小・中学校で7日間の排便記録を実施 便秘が疑われる小学生は24.5%
特定非営利活動法人日本トイレ研究所
特定非営利活動法人日本トイレ研究所(所在地:東京都港区、代表理事:加藤 篤、以下 日本トイレ研究所)は、子どもの排便の実態把握を目的に、「トイレweek2024」にあわせて排便記録調査を実施し、計12,693人(小学生111校・11,344人、中学生12校・1,349人)の7日間の記録を集計しました。便秘が疑われる児童は小学生で24.5%、中学生は18.4%となり、早期の対策が求められます。
<調査結果の詳細>
https://www.toilet.or.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/toiletweek2024_record_survey_7days.pdf
■主な調査結果
・7日間のうち「排便があった日数が2日以下」は小学生7.6%、中学生9.2%
・7日間のうち便秘傾向の「硬い便が2回以上」だったのは小学生17.4%、中学生9.5%。最も多かったのは小学2年生・女子で25.2%
・便秘が疑われる児童(「排便があった日数が2日以下」と「硬い便が2回以上」のどちらかに該当するまたは、両方に該当する児童)は、24.5%。2021年から4年連続で20%を超えている。
画像1:
https://www.atpress.ne.jp/releases/420799/LL_img_420799_2.png
排便のあった日数(小学生)
画像2:
https://www.atpress.ne.jp/releases/420799/LL_img_420799_3.png
硬い便が2回以上出ていた割合(小学生)
画像3:
https://www.atpress.ne.jp/releases/420799/LL_img_420799_1.png
便秘が疑われる割合(小学生)
■小児外科医・中野 美和子先生 コメント(抜粋)
(学校法人神戸学園 理事・校長、吉川小児科排便外来、さいたま市立病院 小児外科 非常勤・元部長)
毎日排便していても、すっきり出せていない場合などは便秘の可能性がありますし、便秘症かどうかは、本来は便性や、排便しやすさなどと合わせて判断するべきものですが、今回の排便記録からの推測では、少なくとも8~9%、多く見積もると20%以上の児童が積極的な介入(生活習慣の調整、薬剤治療を含む)が必要な便秘症の可能性が高いといえます。また、思春期になると、心身の成長が著しく食事量も飛躍的に増えるはずで、便秘症が疑われる割合は減ってはいますが、やはり1割近くいるようで、女性は要注意です。
排便記録は、日ごろ無視しがちな排便状況を子ども自身が振り返り、自分の身体に関心を持つという重要な一歩です。うんちチェックシートにより、排便は回数だけではなく、性状も大事であることを知ることができます。そして1週間連続して記録することで、ふだんの生活を振り返り、生活習慣を改善するきっかけになるという行動療法でもあります。場合によっては、医療機関を受診し、積極的な治療に結び付けてもらいたいものです。また、この記録を家庭内で共有することにより、家族全員が排便、そして身体と生活習慣について話し合う機会が増えることを期待します。
■日本トイレ研究所 コメント(抜粋)
本年の結果では「排便日数2日以下」と「硬い便2回以上」のどちらか、または両方に該当し、便秘の疑いがある割合は、小学生で24.5%、中学生では18.4%でした。小学生では2021年~2024年の4年間とも、 この割合がいずれも20%を超えています。心も体も大きく成長する時期の子どもたちに20%以上、便秘の疑いがあるということは課題であると考えます。
「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」によると子どもが便秘になりやすい契機として、「学童における通学の開始や学校での排泄の回避」があり、入学による環境の変化や、学校でトイレに行くのを避けることが便秘にきっかけになる可能性があります。食事や運動の様子は周囲からも見えますが、排泄の状況は周囲の大人も気づきにくいものです。排便記録をとおして、家庭で排便状態を確認して、生活習慣を振り返るきっかけにしてもらいたいと思います。
■調査概要
●対象 :全国の小学校1年生~6年生および中学校1年生~3年生
●期間 :2024年10月~11月のうちの7日間
●方法 :郵送による配付・回収
●項目 :排便の有無および便形状、朝食摂取の有無
●有効回答:計12,693人(小学生111校・11,344人、中学生12校・1,349人)
※回収した記録用紙のうち、未記入の日があるものを除く
●実施主体:特定非営利活動法人日本トイレ研究所
※本調査では、小数第2位を四捨五入しているため、数字の合計が100%とならない場合があります
■トイレweek2024概要
トイレは生きていくために欠かせない排泄の場であり、排泄はからだの状態をあらわす大切なサインです。日本トイレ研究所では、トイレ・排泄を大切に考えてほしいという思いを込めて、11月10日「いいトイレの日」から11月19日「国連・世界トイレの日」を「トイレweek」と定め、トイレ・排泄について、話題にする・考える・学ぶ・行動する活動を実施します。※2020年~2023年は「うんちweek」として実施
期間 : 2024年11月10日(いいトイレの日)~11月19日(世界トイレの日)
特設サイト:
https://www.toilet.or.jp/projects/toiletweek/
目的 : 排泄をとおして、健康や生活リズムを整えるきっかけをつくる
内容 : 小学校・中学校を通した児童・生徒の排便記録、
特設サイトでの情報発信等
主催 : 特定非営利活動法人日本トイレ研究所
協賛 : EAファーマ株式会社、カゴメ株式会社、管清工業株式会社、
太陽化学株式会社、株式会社LIXIL、カルビー株式会社、
マグミット製薬株式会社、イチジク製薬株式会社、
王子ネピア株式会社、株式会社ケンユー、サラヤ株式会社、
野村乳業株式会社、株式会社はくばく(順不同)
■特定非営利活動法人日本トイレ研究所
「トイレ」を通して社会をより良い方向へ変えていくことをコンセプトに活動している NPO です。近年は「子どものトイレ・排泄環境」「災害時のトイレ・衛生環境」「街なかのバリアフリーなトイレ環境」に力を入れています。
所在地 : 東京都港区新橋5-5-1 IMCビル新橋9F
コーポレートサイト:
https://www.toilet.or.jp/
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記事提供:@Press