海外ニュース – とれまがニュース

経済や政治がわかる新聞社や通信社の時事ニュースなど配信

とれまが – 個人ブログがポータルサイトに!みんなでつくるポータルサイト。経済や政治がわかる新聞社や通信社の時事ニュースなど配信
RSS
国内 行政 海外
とれまが >  ニュース  > 政治ニュース  > 海外ニュース

鼓動に宿る武蔵――インドの鬼才作曲家が「巌流島の決闘」をドラムで再創造

Ko Tanaka Music LLC

鼓動に宿る武蔵――インドの鬼才作曲家が「巌流島utf-8

ニューヨークを拠点に活動するインド出身の実験的ジャズ・コンポーザーであり、音楽監督、そして革新的ドラミング・アーキテクトとして知られるヴァタン・シン・ラジャン(Vatan Singh Rajan)が、ソロEP『Alone』をリリースしました。その中心に据えられた楽曲「Musashi」は、日本人の記憶に深く刻まれた1612年・巌流島の決闘――宮本武蔵と佐々木小次郎の対決――を、言葉を一切用いないドラムセットのみの音楽的物語として描き出す意欲作です。本作は、ドラムセット主導でこの伝説的決闘を描いた史上初の作品であり、さらにインド人作曲家による初の試みでもあります。

わずか27歳にして、伝統と急進的革新を自在に横断する稀有な才能で国際的評価を確立するラジャンですが、「Musashi」では、ひとつひとつのアクセント、沈黙、うねりが、武蔵が遅れて島に到着する緊張、小次郎と対峙する一瞬の静寂、そして刹那の決着までを鮮やかに描き出しています。演奏者の背後にそっと配置されたレインスティックは、巌流島を包む波の音を再現し、決闘の“聖なる地理”そのものを音として浮かび上がらせます。言葉なきまま、日本的な「間(ま)」と緊張、抑制、そして永遠の畏怖を喚起する本作は、肉体的でありながら儀式的、そしてどこか魔術的ですらある音楽体験として聴き手を静寂の嵐へと誘います。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/562371/LL_img_562371_1.jpg
ヴァタン・シン・ラジャン(Vatan Singh Rajan)

EP『Alone』はリリース直後から高い評価を獲得しています。インド有数の音楽メディア「Rock Street Journal India」は、「『Musashi』はまるで超ローカルな格闘武術のようだ。まるでスクリーン越しに、二人の人間が命を懸けて戦っている音を聴いているかのようだ」と絶賛しています。

ラジャンの物語性を音へと昇華する才能は、幼少期から際立っていました。13歳にして自身のバンドでプロのスタジオ録音を果たし、インド国内ジャズチャートの上位にランクインしています。その後も快進撃は続き、ダラムサラにてダライ・ラマ法王の弟子たちへの音楽指導を依頼され、さらにパキスタン・ラホールで開催されたアイチソン・アート・フェスティバルにインド代表として招待され、最優秀国際代表団賞の獲得にも貢献しました。

帰国後はデリーのジャズ・シーンの中核的存在となり、自身のバンド「School of the Wolf」を率いて、名門ジャズ・クラブ「The Piano Man」で開催されるGiants of Jazz Festivalに出演しました。17歳という若さで同クラブ初のアーティスト・イン・レジデンスに就任し、インド現代ジャズの形成に大きな足跡を残しています。
その才能は瞬く間に国際的評価を獲得しました。**ニューイングランド音楽院(ボストン)**から学部長奨学金、ニューヨーク・ニュースクール大学ジャズ学部からはほぼ全額免除の奨学金を提示され、後者を選んだラジャンは、同校初のインド人ジャズ専攻学生としてマンハッタンへ渡りました。

ニューヨークでは、「Smalls Jazz Club」「The Django」といった名門クラブに出演しました。グラミー受賞ピアニスト、レイチェル・Zのバンドでは中核ドラマーを務め、変拍子と超絶技巧を駆使した演奏で高い評価を得ています。Foo Fightersの「These Days」を超複雑な変拍子アレンジで演奏するなど、その革新性は話題を集め続けています。
さらにスイスの名門ベルン国際ジャズ・フェスティバルではメインアクトとして出演しました。歴史あるホテル「インナー・エンゲ」での1週間のレジデンスにおいて、『Alone』収録曲を披露し、「Musashi」はここで世界初演を迎えました。日本の物語性と爆発的な現代リズムが融合したその音楽に、欧州の聴衆は息を呑みました。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/562371/LL_img_562371_2.jpg
ヴァタン・シン・ラジャン(Vatan Singh Rajan)

