老後を金銭面の不安なく過ごすために必要な資金に関心のある方の中には、個人型確定拠出年金、通称iDeCo(イデコ)に興味を持っている方が多いでしょう。
iDeCoは国が用意している公的年金のみでは老後資金に不安のある方や、将来受け取れる年金額を増やしたい方が加入できる私的年金制度です。
iDeCoで運用した資産を原則として60歳になるまで引き出せない点や、2025年度の税制改正での改悪などのデメリットが目立ちますが、決してデメリットしかないわけではありません。
本記事では、iDeCoのデメリットやメリット、おすすめできる方について解説します。
基本情報や最新の改正情報も紹介するので、老後資金の準備に役立ててください。
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口座開設数 | 1,300万口座※1 |
---|---|
投資信託銘柄数 | 2,569銘柄※1 |
IPO実績 | 91社※2 |
取引手数料 | 0円〜 |
外国株 | 米国・中国など9か国 |
NISA/iDeCo | ○ |
クレカ積立 | ○(三井住友カードなど) |
ポイント投資 | ○ |
ポイントサービス | Vポイントなど5種類 |
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iDeCo(イデコ)はデメリットしかないと言われる理由
「iDeCoはデメリットしかないからやめとけ」「iDeCoはやばい」といった声を聞いたことがある人もいるでしょう。
それはいくつかデメリットが存在するのに加え、法改正により改悪すると言われているのが原因です。
確かにiDeCoは60歳までは引き出せない制度のため、計画的に拠出する必要があり、自由に引き出せないのは不便に感じるかもしれません。
しかしiDeCoには節税効果があったり、利益が非課税になったりとメリットも多く存在します。
メリットとデメリットを照らし合わせ、向き不向きを見極めるべきでしょう。
iDeCo(イデコ)の3つのデメリット
iDeCoにはいくつかデメリットが存在します。
iDeCoを利用する際のデメリットについて、詳しく解説します。
1.引き出せるのは原則60歳以降のみ
私的年金制度であるiDeCoは、原則60歳以上になるまで引き出せない点がデメリットです。
60歳になるまでは、お金が必要になっても自由に引き出せません。
そのため、家計や将来の人生を考えて計画的に掛金を設定する必要があります。
また、資産を運用しているなかで大きな利益が出たらすぐに引き出したいと考えている方には不向きでしょう。
2.元本割れする可能性がある
iDeCoは税制上の優遇措置はあるものの、個々人の判断で投資先を検討して加入することになるため、投資先によっては元本割れするリスクがあります。
また、公的年金のように納付した金額に対して受け取れる金額が決まっていません。
拠出した金額に対して大きく目減りする可能性があることを理解しておきましょう。
3.手数料がかかる
iDeCoを利用する場合、iDeCoに加入する際や掛金の納付時に手数料が必要です。
たとえばiDeCoに加入する際は2,829円、掛金の納付手数料として毎月105円がかかります。
また、上記に加えて事務委託先金融機関に、iDeCoの資産を管理する管理手数料を納める必要があります。管理手数料は金融機関によって異なるため、気になる方は確認してください。
なお、iDeCoで運用した資産を受け取る際に、給付手数料がかかることを理解しておきましょう。
おすすめしない!iDeCoが向いていない人の特徴
iDeCoへの加入が向いていない人の特徴は次のとおりです。
- 直近でまとまった資金を必要としている
- 所得が少ない
- 月5,000円の掛金を拠出できない
- 掛金を運用できる期間が短い人
iDeCoは60歳まで引き出せない年金制度のため、直近でまとまったお金が必要な人にはおすすめできません。
近い将来、教育資金や住宅購入費などを必要とする方は、iDeCoよりもNISAが向いています。
「NISAの始め方・口座開設方法!おすすめの証券会社5選も紹介」を参考に、NISAを始めましょう。
また、iDeCoの掛金は月5,000円からのため、5,000円を払い続けられない方には不向きでしょう。
拠出を一時的に停止したり減額したりすることはできますが、長期積み立てによる複利効果は薄れる点に注意が必要です。
iDeCo(イデコ)の4つのメリット
iDeCoは税制上の優遇措置があるため、資産を運用して老後資金を貯めたい方に向いています。
iDeCoのメリットについて、詳しく解説します。
1.掛金が全額所得控除となる
