ブレインパッド、「衛星データ×AI検索」の有望ユースケース3選を公開
株式会社ブレインパッド

株式会社ブレインパッド(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO 関口 朋宏、以下:ブレインパッド)は、「AI検索×地理空間データ」の有望なユースケース3選を、衛星画像データとマルチモーダルAI(*1)による地理空間検索技術「Orbital Sense(オービタル・センス)」のサイトに公開したこと、および新しく「地理空間ディープリサーチ機能」の開発を開始したことを発表します。(
https://www.brainpad.co.jp/orbital-sense/ja/ )
今回発表するユースケースは、すでに先行公開したOrbital Senseの利用履歴や、ジオテクノロジーズ株式会社(代表取締役社長 八剱 洋一郎)との共同研究中に顧客ヒアリングをした結果、ニーズが多く、かつ工数が多い作業であり、AI活用によるインパクトが大きいと考えられたケースです。また、開発を開始した「地理空間ディープリサーチ機能」は、従来の「あいまい検索」で抽出した衛星画像データに対し、施設情報や土地利用規制といった別の構造化データを重層的にかけ合わせ、より詳細な条件で絞り込みと分析を行う機能です。
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「AI検索×地理空間データ」の有望なユースケース3選
現在、日本における衛星画像データの生成AIによる活用事例は多くなく、各社は具体的な活用方法を模索している段階にあります。今回のユースケースの発表により、衛星画像データの活用方法のイメージを具体化し、さらにはこれをきっかけとして宇宙×AI分野のイノベーション創出に寄与してまいります。
■ 背景1:宇宙×AI分野への関心の高まり
本年10月24日、高市首相は所信表明演説にて、戦略分野のひとつに「宇宙」を挙げ、また、「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」を目指すと発言しており、政府として大胆な投資促進や国際展開支援、人材育成などの多角的な総合支援を講じる方針を明らかにしました(*2)。
すでに、衛星データを用いたサービス提供の重要性は指摘されていましたが(*3)、さらに、宇宙技術とAIを組み合わせたイノベーション創出への期待が、政策レベルで一層高まっています。
■ 背景2:生成AI×地理空間データの事例は諸外国が先行
日本においては、衛星画像データの活用は、生成AIを組み合わせた具体的な活用方法を多くの企業が模索している段階にあります。この現状は、生成AIの企業への導入率が米国や中国などと比較して緩やかなペースであるという日本特有の事情とも関連しています。
一方、世界では、災害対応や物流ルート最適化、都市の成長予測など、さまざまな分野で生成AIと地理空間データを組み合わせた先進的なユースケースが急速に拡大しており、市場規模も大きく成長しています(*4)。
当社はこのグローバルの波を捉え、日本においても具体的な活用例を提示し、宇宙サービスの発展を加速させることが喫緊の課題と捉え、今回のユースケース公開に至りました。
■ ユースケース3選 ~高ニーズ&高工数の作業を解決~
● ユースケース1:運転するうえで危険が生じうるヒヤリハット地点の検出
衛星画像と地理空間データをもとに、道路の形状、周辺の建物、視界の悪さなどの要素をAIが解析し、過去にヒヤリハットが発生した可能性のある、または将来的に危険が生じうる交差点や区間を抽出・可視化します。これにより、インフラ整備の優先順位付けや、運転者への注意喚起に活用できます。
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※本ユースケースは、発生リスクの推定・把握を補助する指標であり、個別の最終判断は現地確認等に基づきユーザー様にて実施いただきます。
● ユースケース2:再生可能エネルギー発電(太陽光や風力)用の大規模用地の探索
自然言語による大まかな検索で、大規模発電に適し得る連続した平坦な地表を持つ地点の候補を抽出できます。さらに、日射・風況・標高/傾斜・方位・送電網からの距離・土地利用規制といった構造化データを重ね合わせることで、説明性を担保した用地候補のリスト化までを最終的に実現します。大規模な太陽光発電所や風力発電所を建設するのに最適な候補地を自動で選定し、開発にかかるリードタイムとコストの大幅な削減に寄与します。
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● ユースケース3:施設情報などの構造データとの組み合わせによる、公共施設近くの駐車場用地リストの探索
公共施設(病院、学校、役場など)の施設位置情報と、衛星画像から得られる未利用地の情報や地表面の状況をマルチモーダルAIで組み合わせて分析し、それらの施設への近接度合いで絞り込み、将来的な駐車場開発に適した土地をリストアップします。これにより、効率的な都市計画や利便性向上に寄与します。
