■福井工業大学■文部科学大臣表彰(科学技術賞)受賞 フェイクメディアの拡散と生成を防ぐ先駆的研究
福井工業大学

【だますAI】 × 【見破るAI】
本物そっくりのメディアクローンを生成するAIとそれを解析するAIを制作し、戦わせながらそれぞれ精度を上げていき、見破る能力を高める方法を研究し、フェイクメディアを発見するシステムの基盤をつくりました。
今回のこの成果は、生成AIの負の側面に適切に対処する基盤技術を提供することで、情報の信頼性を確保しながら、多様なコミュニケーションや意思決定を支援可能とし、人間中心の健全なサイバー社会の実現に寄与することが期待されています。
令和7年4月15日(火)、文部科学省講堂にて「令和7年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰」において、経営情報学部長 馬場口 登 教授が、科学技術賞(研究部門)を受賞しました。
「フェイクメディアの拡散と生成を防ぐ先駆的研究」として、越前 功 情報・システム研究機構 情報社会相関研究系 教授、山岸 順一 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)コンテンツ科学研究系 教授との共同研究成果に対する受賞となります。
今回の研究は、生成AIによるフェイクメディア拡散の脅威を予見し、フェイクメディアの拡散と生成を防ぐ革新的な技術群を確立しました。また、フェイク顔映像をAIモデルにより検出する手法や、フェイク検出と改ざん領域推定を同時に行う手法などを提案し、Deepfake detectionと呼ばれる研究分野を創成しました。フェイクメディアの拡散と生成を防ぐ先駆的な学術成果のみならず、フェイク顔映像検出や音声プライバシー保護の産業応用といったイノベーションを創出し、社会課題の解決に貢献しています。
馬場口教授らは2016年ごろから、生成AIを悪用したフェイク動画や画像・音声が、政治的な世論操作や、詐欺などの犯罪に使われる危険性を予見し、対策の研究方法の礎を築いたことが、今回の受賞の評価となりました。
馬場口教授:「16年に始めたプロジェクトの先見性が認められて嬉しく思います。これまでの研究は、多くの共同研究者や学生らの貢献によるもので、心より感謝しています。
プロジェクトを始めたころ、ある程度予見はしていたが、選挙妨害や大統領のニセ動画を使った世論操作、詐欺や思想誘導など、これほど社会的影響が大きくなるとは想像していませんでした。世界的な脅威だといえます。22年ごろから生成AIが一般に普及して、フェイクメディアはますます巧妙になってきました。今後、若い研究者たちがフェイクメディアを見破るAIの研究を進めることを期待します。」と話しました。
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/

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