SAS 行政機関における2026年に起こるAI動向を予測
SAS Institute Japan株式会社
テクノロジーと行政機関にとって激動の1年
ーSAS公共部門の専門家が不確実な未来に挑む
データとAIのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(以下、SAS)は、IDCと実施した調査レポート「Data and AI Impact Report: The Trust Imperative(データとAIのインパクトレポート:信頼の重要性 )」(
https://www.sas.com/content/dam/sasdam/documents/20250124/data-and-ai-impact-report-the-trust-imperative-emea.pdf )を発表しました。2025年に行政機関とAIの両面で生じた混乱と変動は、予測の難しさを改めて浮き彫りにしました。しかし、不確実性に満ちた年にもかかわらず、多くのSAS専門家は行政機関におけるAI(
https://www.sas.com/en_us/news/press-releases/2024/november/government-2025-predictions.html )の進化を的確に見通していました。
行政機関のAI投資(
https://www.sas.com/ja_jp/industry/government/technology/ai.html )は増加していますが、信頼性の確保に対する取り組みが追いついていないことが明らかになっています。本レポートによると、行政機関は他業界と同等またはそれ以上に生成AIを活用しており、従来型AIやエージェンティックAIの利用においてもリードしています。一方で、信頼できるAIインフラやソフトウェアへの投資は、民間企業に比べて遅れを取っています。
この状況は2026年のテクノロジーにおいて何を意味するのでしょうか。各国の行政機関は、AIのイノベーションにあわせて信頼性確保に向けた取り組みを同じく重視するようになるでしょうか。規制環境が不安定な中、各行政機関はAI活用を適切に導くための強固なAIガバナンスを採用していくでしょうか。そして、これらの投資は期待どおりの生産性と効率性の向上をもたらすでしょうか、それともより現実的で慎重なアプローチが広がっていくのでしょうか。激変する環境の中、SASの公共部門の専門家が、2026年を予測しています。
さらに詳しいトレンドやSAS専門家による予測については、
http://blogs.sas.com/predictions を参照してください。
高額なコンサルティング依存から、テクノロジーで力を得た人材へ
行政機関は、高額なコンサルティングや高度にカスタマイズされたソリューションを必要とする技術導入への支出を抑制したいと考えるようになります。今後は、テクノロジーを活用して分析とワークフローを加速させ、職員がより少ない労力でより多くの成果を上げられるようにすることが鍵となります。つまり、業界の知見、導入障壁の低いテクノロジー、そして人材の能力強化を融合させることが重要です。
― SAS 米国公共部門担当バイスプレジデント、ベン・スチュワート(Ben Stuart)(
https://linkedin.com/m/in/benstuartsas )
透明性が行政機関におけるAI・生成AIの進化にとって重要な要素に
行政機関において、AIは実証実験の段階から実用段階へと移行していきます。多くの場合、AIエージェントとして導入され、人間の介入をほとんど必要とせず意志決定や処理を実行するケースが増加するでしょう。こうした環境においては、アルゴリズムの透明性を確保することが不可欠です。AIが下す判断を監査可能、説明可能かつ人間が理解できるものにすることが重要です。
― SAS ブラジル システムエンジニア、ルーカス・エルミノ(Lucas Ermino)(
https://www.linkedin.com/in/lucasermino/ )
AI規制とデジタル主権への対応が進む中、AIガバナンスが行政期間の最重要課題に
各国の行政機関は、自国のデータおよび計算リソースを自国内で管理・制御するために、ソブリンAIソリューションを積極的に強化していくことになるでしょう。これにより、国家レベルのAIエコシステムやローカルのデータセンター構築の動きが加速すると見込まれます。
― SAS データ倫理実践部門データサイエンティスト、ブルシャリ・サワント(Vrushali Sawant)(
https://www.linkedin.com/in/vrushalipsawant/ )
