黒沢 薫「自由さ、楽しさを3人で分かち合えた」中西アルノ「もっと先に見せたい世界がある」刺激的な音楽番組『Spicy Sessions』KAZをゲストに迎えた最新回の収録レポート&MCインタビュー公開
株式会社TBSテレビ

株式会社TBSテレビ(本社:東京都港区、代表取締役社長:龍宝正峰)が運営するCS放送「TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画」にて毎月放送中!ゴスペラーズの黒沢 薫と乃木坂46の中西アルノがMCを務める音楽番組『Spicy Sessions』(スパイシーセッションズ)。2026年8月22日(土)放送『Spicy Sessions with KAZ(GENERATIONS/数原龍友)』の収録を、ゴスペラーズをデビュー当時からよく知り、数々のアーティストのオフィシャルライターを務める音楽ライターの伊藤亜希が取材。番組の魅力を紹介するレポートの第17弾を、MCのインタビューと合わせてお届けする。
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(左から)黒沢 薫、KAZ、中西アルノ
■収録レポート
黒沢 薫(ゴスペラーズ)と中西アルノ(乃木坂46)がMCを務める『Spicy Sessions』は、ゲストのルーツや音楽観を掘り下げながら、生バンドとともにその場でセッションを作り上げていく音楽番組だ。歌割りやアレンジをゲスト、バンドと話し合い、音楽を立ち上げていく過程から見せることが、この番組ならではの魅力であり、そのシーンが楽しみという番組の熱心なファンも多いだろう。
第29回は、GENERATIONSのボーカリスト・数原龍友が、ソロアーティスト・KAZとして出演。黒沢との面識は、音楽番組で顔を合わせた程度、中西とはほぼ初対面というなかで、3人はどんな音楽を作り上げるのか。KAZの音楽的ルーツをたどりながら、その歌声の現在地に迫る収録となった。MCに呼び込まれてKAZが登場。「憂鬱な朝。そんな時に自分を高めるのが音楽だった。皆さんの朝を素敵にできるようにと思って作った」と紹介し、アコースティックギターを弾きながら披露したのは、ソロ曲「Beautiful Sunrise」。2000年代以降のサーフミュージックを思わせるアップチューン。リズムを捉えながら、フレーズによって声の強弱やニュアンスを細やかに変えていく歌唱に、観客も手拍子で参加しながら聴き入る。グループのボーカリストとして培ってきたものと、自らの音楽を追求するソロアーティストとしての感覚。その両方を見せる歌唱だった。
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ソロ曲「Beautiful Sunrise」を披露するKAZ
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KAZは『Spicy Sessions』での黒沢、中西の歌唱映像を見かけたことをきっかけに、出演してみたいと思ったという。番組について語るKAZの言葉から、ここで繰り広げられてきたセッションに惹かれていたことが伝わってきた。トークでは、改めてKAZの歩みを振り返る。2012年にGENERATIONSのボーカルとしてデビューした彼は、2019年に「Nostalgie」でソロ活動をスタートさせた。2024年にソロ名義を“KAZ”とし、アメリカで制作したオリジナルアルバム『STYLE』をリリース。さらに47都道府県を巡る『KAZ Acoustic Live』を開催するなど、自身の歌を追求してきた。そのルーツを黒沢が中心になり、丁寧に紐解いていく。親が好きだった影響で、物心がついた頃には家でEXILEの音楽が流れていたというKAZ。やがてR&Bやヒップホップへとたどり着いた。Brian McKnight、BOYZ II MEN、K-Ci & JoJoなど、KAZの口から次々とアーティスト名があがっていく。事務所からEXILEのルーツとなった楽曲が収められたiPodを渡され、そこからさらに音楽を掘り下げていったというエピソードも明かされた。自分が好きな音楽を聴くだけではなく、自分が歌う音楽の源流をたどっていく。そんなKAZの音楽との向き合い方を知ったところで、最初のセッションへ。
