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高頻度のテレワークが体力低下につながる可能性!―厚生労働科学研究班が研究成果を発表―

公益財団法人 明治安田厚生事業団、びわこ成蹊スポーツ大学

高頻度のテレワークが体力低下につながる可能性utf-8

公益財団法人 明治安田厚生事業団 体力医学研究所(本部:東京都新宿区、理事長:生井 俊夫)、びわこ成蹊スポーツ大学(滋賀県大津市、学長:黒澤 毅)、東京医科大学が参加する研究班(※)は、オフィスワーカーのテレワーク頻度と身体組成(筋肉量と体脂肪率)、体力、身体症状(1)の関連性を検討しました。その結果、テレワーク頻度が高いほど体力が低下し、腰痛や関節痛などの身体症状の訴えが多い傾向が明らかになりました。本研究の成果は、テレワークの健康影響を客観的に示した国内の貴重なデータであり、今後の在宅勤務環境の整備や労働者の健康管理対策の検討に資するものと期待されます。
※本研究は、厚生労働科学研究費補助金の交付を受けて立ち上げられた研究班により実施されました(研究代表:公益財団法人 明治安田厚生事業団 体力医学研究所 副所長/上席研究員 甲斐 裕子)。


■ポイント
・都内の建設関連企業に勤めるオフィスワーカーを対象に、テレワーク頻度と身体組成、体力、身体症状(1)との関連性を検討しました。
・テレワーク頻度が高いほど、30秒に反復できる椅子立ち上がり回数が少ないこと、すなわち体力が低下している傾向がみられました。
・また、テレワーク頻度が高いほど、自覚的な身体症状(腰痛や関節痛など)(1)が悪化することがわかりました。


■背景
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大とともに、テレワーク(在宅勤務)は急速に普及し、現在では、多くの企業で日常的な働き方の1つとなっています。テレワークは多様な働き方を実現するうえで有益ですが、通勤や職場内での移動が不要になるため、身体活動の低下に伴う運動不足や体重増加などの新たな健康課題が指摘されています。更に自宅では、オフィスに比べてデスクや椅子等の環境が十分整っていない場合も多く、長時間の作業が首や腰の違和感や痛みなどを引き起こす可能性があります。しかし、テレワークが体力や筋力に与える影響について、体力測定などの客観的な測定手法を用いた検討はこれまで行われていませんでした。
そこで私たちは、勤労者の安全衛生に配慮したテレワークを推進することを目的に、まずはテレワークが勤労者の身体組成、体力、身体症状にどのような影響を与えるかを検討しました。


■対象と方法
本研究は、東京都内の建設関連企業に勤めるオフィスワーカー93名(平均年齢39.9歳)を対象に実施しました。対象者を「テレワークなし(12名)」、「週1日以下(17名)」、「週2~3日(43名)」、「週4日以上(21名)」の4グループに分け、身体組成、体力、身体症状(1)の3項目を測定しました。身体組成として、マルチ周波数体組成計を用いて筋肉量と体脂肪率を評価しました。体力は椅子立ち上がりテストで評価し、「椅子から立つ・座る」動作を30秒間に何回繰り返せるかをカウントしました。身体症状は、Webアンケートによる日本語版Somatic Symptom Scale-8(身体症状スケール、以下「SSS-8」)で評価しました。
SSS-8は胃の不調、背部や腰の痛み、腕、脚または関節の痛み、頭痛、胸痛、息切れ、めまい、疲労感、気力低下、睡眠障害の8項目で構成され、各項目の自覚症状の程度を評価します。


■結果
テレワーク頻度が高いグループほど、30秒間にできる椅子立ち上がり回数が少ないことがわかりました。特に「テレワークなし」のグループと比べて、「週4日以上」のグループでは、4.3回少なくなっていました。椅子立ち上がりテストの基準値では、10歳ごとに約0~4回低下することが知られており、この差は約10歳分の体力差に相当すると考えられます。一方、全身の筋肉量や体脂肪率には、明確な差が認められませんでした。
身体症状(SSS-8)の分析では、目安となる4点(低い)以上、8点(中程度)以上、12点(高い)以上、16点(とても高い)以上のすべての水準で、テレワーク頻度が高いほど該当者の割合が多い傾向にありました。特に16点以上の症状が重いケースでは、テレワーク頻度の高いグループで明確な差が確認されました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/562091/LL_img_562091_1.jpg
テレワーク頻度と椅子立ち上がり回数の関係

