インターネット – とれまがニュース

経済や政治がわかる新聞社や通信社の時事ニュースなど配信

とれまが – 個人ブログがポータルサイトに!みんなでつくるポータルサイト。経済や政治がわかる新聞社や通信社の時事ニュースなど配信
RSS
インターネット ネットビジネス PC モバイル セキュリティ ゲーム AV
とれまが >  ニュース  > コンピューターニュース  > インターネット

アートを媒介として多様な人々の対話を生み、持続可能な地域の未来を拓く<東洋大学SDGs NewsLetter Vol.36>

学校法人東洋大学

アートを媒介として多様な人々の対話を生み、持utf-8

近年、過疎化やコミュニティの衰退といった課題が山積する中で、パブリックスペースにおける「文化芸術」の活用が注目されています。文化芸術は、持続可能な地域の実現に向けてどのような力を発揮するのか。アートを通したまちづくりを実践する理工学部建築学科の田口陽子准教授にお聞きしました。

[画像1]https://digitalpr.jp/table_img/2714/106534/106534_web_1.png

地域の未来に対する対話や創造を育むアートの力




[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2714/106534/600_400_2025032418062967e12095ea79e.jpg



──先生が取り組まれた、アートを活用したまちづくりについて教えてください。

有田焼で有名な佐賀県有田町にある、築90年の空き家「江越邸」を拠点に行った「FUTURE ARITA project」があります。江越邸の活用を巡って生まれた本活動は、学生や地域住民と「未来の有田」のシナリオを描き、それをアーティストが作品に表現し、実際のまちづくりにつなげる試みです。

私は博士課程時代に留学したオランダで、まちづくりの合意形成のプロセスに、建築家が積極的に関わっている事実を知りました。まず建築家が実現可能か分からない極端な都市計画のシナリオやイメージを提案し、それに対して地域住民を含む関係者が意見を出し合いながら合意形成を図るのです。留学経験を機に同分野に関心を抱き、帰国後、まちづくりに関わるようになりました。日本でも地域住民を巻き込んだ取り組みが各地で行われていますが、単に生活者の意見を反映させること以上に、生活者自身が未来を共に創る主体として関わるプロセスが重要だと考えています。解決策を模索していた際、オランダでの経験に立ち返って思い付いたのが、アートを媒介にすることでした。

都市計画のビジョンは通常、多様な意見を反映させる過程でシンプルな言葉に落とし込まれますが、新たな発想が制約される危険性があります。しかしアートは、人により解釈がさまざまです。「FUTURE ARITA project」では、地域住民と学生のワークショップで生まれた「未来の有田」をアート作品として展示したところ、8割以上の鑑賞者が「未来の有田に対するイメージが膨らんだ」「やや膨らんだ」と回答。言葉だけでは共有しにくい都市の未来像が想像しやすくなっただけでなく、まちづくりの議論も活性化したのです。

──人によってさまざまな解釈ができるアートだからこそ、多様な視点を共有できるのですね。

アートの力は、地域社会における「持続可能性」や「未来への対話」が求められるシーンで発揮されると考えています。こうした対話や交流には、多様な視点から新たな価値を探るコミュニケーションの場が欠かせません。私は、一見何の役に立つかわからないアートがあえて一義的な意味に回収されないことで、対話のきっかけになると考えています。私が述べるアートとは、予定調和的にあるものではなく、実験の要素を含んでいます。さまざまな考えや価値観が共存する場こそが、パブリックスペースの本質です。アートが媒介となることで、住民の多様な活動へとつながる流れを生み出せるのではないか。パブリックスペースを「ビジョンの実験場」と捉え、地域社会の未来に貢献する可能性を探っています。
アートは観光資源としてだけでなく、地域の暮らしにおいて価値があるものです。例えば、市民の創造性の向上を目的とした「さいたま国際芸術祭」では、参加者がイベントを機にシェアキッチンなどの取り組みを始めています。アートが地域活性化につながった好例と言えるでしょう。