iDeCoは掛金で拠出した金額分が全額所得控除され、所得税と住民税が減額される点が大きなメリットです。
たとえば、国民年金第1号被保険者である自営業者の方は最大で月額68,000円まで拠出できるため、年間816,000円分が所得控除されます。
毎月の掛金の上限や所得控除の恩恵は個々人の状況によって異なりますが、なるべく多く所得控除を受けたい方はiDeCoの掛金を多めに設定するとよいでしょう。
2.公的年金に上乗せして受け取りが可能
iDeCoは個人型確定拠出年金という名前からもわかるとおり、公的年金とは別に個々人が任意で加入できる私的年金制度です。
拠出したお金で資産運用をおこない、原則として60歳以上から公的年金とは別に受け取ることができます。
NISAと同様に税制上の優遇措置があるため、お得に資産を運用して老後資金を貯めたい方はぜひ活用しましょう。
3.利益がすべて非課税になる
iDeCoで運用して得た利益は非課税になります。
株式や投資信託で得た利益の20.315%は税金として国に納めなければいけませんが、iDeCoで資産運用して得た利益には税金がかかりません。
資産運用で得た利益が全額手元に残るため、資産運用で老後資金を貯めようと考えている方はぜひ活用してみてください。
4.受け取り時に税制優遇を受けられる
iDeCoは、運用した資産を受け取る際にも税制優遇を受けられます。
受け取り方法は一時金として受け取る方法と年金として受け取る方法があり、それぞれ税制上の優遇措置が異なります。
一時金で受け取る場合は退職所得控除の対象となり、年金で受け取る場合は公的年金控除の対象となり、それぞれ一定額まで非課税で受け取れます。
iDeCoで運用した資産は原則60歳以上になるまで引き出せませんが、一時金として受け取るか年金として受け取るか、事前に検討しておくとよいでしょう。
iDeCoはこんな方におすすめ!向いている人の特徴
運用した資産に対して税制上の優遇措置があるiDeCoですが、すべての方におすすめできるというわけではありません。
iDeCoの利用をおすすめできる方について、詳しく解説します。
公的年金のみでは不安
公的年金のみでは老後資金に不安があり、お得に資産を運用して老後資金を貯めたい方にiDeCoは向いています。
iDeCoは個人が任意で加入できる私的年金制度です。
公的年金のみでは老後資金に不安がある方や、老後の生活にゆとりを持ちたい方が将来受け取れる年金額を増やす目的で加入するケースが一般的でしょう。
iDeCoは公的年金のように一生涯にわたって支給されるものではなく、運用の結果によって老後に受け取れる金額が変動しますが、NISAと同様に税制上の優遇措置があります。
退職金の額が少ない
退職金を老後の生活資金にあてたいと考えているものの、受け取れる退職金の額が少なく老後資金としては不十分だと感じている方にもiDeCoはおすすめです。
一定以上の退職金を受け取る際には、税金がかかります。
その際に退職所得控除を受けられますが、勤続年数の長さに応じて控除額が増える仕組みのため、勤続年数が短い方は控除額が少なく、受け取れる退職金の金額が少ない可能性があります。
勤続年数が長い方は、iDeCoで運用した資産を一時金で受け取ることも検討してみてください。
また、退職金がもらえない会社員の方や自営業者の方も、iDeCoを退職金代わりとして準備しておくと安心でしょう。
直近でまとまった資金が必要ではない
直近でまとまったお金が必要ではない方にも、iDeCoはおすすめできます。
家や車の購入、教育資金などの予定がない方は、ただ貯蓄するよりもiDeCoで拠出して運用したほうが増える可能性が高いでしょう。
iDeCoは私的年金制度のため、運用した資産は原則として60歳以上になるまで引き出すことができません。
またiDeCoの掛金の変更は1年に1回のみになるため、自身の支払い能力をきちんと確認して無理のない範囲で掛金を決めてください。
iDeCo(個人型確定拠出年金)の基本情報

iDeCoは公的年金とは別に給付を受けることができる私的年金制度です。
公的年金とはちがい、加入は任意で掛金の限度額は個々人の状況によって異なるうえ、運用に関しても加入者自身が金融商品を選択して運用しなければいけません。
iDeCoに関する基本的な情報について詳しく解説します。
iDeCo(イデコ)は個人が加入する私的年金制度
iDeCoは、加入者自身が設定された限度額の範囲で掛金を拠出して運用する私的年金制度です。
税制上大きく優遇されることから加入者は年々増加しており、2024年12月時点で加入者数は354万人(※)を超えています。
税制上の優遇措置はあるものの原則として60歳以上になるまで引き出せないため、老後資金の準備として活用するとよいでしょう。