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/562091/LL_img_562091_2.jpg
テレワーク頻度と自覚的身体症状の関係


■筆頭著者のコメント
本研究は、テレワークという新しい働き方が、私たちの体力や身体の不調にどのような影響を及ぼしているのかを、実測データに基づいて検証したものです。これまでテレワークと健康の関係を扱った研究は自己申告に基づくものが多いなか、本研究では客観的な体力指標(椅子立ち上がり回数)を用いて下肢筋機能の違いを定量的に評価しました。
テレワークの頻度が高いほど椅子立ち上がり回数が少なく、身体症状の訴えが多い傾向が示された一方で、全身の筋肉量や体脂肪率には、明確な差が認められませんでした。これは、テレワークの期間が短かったためと考えられ、長期(10年以上など)にわたりテレワークが続くと、これらの数値にも影響が及ぶ可能性があります。
本研究の成果は、働き方改革が進む現代社会において、在宅勤務と健康の両立を考えるうえで重要な知見です。今後は、身体を動かす機会を確保するとともに、在宅勤務環境の整備を図ることが、働く側・雇う側の双方に求められます。テレワークのメリットと健康を両立できる働き方を、社会全体で模索していくことが重要と考えています。
なお、研究班では、研究成果をもとに「企業担当者のための健康に配慮したテレワーク実践ガイド アクティブ・テレワークのすすめ」を刊行し、ホームページで無償公開しています。
https://www.my-zaidan.or.jp/tai-ken/information/telework/


■発表論文
・掲載誌:
Journal of Occupational and Environmental Medicine
・論文タイトル:
Impact of Telework on Body Composition, Physical Fitness, and Physical Symptoms in Japanese Workers.
・著者:
Yuya Watanabe, Takayuki Noda, Kaori Yoshiba, Hiroyuki Kikuchi, Masaki Machida, Kanako Nara, Atsuko Fukunishi, Yutaka Nakanishi, Shigeru Inoue, Yuko Kai#
(#責任著者)
・DOI番号:
10.1097/JOM.0000000000003571


■用語解説
1. 日本語版 Somatic Symptom Scale-8(SSS-8):身体の痛みや不調など、からだの自覚症状を評価するための国際的な質問票です。日本語版 SSS-8 は、「背部や腰の痛み」、「腕、脚または関節の痛み」を含む8項目の症状について「どの程度悩まされているか」を自己評価する形式となっています。日常生活での身体的ストレスや不調の強さを把握する指標として、国内外の研究で広く用いられています。


■研究班について
本研究班は、安全衛生に配慮したテレワークを社会で推進することを目的に、厚生労働科学研究費補助金によって立ち上げられました。本補助金は、厚生労働科学研究の振興を促すために、厚生労働省より交付されるものです。研究期間は2022~2024年度で、「全国規模でのテレワークの実態把握」「テレワークによる健康影響の解明」「テレワーク社員への効果的な支援策の検討」の3課題に取り組んできました。本研究班は、びわこ成蹊スポーツ大学、東京医科大学に所属する研究者らによって組織されました。研究班についての詳細は明治安田厚生事業団ホームページからご覧いただけます。
https://www.my-zaidan.or.jp/tai-ken/information/telework/

【厚生労働科学研究費補助金研究事業(労働安全衛生研究事業)】
「テレワークの常態化による労働者の筋骨格系への影響や生活習慣病との関連性を踏まえた具体的方策に資する研究」
研究代表者:甲斐 裕子(公益財団法人 明治安田厚生事業団 体力医学研究所 副所長/上席研究員)
本研究に関する研究成果は、「厚生労働科学研究成果データベース( https://mhlw-grants.niph.go.jp/ )」に掲載されています。


■利益相反
著者には開示すべき利益相反はありません。


■財源情報
本研究は、厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究(22JA1005)およびJSPS科研費(23K10597)の助成を受けて行われました。記して深謝いたします。


詳細はこちら

高頻度のテレワークが体力低下につながる可能性utf-8

記事提供:@Press

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