──「大阪・関西万博」は、未来社会のビジョンを提示する場となることが期待されています。

大阪・関西万博は「未来の可能性を示唆するプロトタイプを生み出す場」であるべきだと考えています。完成形の未来を示すのではなく、多様な可能性を派生させる「実験的な場」として機能すること。「実用化できないから意味がない」と切り捨てられがちなものも含めたさまざまな未来の形が展示され、実証実験も行われ、人々の交流や対話、発見が生まれる。プロトタイプづくりを通して、多様なアプローチを探り、新たな価値を生み出すきっかけになることが、本イベントの役割ではないでしょうか。

“曖昧な存在”を通し、多様性に開かれるパブリックスペースへ




[画像3]https://digitalpr.jp/simg/2714/106534/600_399_2025032418063467e1209ab72a3.JPG



田口陽子+東洋大学地域デザイン研究室
《スケーパー研究所・妖怪実験》2024年

──今後の研究テーマについてお聞かせください。

現在、文京区の麟祥院の敷地内に建つ空き家「葉集軒」の活用プロジェクトに取り組んでいます。麟祥院は徳川家光の乳母・春日局の菩提寺であり、のちに井上円了が、東洋大学の前身である私塾哲学館をその一部を借りてはじめた歴史があります。葉集軒は、昭和初期に建てられ、変遷を重ねてきました。葉集軒の歩みをひも解きながら、地元住民とマンション開発によって増加した新規転入者とが交わり、新たな関係が生まれるパブリックスペースとしてのあり方を模索しています。

現在は、井上円了が妖怪学者でもあったことにちなみ、学生や地域住民と妖怪をテーマにしたワークショップを通じて、多様な視点を交換する取り組みを行なっています。妖怪は世代を超えて愛されており、異質なものの象徴です。妖怪という「曖昧な存在」をテーマにしたアートは、何気なく見過ごしていた風景や物事を別の角度から「みる」ことを促し、同時に、自らもまた「みられる」可能性に気づくきっかけにもなります。この体験は人々の視点を揺さぶり、当たり前だと思っていた自らの視点を見つめ直す機会となっているようです。こうした気づきが対話を促し、多様性に開かれる場へと発展していくことを願っています。
















[画像4]https://digitalpr.jp/simg/2714/106534/400_266_2025032418062067e1208c6abdb.jpg















田口 陽子(たぐちようこ)
東洋大学理工学部建築学科准教授/博士(工学)
専門分野:建築学/都市計画・建築計画/環境デザイン
研究キーワード:公共空間デザイン/地域施設計画/まちづくり/地域計画/都市居住
著書・論文等:創作活動の場を核とした複合空間における共創と集客拠点形成-オランダのDe Ceuvelにおける空間マネジメントの実態調査(共著) [住総研研究論文集 Vol.43]等


本件に関するお問合わせ先
東洋大学総務部広報課
mlkoho@toyo.jp
取材お申し込みフォーム
https://www.toyo.ac.jp/press/

関連リンク
東洋大学SDGs NewsLetter一覧
https://www.toyo.ac.jp/sdgs/newsletter/
東洋大学SDGs特設サイト
https://www.toyo.ac.jp/sdgs/

アートを媒介として多様な人々の対話を生み、持utf-8アートを媒介として多様な人々の対話を生み、持utf-8

記事提供:Digital PR Platform

記事引用:アメーバ?  ブックマーク: Google Bookmarks  Yahoo!ブックマークに登録  livedoor clip  Hatena ブックマーク  Buzzurl ブックマーク

ニュース画像

一覧

関連ニュース

とれまがマネー

とれまがマネー

IR動画

一覧

とれまがニュースは、時事通信社、カブ知恵、Digital PR Platform、BUSINESS WIRE、エコノミックニュース、News2u、@Press、ABNNewswire、済龍、DreamNews、NEWS ON、PR TIMES、LEAFHIDEから情報提供を受けています。当サイトに掲載されている情報は必ずしも完全なものではなく、正確性・安全性を保証するものではありません。当社は、当サイトにて配信される情報を用いて行う判断の一切について責任を負うものではありません。

とれまがニュースは以下の配信元にご支援頂いております。

時事通信社 IR Times カブ知恵 Digital PR Platform Business Wire エコノミックニュース News2u

@Press ABN Newswire 済龍 DreamNews NEWS ON PR TIMES LEAF HIDE

Copyright (C) 2006-2025 sitescope co.,ltd. All Rights Reserved.