SDGs の達成にもつながる「"まちの活性化プラン"」を高校生が熱く語る! 2/24(月)玉川大学観光学部・企画運営 第 4 回「高校生まちづくりコンテスト 決勝大会」結果発表
玉川大学

玉川大学観光学部・教育学部(東京都町田市/学長:小原一仁)は、2024 年 9 月 13 日(金)~12 月 2 日(月)の間で募集した第 4 回「高校生まちづくりコンテスト」の決勝大会を 2025 年 2 月 24 日(月)玉川大学キャンパス内で開催しました。厳正な審査の結果、全国からエントリーした 375 チームの中から、以下のチームが入賞しましたので、ご報告いたします。
なお、決勝大会結果はこちらの URL からも確認できます。
https://www.tamagawa.ac.jp/college_of_tourism/machi_contest2024/index.html
<観光庁長官賞> 優勝
愛知県立猿投農林高等学校(愛知県豊田市) 田井中咲さん、山内結菜さん
テーマ:造園という武器で持続可能なまちづくり ~将来世代の地方創生~
<玉川大学学長賞> 準優勝
佐久長聖高等学校(長野県佐久市) 飛田百々葉さん
テーマ:エム・アイ・エス・オー 推進!
<審査員特別賞> 第 3 位
浜松学芸高等学校(静岡県浜松市) 鈴木成海さん、小林将大さん、 清水瑠葵さん、渡辺匠さん
テーマ:ROAD TO AKIHA ~新しいふるさとへの道~
<玉川大学教育学部長賞> 愛知教育大学附属高等学校(愛知県刈谷市) 高木ほのかさん テーマ:郷土愛×ホスピタリティ ~中川運河・クルーズ船を通して考える~
<玉川大学観光学部長賞> 愛媛県立北宇和高等学校三間分校(愛媛県宇和島市) 和田恋羽さん、福島奏子さん、冨永拓未さん、土居瑞貴さん テーマ:予土線青春 18 ツアー ~新しい旅のカタチ~
上位3チームの発表概要を記載いたします。
●優勝 愛知県立猿投農林高等学校(愛知県豊田市) 田井中咲さん、山内結菜さん
テーマ:造園という武器で持続可能なまちづくり ~将来世代の地方創生~
【発表概要】 愛知県豊田市の小原地区では、深刻な人口減少が進んでいます。若 者の都市部流出が続き、年間出生数はわずか 4 人となり、地域の存 続が危ぶまれています。かつては美濃焼の原料供給地として栄えま したが、輸入品の影響で採石業が衰退し、多くの人が地域を離れま した。また、採石跡地では土砂崩れの危険性が高まり、環境整備が求 められています。一方、観光業では、秋に桜ともみじが共演する風景 が人気を集めるものの、それ以外の時期の集客が課題となっていま す。こうした問題を解決するため、高校生が主体となり「造園を活用 した持続可能なまちづくり」に取り組んでいます。廃棄されていた 石材をロックガーデン資材として販売し、採石業の活性化を図りま した。また、小原固有の桜を活用したランドスケープを提案し、繁殖 に挑戦した結果、60%の発根率を達成しました。さらに、採石跡地を活用し「水車の見える公園」を高校生が 設計・施工しました。地元自治会や企業、豊田市と連携し、環境整備や観光振興にも貢献しています。また、 トヨタスタジアムの都市公園に小原産石材を活用する計画が進行中で、市内での認知度向上にもつながって います。今後は、空き家を活用した和の宿泊施設の整備や、新たな観光ルートの構築を進めます。地区内に点 在する石材の名所や文化財を巡る仕組みを整え、年間を通じて観光客が訪れるまちづくりを目指します。これ らの取り組みを通じて、地域の魅力を発信し、持続可能な観光と地域活性化を実現していきます。
●準優勝 佐久長聖高等学校(長野県佐久市) 飛田百々葉さん
テーマ:エム・アイ・エス・オー 推進!
