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車載用バッテリー監視IC「S-19193シリーズ」を発売

エイブリック株式会社

車載用バッテリー監視IC「S-19193シリーズ」を発売

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/416744/img_416744_1.png
ミネベアミツミグループのエイブリック株式会社(社長:田中 誠司、本社:東京都港区、以下:ABLIC)は本日より、車載用3~6セルバッテリー監視IC「S-19193シリーズ」の販売を開始しました。
EVやe-Bikeなどの車載用BMS(Battery Management System)には、自動車用機能安全規格であるISO26262(※1)に準拠した機能安全(※2)への対応が求められます。
機能安全の受け入れ基準は(1)フェイルセーフ(故障が発生した場合に安全側に動作する)(2)フェイルオペレーショナル(故障しても運転を継続できる)(3)フェイルデグレーデッド(機能が低下した状態で動作させる)とあり、従来は(1)フェイルセーフの観点での機能安全を達成するための手法として、マイコン(MCU)と共にアナログフロントエンド(AFE)と呼ばれる高機能なICを使い、車載バッテリーの過充電・過放電状態を監視する手法が一般的でした。
従来の(1)フェイルセーフの考え方では、実際に故障が発生した際、「安全側に動作する」つまり車を停止させることでドライバーの安全確保を実現する方法で、車両が安全に停止した後にバッテリーの監視を継続することまでは求められません。
しかしながら、自動運転技術の進化にともない、トラブル時にもドライバーではなくシステムが対応するケースが増えることが予想され、故障発生時にも運転を継続できるといった(2)フェイルオペレーショナルや(3)フェイルデグレーデッドの考え方は今後ますます重要になってきます。

本日発売した車載用3~6セルバッテリー監視IC「S-19193シリーズ」は、車載バッテリーの過充電と過放電の監視機能を備え、ISO26262に対応した開発プロセスで開発された製品です。
「S-19193シリーズ」を使うことで、従来の監視系(プライマリ)が故障した場合にもセカンダリとしてバッテリーを継続的に監視することが可能となり、(2)フェイルオペレーショナルや(3)フェイルデグレーデッドにも対応した、より安全性の高いBMSが実現できます。

AFEやMCUの内部で監視機能がプライマリとセカンダリで構成されている例もありますが、これらは相互監視による故障検出が主な目的であり、機能をバックアップするには不十分です。また内部の二重化では、故障発生に同時に機能が失われる「共倒れ」のリスクもありますが、「S-19193シリーズ」によるセカンダリ監視はプライマリ監視から完全に独立させることが可能なため、共倒れリスクも回避できます。
また、MCUによる制御が不要なスタンドアロン動作のセカンダリ監視回路を構成することが可能となるため、設計上の工数軽減にも貢献します。

なお、「S-19193シリーズ」を用いたBMSの機能安全設計をサポートするため、Safety Manualのダウンロードが可能です。また、本製品はアメリカ自動車工業会 (AIAG) が定めるPPAP(Production Part Approval Process: 生産部品承認プロセス)に対応しており、車載ICの品質規格AEC(*)-Q100 Grade1(*Automotive Electronics Council: 車載電子部品評議会)にも対応予定です。

ABLICは、これからも長年にわたり培ってきた技術力とノウハウで、安全性に配慮した高品質な製品でお客様に貢献出来るよう努めてまいります。

(※1) ISO 26262:2011年11月に正式発行された車載電子制御の機能安全に関する国際規格。車載電子制御において故障のリスクを算出し、そのリスクを軽減する仕組みを機能の一つとしてあらかじめシステムに組込む「機能安全」を実現するための開発プロセスを標準化したもの。車両の構想からシステム、ECU、組込みソフトウェア、デバイス開発、およびそれらの生産・保守・廃棄に至るまで、車両の開発ライフサイクル全体が対象となる。
ABLICは、「ISO 26262」の開発プロセス認証をドイツ・第三者認証機関より取得済み
(参照 https://www.ablic.com/jp/semicon/news/2024/01/10/iso26262/
(※2) 機能安全:機能的な工夫を組み込み、許容できるレベルの安全性を確保すること
(参照 https://www.ablic.com/jp/semicon/products/automotive/asil/ )


【主な特長】
1. セカンダリ監視ICとして使うことで故障発生時にも車載バッテリーの監視機能を継続
S-19193シリーズは、マイコンによる制御を必要としないスタンドアロン動作で、バッテリーの過充電・過放電を常時監視し続けることが可能です。メインの監視系(プライマリ)が故障した場合にもバッテリーの監視を継続することが可能となり、フェイルオペレーショナルなBMSを実現できます。
また、S-19193シリーズは、ISO26262に準拠した開発プロセスで開発された機能安全準拠製品であり、想定されたユースケースの下でASIL-B(D)レベルを達成しています。既存の回路をプライマリ監視として流用しつつ、本ICでセカンダリ監視回路を構成することで、より安全性の高いBMSを実現可能です。

2.シンプルな構成でスタンドアロン監視し、自己診断による故障検出が可能
外部からスタート信号を入力するだけで、IC内部の故障を検出することが可能となる自己診断(セルフテスト)機能を搭載しています。ICを長期間使用した場合に発生する可能性のある「偶発故障」により、もし過充電・過放電監視機能が損なわれた場合でも、セルフテスト機能を使ってシステムが監視機能の故障を検知できます。

3.カスケード機能により少ない部品でシンプルな監視回路を実現
「S-19193シリーズ」はカスケード機能を備えています。さらに隣接するS-19193シリーズ間の接続方式には直接接続に加えて、フォトカプラ―を介した接続をサポートしており、バッテリーの直列数の多い高電圧BMSにおいても安全な監視回路を構成することが可能です。

【主な仕様】
過充電検出電圧:2.50V ~ 4.50V ±20mV
過放電検出電圧:1.00V ~ 3.00V ±80mV
動作時消費電流:20μ max.
最大定格:28V
動作温度:-40℃~+125℃
パッケージ: HTSSOP-16
機能安全準拠 (※3)
AEC-Q100対応
PPAP対応可能
(※3)機能安全対応について: https://www.ablic.com/jp/semicon/products/automotive/asil/fusa-compliance/?rf=asil

【用途例】
●車載機器
EV、HEV、PHEV、e-Bikeなど車載BMSのバッテリー監視
●産業機器
蓄電器、電動フォークリフトなどのバッテリー監視

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/416744/img_416744_2.jpg


【製品詳細】
https://www.ablic.com/jp/semicon/products/automotive/automotive-lithium-ion-battery-protection-ic/s-19193/


【Web サイト】
https://www.ablic.com/

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/416744/img_416744_3.jpg
本製品は、環境貢献に優れた製品としてミネベアミツミグループの「グリーンプロダクツ」に認定された製品です。詳しくはこちらをご覧ください。


詳細はこちら

車載用バッテリー監視IC「S-19193シリーズ」を発売車載用バッテリー監視IC「S-19193シリーズ」を発売

記事提供:@Press

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