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日本はどれだけ石油を備えているのか 見えない国家の備え

2026年04月14日

ガソリンは止まらないのか 日本の石油備蓄の仕組み

今回のニュースのポイント

合計で約250日前後の備えを維持:最新の発表値では、国家備蓄(146日分)、民間備蓄(約90〜100日分)、産油国共同備蓄(数日分)を合わせ、合計で約250日前後の備蓄を維持しています。

国際基準を大きく上回る高水準:国際エネルギー機関(IEA)が加盟国に課す義務は「純輸入量の90日分」ですが、日本は200日分を優に超える世界トップクラスの備蓄量を確保しています。

地政学リスクへの多層的な防御:原油のほぼ全量を輸入に依存し、その9割前後を中東地域から調達している日本にとって、備蓄は供給途絶に対する不可欠な「保険」です。

経済産業大臣の判断による機動的な放出:大規模災害や国際情勢の緊迫時には、石油備蓄法に基づき、国家備蓄の売却や民間備蓄義務の緩和といった措置により市場の安定を図ります。

 ガソリンや電力の供給は、どのように守られているのでしょうか。その裏側には「石油備蓄」という、ふだんの生活からは見えない国家規模の安全保障の仕組みがあります。

 日本の石油備蓄は、国が直接保有する「国家備蓄」、石油会社等に法的な積み増しを義務づける「民間備蓄」、そして産油国の原油を国内のタンクで預かり、有事には日本への供給を優先する「産油国共同備蓄」の3本立てで運用されています。最新の発表によれば、国家備蓄146日分、民間備蓄約90〜100日分、産油国共同備蓄数日分を合わせて、合計で約250日前後の備蓄を維持しています(※時点により変動あり)。国家備蓄は全国の基地などに原油で保管され、民間備蓄は製油所やターミナルに原油および石油製品の形で備えられることで、多層的なエネルギー安全保障を支えています。

 なぜこれほど膨大な備えが必要なのでしょうか。日本は原油のほぼ全量を輸入に依存し、その9割前後を中東地域から調達しているとされています。そのため、中東情勢の悪化や海峡封鎖といった地政学リスクによって輸入が途絶えれば、国内供給が即座に危機に陥るリスクを常に抱えています。IEAが加盟国に課す備蓄義務は「純輸入量の90日分」ですが、日本は合計でその2倍以上、日数にして約250日分という極めて高い水準を維持することで、万が一の事態に対する強力な「防波堤」を築いています。

 大規模な災害や国際情勢の緊迫などで供給不足が懸念される場合には、石油備蓄法等に定める手続きを経て、経済産業大臣の判断により国家備蓄の売却や民間備蓄義務の緩和といった措置が取られます。備蓄があるからといって価格上昇を完全に防げるわけではありませんが、短期的な輸入途絶が起きたとしても、当面ガソリンスタンドから燃料が消えたり、発電用燃料が枯渇したりする状況を回避し、対策を講じるための「時間的な余裕」を生み出すことが可能になります。

 ただし、こうした「約250日分」という数字は、タンクの底に溜まった取り出せない在庫(デッドストック)も含めた計算であることや、有事の消費想定によって実効的な日数は変動し得るとの指摘もあります。それでも、石油備蓄が平時のパニック買いや投機的な動きを抑制する心理的な防波堤であることに変わりはありません。脱炭素社会への移行期にあっても、物流や発電の基盤を支える石油のリスクをどう吸収するかという視点は、引き続き日本のエネルギー戦略の根幹であり続けます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)

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