産官学7者による「移動と健康」に関する共同研究がアジア健康長寿イノベーション賞2024日本国内優秀事例に選出
ヤマハ発動機株式会社
ヤマハ発動機株式会社と、千葉大学、大阪府河内長野市、奈良県王寺町、美しヶ丘自治会(奈良県王寺町)、株式会社エイチ・ツー・オー商業開発、および、日本福祉大学健康社会研究センターで構成する「移動と健康・QOLコンソーシアム」のプロジェクトが、日本国際交流センター(JCIE)による「アジア健康長寿イノベーション賞2024」の日本国内優秀事例に選出されました。本プロジェクトは、公道用電動カートを導入し、高齢者の移動問題解決にアプローチするもので、日本を含むアジア14か国・地域における高齢化によるさまざまな課題の解決に繋がる革新的な取り組み(プログラム、サービス、製品、政策)として評価されました。
●受賞プロジェクト概要
本プロジェクトでは、河内長野市・王寺町をフィールドにして、公道用電動カートを導入し、高齢者の移動問題を解決することで、高齢者の健康・QOL(クオリティ・オブ・ライフ、生活の質)向上と社会保障費適正化の科学的根拠を示すとともに、高齢者が利用しやすく社会実装しやすい運行モデルを確立することを目指しています。
●プロジェクトの主要な成果
・電動カート導入地域では、1日平均利用者数が王寺町では25人、河内長野市では70人でした。
・利用者は非利用者と比べ、「日常における楽しみ」「生きがいを感じる機会」などの主観的QOL関連指標が良好に変化しました。
・利用者は非利用者と比べ、6年間の累積介護給付費が1人あたり3.0万円減少し、地域全体で約1,000万円/6年規模の介護給付費適正化と推計されました。
・利用者の声としては、「外出・買い物等が便利になった」「運行スタッフや利用者同士でのコミュニケーションが楽しい」「会話が弾む」「将来的に地域に必要な仕組みだ」「町中が元気になった気がする」等があがりました。
・電動カート走行中に、道端で倒れている人を発見し自宅送迎した事例もあり、地域の見守りにつながっています。
・電動カートの運行ルート上の地元スーパーでは、導入後に売り上げが上がった店舗もあり、自治会館で開催されているサロンに合わせた運行により、自治会館の利用も増えています。
●今後の展望
本事業で用いた地域課題の解決に向けた地域住民・自治体・地域企業の協働モデルは、他の社会的課題解決にも応用可能であり、国内外で広く参考になると考えられます。また、本プロジェクトで検証された利用者のQOL向上や介護給付費適正化の推計結果は、持続可能な運行サービスの構築に役立つと期待されます。
アジア健康長寿イノベーション賞には、12か国から応募があり、日本国内優秀事例を受賞したのは10事例でした。
https://jcie.or.jp/report/20241001.html
本件に関するお問合わせ先
技術・研究本部 共創・新ビジネス開発部 LSM事業推進グループ : 0537-21-2554
関連リンク
ヤマハ発動機 グリーンスローモビリティ(電動カート公道仕様)
https://www.yamaha-motor.co.jp/gsm/?_gl=1%2a1xseuiu%2a_gcl_au%2aMjEyMjA2Njk2OS4xNzI5NDY2MTgz
電動カート公道仕様の実証・導入の研究結果
https://www.yamaha-motor.co.jp/gsm/casestudies/report01/
記事提供:Digital PR Platform