EU AI法の適用開始期限が迫り、規制当局が最初の執行に向けて準備を進める中、各国でも新たなAI規制の枠組みが登場しています。2026年には、企業はコンプライアンス確保のためだけでなく、イノベーション推進の手段としてもAIガバナンスに一層注目するようになるでしょう。
― SAS EMEAおよびアジア太平洋担当チーフプライバシーストラテジスト、カリオピ・スピリダッキ(Kalliopi Spyridacki)(
https://www.linkedin.com/in/kalliopispyridaki/ )
公共部門のリーダーたちは、AIリテラシーをオプションではなく必須の項目と認識するようになるでしょう。ガバナンスは、単なる技術的なチェックリストを超え、共通認識と説明責任を重視する方向へと進化していきます。そして、責任あるイノベーションと公共の信頼を支える基盤としてのAIリテラシーが位置づけられることになるでしょう。
― SAS スウェーデン データ倫理実践部門プリンシパル信頼AIスペシャリスト、ジョセフィン・ローゼン(Josefin Rosén)(
https://www.linkedin.com/in/josefinrosen/?originalSubdomain=se )
市民サービスでエージェンティックAIの活用が進む
2026年以降、生成AIの大きな転換と大規模言語モデル(LLM)のコモディティ化が顕著になると見込まれます。その中で信頼性が高く、精度の高いコンテキストを提供し、複雑なワークフローを統合的に実行して真の価値を創造する、エージェンティックAIフレームワークが台頭してくるでしょう。従来型AIと生成AIを組みあわせたバーチャルアシスタントは、多言語かつ複雑な市民からの問い合わせに対応し、待ち時間を短縮し、アクセシビリティの格差解消に貢献するようになります。
― SAS スペイン 公共部門担当シニアセールスマネージャー、アフシン・アルマッシ(Afshin Almassi)(
https://www.linkedin.com/in/afshinalmassi/ )
合成データが実データ不足の解決策に
実データのみに依存する行政機関は、政治的変動やデジタル主権がもたらす制約によって身動きが取れなくなるリスクがあります。コンプライアンスを完全に遵守しながらAIを安全かつ大規模に革新する唯一の方法として、合成データが不可欠な存在になるでしょう。
― SAS イタリア グローバル顧客アドバイザリーディレクター、アレーナ・ティシチェンカ(Alena Tsishchanka)(
https://www.linkedin.com/in/alenatishka/ )
分析に対するガードレールが適切に整備されることで、LLM(大規模言語モデル)はメール、インシデントレポート、有害事象など、非構造化合成テキストデータの生成にも活用され、調査、トレーニング、テストなど新たなデータソースとして重要性が高まるでしょう。
― SAS アドバイザリー・ソリューションアーキテクト、トム・サボー(Tom Sabo)(
https://www.linkedin.com/in/tomsabo/ )
トムによる解説記事はこちらを参照ください:Using LLMs to create synthetic data and tangible progress in the public sector – SAS Voices(大規模言語モデルを用いた合成データの生成と行政機関における具体的な進展 – SAS Voices)(
https://blogs.sas.com/content/sascom/2025/12/03/using-llms-to-create-synthetic-data-and-tangible-progress-in-the-public-sector/ )
AI人材育成を推進するには、スキル開発への新たなアプローチが必要に
行政機関では、検索拡張生成(RAG)システムを活用し、ベテラン職員が長年蓄積してきた専門知識やノウハウを学習させることで、若手職員が必要なときに専門知識へアクセスできるAIメンターを構築する動きが広がるでしょう。一方で、AIに仕事を奪われることを懸念する一部の職員が意図的に質の低いコンテンツを作成し、学習データを汚染させるAIサボタージュが増えるリスクも指摘されています。
― SAS AIガバナンス・アドバイザリー部門グローバルヘッド、スティーブン・ティエル(Steven Tiell)(
https://www.linkedin.com/in/stiell/ )
AI、ロボット技術、自動化により、今後も業務内容の再構築が進んでいきます。消えていく業務がある一方、特にテクノロジー、グリーンエネルギー、介護分野において新たな職種が数多く生まれることでしょう。分野によっては、現行のスキルセットが今後数年間で陳腐化することが見込まれるため、行政機関は人材のスキル向上やリスキリングへの投資が必要となります。