国が用意している公的年金のみでは老後資金に不安がある方や、老後の生活資金にゆとりを持ちたい方が将来受け取れる年金額を増やす目的で加入するケースが一般的です。
また、iDeCoは公的年金のように一生涯にわたって支給されるものではなく、運用の結果によって老後に受け取れる金額が変動する点を理解しておきましょう。
なお、加入者自身が金融商品を選択して掛金を納め、資産を運用するため運用の過程で元本割れするリスクがあります。
※出典:iDeCo公式サイト-業務状況
iDeCoの加入条件
iDeCoに加入できるのは原則として20歳以上65歳未満の国民年金被保険者です。
具体的には次のように定められています。
加入者 | 加入条件 |
---|---|
国民年金第1号被保険者 | 20歳以上60歳未満の自営業者やフリーランスの方 |
国民年金第2号被保険者 | 会社員や公務員等の厚生年金の被保険者の方 |
国民年金第3号被保険者 | 20歳以上60歳未満の第2号被保険者に扶養されている配偶者 |
任意加入被保険者 | 60歳以上65歳未満で納付済期間が480月に達していないなどで任意加入している方 |
種別に関わらず、被保険者であればiDeCoの加入条件を満たしています。
65歳以上の方や、65歳未満でも老齢年金を繰り上げ受給している方はiDeCoに加入できません。
iDeCo(イデコ)の拠出限度額
iDeCoの拠出限度額は加入者によって異なり、次のように定められています。
加入者 | 拠出限度額 | |
---|---|---|
第一号被保険者 (自営業者・フリーランス) | 月額68,000円※1 | |
第二号被保険者 (会社員・公務員) | 企業年金に未加入の会社員 | 月額23,000円 |
企業年金に加入している会社員および公務員 | 月額20,000円 | |
第三号被保険者 (専業主婦・専業主夫) | 月額23,000円 |
2024年12月より、企業年金のうちDB・共済等の他制度に加入している方の拠出限度額が、月額12,000円から20,000円に引き上げられました。
ただし、iDeCoの掛金と企業年金やCB等の他制度の掛金合計額が月額5万5,000円を超えることはできません。
なお、2025年の法改正で拠出限度額は引き上げられる見込みで、より多くのお金をiDeCoで拠出できるようになります。詳しくはのちほど解説します。
iDeCo(イデコ)とNISAのちがい

金融商品の運用に対して税制上の優遇措置があるiDeCoとNISAですが、大きなちがいは引き出せるタイミングと優遇措置の内容です。
NISAはいつでも引き出せるのに対して、iDeCoは原則として60歳以上になるまで引き出せません。
そのため、老後資金を準備したい方はiDeCo、教育資金や住宅購入費目的で投資したい方はNISAといった使い分けができます。
また、NISAは資産運用で発生した運用益のみが非課税となるのに対して、iDeCoの場合は運用益が非課税になることに加えて毎月の掛金が全額所得控除の対象になります。
毎月掛金で拠出した金額分が所得控除されて所得税と住民税が減額されるため、長期で考えると大きなメリットになるでしょう。
NISAの詳細は「NISAの始め方・口座開設方法!おすすめの証券会社5選も紹介」で紹介しています。興味がある方はあわせて読んでみてください。
【2025年最新】iDeCo(イデコ)の改正情報
2024年12月に発表された2025年度「税制改正大綱」の中には、iDeCoの改正も含まれています。
一番のポイントは退職所得控除の「5年ルール」における改悪ですが、改良と呼ばれるものも存在します。
改正情報について、一つずつ説明していきます。
【改悪】退職所得控除の「5年ルール」が「10年ルール」に変更
iDeCoを一時金として受け取る際や退職金をもらう際の、退職所得控除に関する通称「5年ルール」が「10年ルール」に変更されます。
現在はiDeCoを一時金で受け取った後に5年以上空けて退職金を受け取れば、それぞれで退職所得控除を適用でき、税金を抑えられる仕組みです。
しかし、改定後は5年から10年に変更されます。つまり最大限の節税効果を狙うには、たとえば60歳でiDeCoを受け取り、70歳で退職するといった具合に10年以上空ける必要があるのです。
この「10年ルール」を適用できる人は実質少ないと考えられるため、改悪だとの声が上がっています。
【改良】拠出限度額が大幅アップ
改正後には、iDeCoの掛金である拠出限度額が大幅にアップします。
現行 | 改正後 | ||
---|---|---|---|
第一号被保険者 (自営業者・フリーランス) | 月額68,000円 | 月額75,000円※1 | |