近年は新音楽の領域でも次々と話題作を発表しています。インド古典音楽を基盤とした微分音システムを確立し、2024年にはニューヨーク公共図書館舞台芸術部門から委嘱を受け、《Concerto for Bowed Cymbals》を発表しました。7枚の調律されたシンバル、ピアノ、ヴィブラフォン、サクソフォン2本、コントラバス、チェロによる編成で、リンカーン・センター内ブルーノ・ワルター・オーディトリアムにて初演されました。金属音響とスペクトル音響が交錯する本作は、現代音楽の新たな地平を切り拓く作品として高く評価されています。

さらに《String Quartet I: Excerpts from Sleep Paralysis》では、ノルウェーのハーディングフェーレをモデルにした共鳴弦付き弦楽四重奏という、世界初の試みに挑戦しています。
しかし、こうした国際的成功の中でも、「Musashi」はラジャンにとって特別な意味を持っています。幼少期から日本語を学び、『五輪書』に親しみ、浪曲や落語、明治期の語り芸の語法から着想を得て本作は構築されました。尺八、太鼓、武満徹、黒澤明『乱』の音楽的影響も随所に感じられるといいます。
「尺八の音に惹かれ、浪曲や太鼓に辿り着きました。それを自分のドラムで解釈したかったのです。武蔵の思想にも以前から親しんでいましたし、この作品は最初から生まれる運命にあったように感じています」とラジャンは語っています。

「Musashi」の旅は今後も続きます。2026年、2027年には、アメリカ・バーモント州のNu Mu Festivalにてアーティスト・イン・レジデンスとして招聘が決定しています。自然と芸術が共存するこの地で、古の日本の伝説と現代音楽が新たな響きを獲得することになります。
巌流島からデリー、ニューヨーク、ベルン、そしてバーモントへ。武蔵が削り出した木刀のように、ラジャンはひとつひとつの演奏を“舟”として、日本の伝説を世界へと運び続ける現代の語り部です。「Musashi」は、日本のリスナーにとっても、懐かしさと新鮮な衝撃が同時に訪れる、唯一無二の再会となるでしょう。

EP『Alone』は現在、主要配信プラットフォームにて配信中です。

公式サイト : https://www.vatansr.com/home
Apple Music : https://music.apple.com/in/album/alone-ep/1851455778
Amazon Music: https://music.amazon.com/artists/B0CC4H9M3X/vatan-singh-rajan

文:Emiko Morimoto


詳細はこちら

鼓動に宿る武蔵――インドの鬼才作曲家が「巌流島utf-8

記事提供:@Press

記事引用:アメーバ?  ブックマーク: Google Bookmarks  Yahoo!ブックマークに登録  livedoor clip  Hatena ブックマーク  Buzzurl ブックマーク

ニュース画像

一覧

関連ニュース

とれまがファイナンス新着記事

とれまがマネー

とれまがマネー

IR動画

一覧

とれまがニュースは、時事通信社、カブ知恵、Digital PR Platform、BUSINESS WIRE、エコノミックニュース、News2u、@Press、ABNNewswire、済龍、DreamNews、NEWS ON、PR TIMES、LEAFHIDEから情報提供を受けています。当サイトに掲載されている情報は必ずしも完全なものではなく、正確性・安全性を保証するものではありません。当社は、当サイトにて配信される情報を用いて行う判断の一切について責任を負うものではありません。

とれまがニュースは以下の配信元にご支援頂いております。

時事通信社 IR Times カブ知恵 Digital PR Platform Business Wire エコノミックニュース News2u

@Press ABN Newswire 済龍 DreamNews NEWS ON PR TIMES LEAF HIDE

Copyright (C) 2006-2025 sitescope co.,ltd. All Rights Reserved.