災害現場への招集待ち続ける「女性一般予備自衛官」~女性である私たちだからできることも~
2011年05月08日
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【予備自衛官】今回の震災で発足以来初の「災害派遣」に
今回の東日本大震災では、普段は民間人として過ごしながら有事に備える「予備自衛官」が初めて災害派遣された。しかし招集された大半は自衛官OBからなる「即応予備自衛官」。
自衛隊未経験者の一般予備自衛官で招集されたのは東北方面の部隊などに所属する7名で、語学や医療の知識を持っている人間だけであった。
~本業はIT企業会社員~特例子会社で障害者のサポート業務を行う
平成21年11月に予備自衛官に任命された東京都の遠田千穂さんは、いつでも被災地に行き、日本を守るために働く義務があると強い決意を持つ。中学生までは甚大な津波被害を被った仙台市宮城野区で過ごした。福島県で高校時代を一緒に過ごした同級生とは今でも4人と連絡が取れていない。
彼女の本業はIT企業の会社員。全国に拠点を持つ「富士ソフト株式会社(本社:神奈川県横浜市)」の特例子会社で、約140名の障害者を雇用をする「富士ソフト企画株式会社(神奈川県鎌倉市:以下同社)」の人材開発グループ長として障害者のサポート業務を行っている。
同社の障害者雇用率は2.11%。3障害雇用の推進を図っている企業だが、特に精神障害者雇用のパイオニアとして注目を集めている企業である。
その彼女が震災時には、停電になった会社のビルの2階から付近の小学校まで、障害のある従業員を避難させた。避難行動にあたっては、自衛隊で学んだことが役立ったと振り返っている。
「待つこと」も予備自衛官の仕事
自衛官未経験者の一般予備自衛官の本格的な出番はこれからになる。現在ははがれきの撤去などの力仕事が中心だが、今後は入浴や給水など衛生面での支援や生活支援が重要になってくる。
遠田さんをはじめ、多くの女性の予備自衛官も「女性だからこそできることもある」と、招集命令を待ち続けている。
▼外部リンク
富士ソフト企画株式会社富士ソフト株式会社防衛省・陸上自衛隊|予備自衛官制度について
記事提供:障害者雇用インフォメーション|