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※本ユースケースは、開発を開始した「地理空間ディープリサーチ機能」により実装可能となります。地理空間ディープリサーチ機能の開発完了は2026年初頭を予定しています。
■ マルチモーダルAI×衛星画像の「Orbital Sense」
「Orbital Sense」は、膨大な衛星画像の中から、あいまいな指示でもAIが意図を類推して地域を提示する、衛星画像の「あいまい検索」技術です。
「施設名」とその「敷地面積」など、テキストや数値で構成された構造的な地理情報と、非構造データである衛星画像を、マルチモーダルAIを用いて組み合わせることにより、従来の地理情報が持っていない、「建物の雰囲気」や「エリアの住みやすさ」などのあいまいな情報を検索、提示します。
Orbital Sense:
https://www.brainpad.co.jp/orbital-sense/ja/
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■ 株式会社ブレインパッド アナリティクスコンサルティングユニット 統括ディレクター 押川幹樹 コメント
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衛星画像データのビジネス活用には、位置や地形といった空間配置の情報と、その上を動くヒトの動態情報を組み合わせるなど、違う情報レイヤーにあるデータをいかに組み合わせるかが重要です。今回公開した「生成AI×地理空間データ」のユースケースにより、多くの企業様にとって活用の具体的なアイディアを創出する一助となることを期待しています。
さらに、いっそうのマルチモーダルでの分析ニーズに応えるべく、構造化データと連携した「地理空間ディープリサーチ機能」の開発も進めています。
ブレインパッドは、「Orbital Sense」の提供を通じ、宇宙×AI分野のイノベーション創出に一層注力してまいります。
(*1):「マルチモーダルAI」とは、異なる形式のデータを統合的に処理する生成AIのこと。画像・音・テキストなど複数の形式のデータの特徴を関連づけて学習し、より統合的な情報処理を行います。
(*2):首相官邸「第219回国会における高市内閣総理大臣所信表明演説」
https://www.kantei.go.jp/jp/104/statement/2025/1024shoshinhyomei.html
(*3):経済産業省 製造産業局 宇宙産業課「宇宙産業における今後の取組の方向性について」
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seizo_sangyo/space_industry/pdf/003_03_00.pdf
(*4):「地理空間分析市場レポート:コンポーネント、タイプ、技術、企業規模、展開モード、業界別、地域別、2025年~2033年」
https://www.gii.co.jp/report/imarc1831829-geospatial-analytics-market-report-by-component.html
■ ご参考情報
● 「Orbital Sense(オービタル・センス)」について
https://www.brainpad.co.jp/orbital-sense/ja/
「Orbital Sense」は、膨大な衛星画像の中から、あいまいな指示でもAIが意図を類推して地域を提示する、衛星画像の「あいまい検索」技術です。
● 株式会社ブレインパッドについて
https://www.brainpad.co.jp/
ブレインパッドは2004年創業の日本を代表するデータ/AI活用のリーディングカンパニーです。近年は「分析/コンサルティング/SI」「人材育成・教育」「SaaS」の三位一体のビジネスモデルを武器に、企業の内なるIT力を高める「データ活用の民主化と内製化支援」に注力しています。支援実績は金融・小売・メーカー・サービスなど幅広い業種を対象に1,400社を超え、データの力をビジネス創造と企業価値向上につなげるお手伝いをしています。
本社所在地:東京都港区六本木三丁目1番1号 六本木ティーキューブ
上場市場:東京証券取引所 プライム市場(証券コード 3655)
設立:2004年3月
代表者:代表取締役社長 CEO 関口 朋宏
資本金:597百万円(2025年6月30日現在)
従業員数:589名(連結、2025年6月30日現在)
事業内容:データ活用を通じて企業の経営改善を支援するプロフェッショナルサービス、プロダクトサービス
■ お問い合わせ先
● 製品・サービスに関するお問い合わせ
株式会社ブレインパッド
e-mail:
info@brainpad.co.jp
*本ニュースリリースに記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
*本ニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
以上
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