KAZが黒沢とのセッション曲に選んだのは、Marvin Gaye「What’s Going On」。彼がオーディションの課題曲として歌った、思い入れのある1曲だ。この曲が生まれた背景に触れ「今の時代に選曲すべき曲ですね」と言った黒沢。KAZは「いろんな想いが詰まっている。爽やかに歌うことで、メッセージ性がより強くなる」とコメント。スタッフから譜面が配られると、KAZ、黒沢、バンドメンバーが歌割りやアレンジについて話し始める。「せっかくなのでKAZさんに歌割りをお任せしちゃおうかな。言うことを聞きます」という黒沢の言葉に「えぇ!大先輩!」と恐縮するKAZ。そんな会話に観客もリラックスしていく。歌割りの最中に、黒沢が“こんな感じ?”とばかりに軽く歌う。「やばいですね。上がりますね!」とKAZ。ここで黒沢から中西へ、コーラスでの参加を提案。急な展開に中西が素直な反応を見せると、会場に笑いが起こる。中西はこの後、楽譜を覗き込み「1Bの後半のところからですか?」と確認。話が早い、というような表情で黒沢が頷く。歌唱前「適当にやるけど、あまり気にしないで」という黒沢の言葉に「スパイシーだな~!」とKAZ。この日だけの「What’s Going On」が形になっていった。歌い終えた後、KAZが「感慨深いですね。(この曲を)初めて人前で歌ったんで」とコメントした。原曲へのリスペクトを土台にしながらも、単なる再現にはならない。互いの歌を聴き、その瞬間に生まれたニュアンスを受け取りながら、次のフレーズへとつないでいく。KAZのルーツにあった1曲が、黒沢、中西、バンドとの出会いによって、新たな表情をまとう。まさに『Spicy Sessions』という番組の在り方が提示されたセッションだった。
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歌唱前恒例の打ち合わせシーン
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KAZ×黒沢「What’s Going On」
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中西も急遽参加
続いて、KAZと中西によるセッション。KAZが選んだのは古内東子「誰より好きなのに」だった。「女性の気持ちを知るために女性アーティストを聴いた」というKAZ。女性アーティストの曲を聴いていく中で「愛が生む幸せと憎しみは表裏一体」と思ったと話す。KAZの選曲に「古内東子さんは、アルノさん声合うよね」と黒沢。KAZも「そういう印象でした」と続ける。中西は「女の子のもどかしい気持ちをKAZさんが歌ってくれることにびっくり」と、選曲の感想を伝える。本番へ。イントロでステージの照明がパープルに変わる。KAZと中西、それぞれの声の個性が鮮やかに浮かび上がった。R&Bを自身の根として持ち、艶っぽい歌声でフレーズを運んでいくKAZ。一方の中西は、言葉とメロディーを丁寧にすくい上げながら、楽曲の切なさを透明感のある歌声で描き出していく。2人の声が交わった瞬間に新しい景色が生まれる。古内東子が描いた恋の情景に、新たな陰影が生まれていった。間奏でのバンドの美しい転調も、聴き逃せないポイントだ。ぜひ放送でチェックしてほしい。
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KAZ×中西「誰より好きなのに」
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今度は黒沢から、「KAZさんと一緒に歌いたい」とリクエスト。その曲は、中西保志の「最後の雨」だった。MCの中西は「「最後の雨」は、『Spicy Sessions』でずっと聴きたいと思っていて。念願が叶って嬉しい」とコメント。同曲をKAZ自身もカバーしており、そのバージョンを聴いて黒沢がセッション曲に選んだのだと言う。歌割りはKAZが担当し、「最後の雨」が披露された。歌唱後、「歌い手のアプローチの違いが明確になって。KAZくんのちょっとリズムを後ろに置きに行くのも良いし、僕は中西さんリスペクトでがーっと歌っていって」と黒沢が振り返る。中西は「黒沢さん印、KAZさん印がちゃんとあって。でもユニゾンもハモもぶつかることがない」と目を輝かせながら感想を話し、最後にこう締めくくった。「ぜひ音源化してほしい」。この言葉に観客からも大きな拍手が起こった。同じメロディーでも、歌い手が変わればその表情が変わる。そして異なる個性を持った歌い手が互いの声を受け取り合えば、そこに別の音楽が生まれる。KAZというボーカリストの個性を改めて浮き彫りにすると同時に、黒沢との声の相性を存分に味わえるセッションとなった。