― SAS イタリア 公共部門セールスマネージャー、アンドレア・コンビーノ(Andrea Covino)(
https://www.linkedin.com/in/andreacovino/ )
AIは、公共部門の調査・税務担当者にとって敵にも味方にも
詐欺グループによる生成AIプラットフォームの悪用が広がり、不正なIDや取引の巧妙化や脱税スキームの高度化が進む中、税務当局はリスク低減と税収確保のため、不正検知、本人確認、税務関連の財務データ分析へのより一層の注力が必要になるでしょう。
― SAS タックスおよびレベニューコンプライアンス担当業界コンサルタント、ジョン・ベース(John Bace)
2026年には、合法性・公正性・安全性を担保したデータ交換の実現のため、省庁間協定の基盤としてアイデンティティ管理が重要な役割を果たすようになるでしょう。これにより組織横断でデータ共有が進み、より文脈に応じた不正・無駄・悪用のリスク検出と対策が可能になります。
― SAS リスク・不正対策およびコンプライアンス担当プリンシパルソリューションズアーキテクト、ジョン・シュルツ(John Stultz)(
https://www.linkedin.com/in/johnstultz/ )
税務当局におけるリアルタイム分析の普及が、市民と税務当局にメリットをもたらすことでしょう。これにより、アカウント乗っ取りリスクの低減、提出内容の即時フィードバックによる申告精度の向上、税収ギャップの縮小といった成果が期待されます。
― SAS 政府およびヘルスケア向けリスク・不正対策担当シニアマネージャー、カール・ハマーズバーグ(Carl Hammersburg)(
https://www.linkedin.com/in/carlhammersburg/ )
AIが紙文書から公衆衛生データを抽出し、衛生監視を強化
多くの患者データや公衆衛生データがいまだ紙文書や手動入力に依存している現状において、AIを活用したデータ抽出やエンティティ解決により、公衆衛生報告システムの効率化が推進されます。これにより、重複データの削除や時間のかかる作業が減り、公衆衛生監視システムの基盤が強化されます。その結果、感染症発生をより早期に検出し、収束に向けた対応を迅速化できることが期待されます。
― SAS 米国ヘルスケア部門カスタマー・アドバイザリー担当シニアマネージャー、イアン・クラマー(Ian Kramer)(
https://www.linkedin.com/in/ian-kramer-health-data/ )
米国のSNAP給付金危機でAIの必要性が高まる
米国連邦政府による食料支援プログラム(SNAP)の予算削減を受け、各州は今後予測される給付不足への対応を迫られます。給付における誤給付率が州の財政責任にも直結するため、州のSNAPプログラムは業務改革と精度向上に向けて、高度分析やなアナリティクスとAIの導入活用を加速させると考えられます。これにより、従来の単純なデータサンプリングによる品質・業務分析から、AI予測モデルを用いた分析手法へとシフトが進み、さらに自動化やとAIエージェントの活用が組み合わさることで、給付精度の正確性とサービス提供のパラダイムシフトが加速することでしょう。
― SAS プリンシパルソリューションアーキテクト、ジョン・メイナード(John Maynard)(
https://www.linkedin.com/in/johnmaynardcpa/ )
SASのアナリティクスとAIの現代の課題に直面する行政機関の支援に関する詳細は
https://www.sas.com/ja_jp/industry/government.html を参照ください。
*2025年12月4日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリース(
https://www.sas.com/en_us/news/press-releases/2025/december/government-ai-predictions-2026.html )の抄訳です。本プレスリリースの正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。
SASについて
SASはデータとAIのリーディング・カンパニーです。SASの革新的なソフトウェアと業界特化型のソリューションが、世界中のお客様にデータを信頼できる意志決定に変換するパワーを届けています。SASは「The Power to Know®(知る力)」をお届けします。
*SASとその他の製品は米国とその他の国における米国SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。
記事提供:Digital PR Platform