第二号被保険者 (会社員・公務員) | 企業年金に未加入の会社員 | 月額23,000円 | 月額62,000円 |
企業年金に加入している会社員および公務員 | 月額20,000円 | 企業年金等と合わせて 月額62,000円 | |
第三号被保険者 (専業主婦・専業主夫) | 月額23,000円 | 月額23,000円 |
第二号被保険者は現状、iDeCoの上限20,000円かつ企業年金等の掛金と合わせて55,000円までですが、改正後はiDeCoの上限月額20,000円は撤廃され、企業年金等の掛金と合わせて62,000円になります。
第一号被保険者も68,000円から75,000円に上限が上がります。
年間に換算すると今よりも最大で84,000円多く拠出できるため、節税効果が高くなるでしょう。
【改良】拠出可能年齢が65歳未満から70歳未満に変更
現在、iDeCoに加入し拠出できるのは、65歳未満の国民年金被保険者です。
しかし改定後は、60歳から70歳でiDeCoに加入できない人のうち、「iDeCoの加入者・運用指図者だった」または「私的年金の財産をiDeCoに移換できる」場合はiDeCoに加入できるようになります。
ただし、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っていない場合に限ります。
加入期間が延びてより掛金を増やせるのは改良といえるでしょう。
iDeCo(イデコ)に関するよくある質問
iDeCoに関するよくある質問に回答します。
iDeCoにメリットが大きいと感じる方や、まだ不安がある方は読んでおきましょう。
公務員でもiDeCoに加入できる?
公務員はiDeCoに加入できます。
国民年金の第1号、2号、3号被保険者の方と国民年金の任意加入被保険者でiDeCoの加入条件に合致する方はiDeCoに加入でき、公務員や会社員の方は第2号被保険者です。
公務員の方は月額20,000円まで拠出できます。
また、公務員の方には関係ありませんが、会社員の方は勤め先で加入している企業型確定拠出年金の状況によってiDeCoに加入できない場合があるため、注意しましょう。
60歳になるまでに死亡した場合は?
iDeCoは加入者が60歳になる前に亡くなってしまった場合、加入者の遺族が請求することで死亡一時金として受け取れます。
iDeCoの加入者はご自身がiDeCoに加入していることや、60歳になる前に死亡した場合には適切に請求すればiDeCoで運用した資産を遺族が受け取れることを親族に伝えておきましょう。
iDeCoの加入者が死亡してから5年が経過すると相続財産扱いになり、相続財産扱いになったあとも請求がないと法務局に供託されるため、注意してください。
掛金の途中変更は可能?
iDeCoは毎月拠出する掛金の金額を決めて資産を運用しますが、拠出する掛金の額は1年に1回のみ変更可能です。
掛金の金額は1年に1回以上変更できないため、老後資金を作るためにいくら支払うのかや次回掛金の金額を変更できるタイミングまできちんと支払えるのかを検討して掛金を決めましょう。
毎月の掛金は原則として翌月の26日に納付しますが、残高不足で引き落としができなかった場合は追納できないため、残高不足にならないよう注意しましょう。
iDeCoは何歳から加入すべき?
iDeCoは税制上の優遇措置があるものの60歳以上になるまで運用した資産を引き出せないため、加入に適した年齢は個々人の資産形成に対する考え方やライフスタイルによって異なります。
老後資金をきちんと準備したい方は早めにiDeCoに加入して、なるべく長い期間資産を運用するほうがよいでしょう。
反対に老後資金の準備以外にお金を使いたい方も、本記事の内容を確認してiDeCoについて理解した上で、いつから加入するかや掛金をいくらにするか検討してみてください。
まとめ:iDeCo(イデコ)にはデメリットだけでなくメリットもある!
iDeCoは原則として60歳以上になるまで引き出せない点がデメリットで、元本割れのリスクもあります。
しかしiDeCoは掛金が全額所得控除になったり、一時金として受け取るか年金として受け取るかによって異なる税制上の優遇措置があったりと大きなメリットもあります。
「デメリットしかない」わけではないため安心してください。
公的年金だけでは不安な方や、退職金に期待できない方はiDeCoを活用するとよいでしょう。
今からiDeCoを始める方には、加入者数業界No.1(※)のSBI証券がおすすめです。
(※)※2023年5月 SBI証券調べ
ぜひ本記事で紹介した情報を参考にしてiDeCoを理解し、老後資金の準備に役立ててください。