この日、最後は中西のソロ歌唱コーナー。選んだのは松田聖子の「SWEET MEMORIES」。ベーシストがウッドベースに持ち替え、特別なアレンジで中西が歌い始める。息を飲んでその歌声を追いかける観客。スタジオが“BLUE NOTE TOKYO”や“Billboard Live TOKYO”のような空間に変わっていく。空間を司る歌声。中西の歌唱、そして楽曲に対する解像度が、『Spicy Sessions』を通して何段階も上がっていることを実感させるパフォーマンスだった。「大人~!」と言いながら中西に歩み寄る黒沢。「声を張るのを封印。それに合わせたバンドの大人な演奏」と、黒沢が中西とバンドにそれぞれ賛辞を贈った。
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KAZ×黒沢「最後の雨」
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中西「SWEET MEMORIES」
今回も音楽の魅力をさまざまな角度から示した『Spicy Sessions』。そして、2度目の開催となる番組発のライブイベント「Spicy Sessions -THE LIVE- 2026」についても、先日詳細が発表された。2026年10月20日(火)に、TACHIKAWA STAGE GARDENで昼と夜の2公演が行われ、昼公演に松崎しげる、私立恵比寿中学の真山りか&安本彩花、夜公演にK、家入レオがゲスト出演する。目の前で生まれる音楽に気持ちが高まる、『Spicy Sessions』らしいステージに期待したい。
■MCインタビュ―
収録後、MCの黒沢 薫と中西アルノにインタビューを行った。
──KAZさんは番組をよく知っていて、過去回まで掘り下げた上でリスペクトを言葉にしてくれていましたね。MCのお二人にとっても嬉しかったのでは?
黒沢:長く続けてきたことで、「面白い音楽番組をやっている」と、音楽をやっている人たちに少しずつ浸透してきた感覚はあります。KAZくんも「出たい」と言って出演してくれた。これは嬉しい傾向ですね。僕なら「ゴスペラーズだから」とか、アルノさんなら「乃木坂のメンバーだよね」と、先入観で知った気になって、歌を聴かれないこともある。でも『Spicy Sessions』を続けてきたことで、「実際どんな歌を歌うんだろう」と耳をそばだててもらえるようになってきた。それがここ数回、実を結び始めている気がします。
中西:私も、アイドルだからと聴く前から判断されるような先入観を、どうにか壊していきたいと思っていました。今日もKAZさんが「素敵な歌声の人がいると思っていた」と言ってくださって。そのきっかけがこの番組だったことが、何より嬉しいです。
黒沢:KAZくんは本当にね、「そこまで見てるんだ」というところまで知ってくれていて、本当に嬉しかったです。
──「What's Going On」は、バンドで聴くととても華やかでした。
黒沢:今回はMarvin Gayeの原曲と、Donny Hathawayのライブ版をミックスしています。Donny Hathawayのライブアルバムでは1曲目が「What's Going On」。僕がよく行っていたセッションイベントでは、そのバージョンをやることが多いんですよ。「You've Got a Friend」と「What's Going On」は、セッション界隈ではスタンダードなんです。今回はMarvin Gayeが歌っているフレーズとDonny Hathawayが歌っているフレーズを両方混ぜて、さらに自分たちのオリジナルも入れたんですよね。サビでアルノさんにも入ってもらって、最後はみんな自由にやる。そういうある種の混沌まで許容できる番組になってきている。
──最近は黒沢さんが楽曲について解説して、そこに中西さんが加わることで、視聴者にも音楽の面白さがより伝わるようになっていますよね。
黒沢:ただ「かっこいい曲をやっています」「この人たち、歌えてすごいですね」で終わるのではなく、音楽そのものを伝えたいんです。僕らが歌うことによって、「ポップミュージックって素晴らしい」ということを伝えたいと思うようになってるんですよね。
──「What's Going On」の後半はかなり自由でしたね。中西さんもメロディーを崩して歌ってましたし。どこからがアドリブなのか、途中でわからなくなってきました(一同笑)。
中西:私もどこまでアドリブなのか全然わからないです(笑)。でも「自由にやっていいよ」と言っていただいたので、自分もちょっと違う感じで歌ってみたんです。以前だったら、自分が何かをするとカオスになってしまう感覚があった。でも今は、ちゃんと一員として味付けできている……スパイスを入れられているなって、少しは思えるようになりました。
