所と弁護士の新しいあり方、文化、特性を形作ることになります。
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