【発表概要】 私がテーマとする SDGs は「住み続けられるまちづくりを」と「つ くる責任 つかう責任」です。佐久市は新幹線や高速道路の利便性が 高い街ですが、近年人口減少が進んでいます。一方、近隣の軽井沢 町や御代田町では人口が増加しており、産業や観光を活用したまち づくりが持続可能な地域づくりの鍵になると考えました。佐久には 四季折々の自然やバルーンフェスティバルといった魅力があります が、私は「味噌」と「相乗り」を軸に観光振興を提案します。長野 県の味噌出荷量は全国の 50%を占め、佐久は信州味噌発祥の地とし て知られています。さらに、味噌はインバウンド市場で醤油を上回 る購入率があり、健康にも良いことから観光資源として活用できる と考えました。また、「相乗り」は、軽井沢を訪れる観光客に佐久を「ついで」に訪れてもらう発想です。軽 井沢のオーバーツーリズム解消にもつながり、短時間の移動で新たな観光体験を提供できます。味噌蔵での味 噌作り体験、安養寺ラーメンの試食、道の駅でのお土産購入などを組み合わせた「MisoMiso 相乗りプラン」 を提案し、地域の魅力を発信します。さらに、周辺エリアとの連携を強化し、持続可能なまちづくりを目指し ます。
● 第 3 位 浜松学芸高等学校(静岡県浜松市) 鈴木成海さん、小林将大さん、清水瑠葵さん、渡辺匠さん
テーマ:ROAD TO AKIHA ~新しいふるさとへの道~
【発表概要】 秋葉神社は全国に 1139 社あり、その総本山は静岡県浜松市天竜にあります。かつて多くの参拝者が秋葉街 道を歩き、沿道には宿場町や茶屋が発展しました。しかし現在、歴史的な街並みは衰退し、参拝者の多くが滞 在せず帰ってしまうため、地域との関わりが薄れています。この課題を解決するため、私たちは観光を通じて 地域文化を再生させ、その地域の魅力を最大限に引き出すことを目指 す「リジェネラティブ・ツーリズム」に注目しました。目的地のみを 訪れる「点」の観光から、道中の魅力をつなぐ「線」の観光、さらに 広がりを持たせる「面」の観光へと発展させることを目指します。そ のため、地域の歴史や文化を体験できる「秋葉ポイント」を発掘し、 観光客が自由に組み合わせられるプランを提案します。具体的には、 農業体験や食文化を楽しむ「アグリフードツーリズム」、徒歩で巡る「ヘ ルスツーリズム」、ローカル線で移動する「レトロツーリズム」など、 秋葉街道を満喫できる旅を企画しました。観光を通じて地域の経済と 文化を活性化し、持続可能なまちづくりの第一歩とします。
<審査員長・元観光庁長官の田端浩氏(三井住友銀行 顧問・本学客員教授)全体講評>
皆さんのプレゼンテーションは、データに基づいた分析が的確で、地域 課題への鋭い視点と創造的な提案が光っていました。ローカル線の維持、 運河の活用、造園業の課題など多様なテーマに取り組み、それぞれの地域 資源を生かした解決策を示された点が素晴らしかったです。まちづくり には観光や地域産業との連携が不可欠で、皆さんのアイデアは実現可能 性が高く、地元でも活用が期待されます。今後も地域の関係者と協力し、 自分たちのまちをより良くするための提案を続けてください。皆さんの 挑戦が、地域の未来を創る大きな力になることを期待しています。
<全体を通しての審査員からのコメント>
恒川久美氏(株式会社 ANA 総合研究所 地域連携部・産学連携部 兼務 主席研究員)
まちの活性化だけでなく、CO2 削減や人口減少、景観維持にも注力する高校生の姿に刺激を受けました。 どのチームも地元の方としっかり交流し、コミュニケーションを重ねながら、自らの足で実証していく姿勢が 素晴らしく、まちづくりへの真剣な取り組みが伝わってきました。
山田英司氏(株式会社日本総合研究所 理事)
どのプレゼンも洗練されており、そのベースには自ら足を運び、考え、データを集めるという大切なプロセ スがありました。これは社会に出ても必要な力であり、皆さんの強みになるはずです。また、地域の方々を巻 き込みながら取り組んだ姿勢も素晴らしかったです。ぜひこの活動をコンテストだけで終わらせず、後輩たち にも引き継ぎ、まちづくりの取り組みを継続していってください。
坂本友理氏(学校法人 国際文化アカデミー JTB ツーリズムビジネスカレッジ 校長)
このコンテストの副題「未来を創るのは私たち」にふさわしく、自分のまちを自分事として捉え、課題を見 つけ、データを集め、ヒアリングやアンケートを行う姿勢が素晴らしかったです。客観的視点と「私たちはこ う思う」という意志がしっかりリンクしており、感銘を受けました。「つなぐ」「繋げる」という言葉が多く聞 かれ、日本の未来には大きな可能性があると強く感じました。
竹内大一郎氏(観光庁 観光地域振興部 観光資源課長)
皆さんの真剣な取り組みが伝わり、今後の展開が楽しみです。各チームが過疎地域やローカル線、斜陽産業 といった重要な課題に向き合い、実践的な提案を行っていた点が素晴らしかったです。一方で、観光を通じた 地域活性化には、ビジネスとしての持続可能性が求められます。市場を意識した価格設定や消費の促進といっ た視点をぜひ持って、今後の活動に活かしていただければと思います。
▼本件に関する問い合わせ先
学校法人玉川学園 教育情報・企画部 広報課
住所:〒194-8610 東京都町田市玉川学園6-1-1
TEL:042-739-8710
FAX:042-739-8723
メール:pr@tamagawa.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/



記事提供:Digital PR Platform