黒沢:入るべきスポットが見えるようになってきたんですよ。「ここの間に入ればいいんだ」っていうのが、少しずつ見えてきている。これはもうセッションシンガーの目線なので、この番組はとんでもない人を育ててしまっているなと思います(笑)。
──「誰より好きなのに」では、KAZさんが言葉を置くように歌っていたのが印象的でした。
中西:本当に。一つひとつを自分事として思い出しながら歌っているように感じました。歌っているというより、本当に言葉を置いているような感じ。それが隣にいる私にも伝わってきたので、頭で「どうアプローチしよう」と考えるより、KAZさんが見ている景色に乗っていった感覚です。私は、叶わなかった恋に未練タラタラな女の子を想像して歌っていました。思う気持ちはあるけど結ばれない、報われない恋ですね。
──「最後の雨」は、中西さんが“黒沢印、KAZ印”と表現していました。
黒沢:僕は1992年に原曲を聴いて「すごくいい曲だ」と思って、カラオケでも歌っていた世代なので、あまり崩したくない。一方、KAZくんは自然に「自分の歌としてどうアプローチするか」を考えられる世代だと思うんです。だから僕は、中西保志さんの完コピでもなく、KAZくんほど自由でもない、その真ん中に黒沢 薫を置こうとしました。
──実際に2人で歌うことで、お互いの歌が変化していくのが、ゆったりとしたメロディーだからこそ、すごくわかりやすかったです。
黒沢:そうなんです。歌で合わせると、リズムや歌い方がお互いにグッと寄っていく。それぞれ違うアプローチだったものが混ざり合って、『Spicy Sessions』オリジナルの歌い回しになっていく。こういうところにも、この番組のすごさを感じます。ハーフ&ハーフだったはずのものが、混ざり合うことでまた違う味になるんですよね。「誰より好きなのに」も、そういう感覚がありました。バンドも本当に素晴らしかったです。
──そして中西さんが歌った「SWEET MEMORIES」。松田聖子さんの原曲とはまったく違う景色が見えました。
中西:リハの時、バンドの皆さんに「音数を減らしたい」「クリックなしでやりたい」と相談しました。昔のことをぽつぽつと思い出しているような雰囲気で歌いたかったのと、松田聖子さんとは違う「SWEET MEMORIES」を表現したかったんです。ラストサビはかなり盛り上がるアレンジにしていただいていたんですけど、自分のやりたいと思う雰囲気に寄せていただき、ありがたかったです。
黒沢:アルノさんは、バンドに煽られて歌を熱くするのではなく、自分が設定した歌の温度を保つために、「音数を減らしてほしい」とバンドへ要求するようになったんですよね。これは大きいですよ。以前さユりさんの「ミカヅキ」を歌った時にも思いましたけど、もう「ただ歌が上手い」をやりたいわけではない。歌手として自分の世界観を作りたいと思うようになっているから。
中西:それは本当に『Spicy Sessions』で培ったものだと思います。カバーする意味を持たせたいと思うようになりましたし、「歌える自分を見て」ということよりも、もっと先に見せたい世界があると思っているんです。
黒沢:KAZくん自身がすごくセッションを楽しんでくれていて。それもすごく嬉しかった。グループでは普段、決められたものをきっちりやることが多い。まぁ、僕もグループをやっているからよくわかるんだけど。で、そこから自由になる時間って、やっぱり楽しいんですよ。もちろん怖くもある。曲の中で歌を自由にしても、すぐ戻る場所があるわけではないですから。でも、その自由さ、その楽しさを3人で分かち合えたのが、とても良かったと思います。
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■放送情報
<放送日時>
『Spicy Sessions with KAZ(GENERATIONS/数原龍友)』
2026年8月22日(土)午後11時30分~深夜0時30分
<放送チャンネル>
CS放送TBSチャンネル1
<番組ホームページ>
https://www.tbs.co.jp/tbs-ch/series/yRNA2/
<公式SNS>
X:
https://x.com/SSessions_tbsch
Instagram:
https://www.instagram.com/spicysessions/
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記事提供:PRTimes