事業承継の壁は、税務でも法務でもなく「人」だったファミリー企業822名調査『事業承継白書2026』を発表
株式会社記録と記憶

株式会社記録と記憶(本社:東京都、代表取締役:有馬 顕、以下「当社」)は、事業承継期にあるファミリー企業の経営層・管理職層計822名を対象とした「事業承継期の選択構造に関する定量調査」の結果をまとめた『ファミリー企業 事業承継白書2026』を本日2026年6月3日(水)に発表いたしました。
画像1:
https://www.atpress.ne.jp/releases/600583/LL_img_600583_1.jpg
経営者の選択は、ひとつではない
税制・株式・後継者選定といった「手続き」として語られてきた事業承継を、経営者個人と組織が「何をどう動かしているか」という選択構造から捉え直した本調査では、承継の最大の困難が法務・税務ではなく「社員の求心力」にあること、経営者の「想い」が組織の階層を下る過程で断絶していることが明らかになりました。白書抜粋版は当社Webサイトにて公開しております。完全版のご入手をご希望の場合は、下記お問い合わせ先までご連絡ください。
調査結果詳細はこちら:
https://kirokutokioku.jp/download-form/whitepaper/business_succession
■調査実施の背景
当社は「物語であふれる豊かな世の中をつくる」をビジョンに、企業のマーケティング・戦略構築支援と物語コンテンツ制作を展開しています。70歳を超える中小企業経営者は約245万人、そのうち約127万人が後継者未定とされ、事業承継はいまも全国の経営現場で日常的に進行する経営課題です。従来「手続き」の問題として語られてきた事業承継ですが、当社は映像制作や戦略づくりの現場で、同じ承継期にいる経営者でも「物語と戦略を両軸で動かす人」「戦略しか動かせない人」、そして「どちらも動かせない人」に分かれる構造に着目し、その違いの源泉を明らかにするため本調査を実施しました。
■主な調査結果
822名のデータを多角的に分析した結果、以下の知見が得られました。
1. 承継の主戦場は「手続き」ではなく「人」 ── 最大の苦労は社員の求心力(45.9%)
経営層405名が挙げた事業承継時の最大の苦労は「社員の求心力・モチベーション維持」(45.9%)。「税務・法務手続き」(25.4%)や「組織体制の再編」(23.7%)を大きく上回りました。第2位「顧客・取引先の信頼継続」(33.6%)、第3位「経営戦略の見直し・再構築」(31.6%)と続き、上位は人と関係をめぐる課題に集中。外部環境でも人材獲得(45.4%)・人口減少(44.0%)・AI進化(42.3%)の三大不確実性が拮抗し、承継期は内と外が同時に揺らぐ期間であることが浮き彫りになりました。
2. 経営者の「想い」は、本部長と部長の間で途切れる ── 「断崖」の発見
会長から課長まで6役職階層822名に理念理解・創業者エピソード・引き継ぐ責任感の3指標を測定すると、階層を下るほど認知が一貫して希薄化。3指標平均は会長82.5%に対し課長14.6%にとどまります。なかでも本部長(44.7%)と部長(22.7%)の間には-22.0ポイントの不連続な落差(「断崖」)が確認されており、経営に密着する層とその外側の層の境界で、経営者の想いは届きにくくなります。
3. 経営者の9割が、その理念について「伝わっている」と考える一方、部長層では26% ── 「伝達ギャップ」
「自社の理念は社員・管理職に届いているか」を経営層に尋ねると89.6%が「届いている」と回答。しかし管理職層で理念を「深く理解している」と答えた部長層は26.1%にとどまり、両者の差は-63.5ポイントに達します。経営者は「すでに伝わっている」と感じる一方、現実には組織の中ほどで想いが止まっている ── 承継期最大の盲点は、この「伝わっているつもり」にあります。
画像2:
https://www.atpress.ne.jp/releases/600583/LL_img_600583_2.png
【図1】事業承継時の最大の苦労(Q10・経営層 N=405・複数回答 上位5項目)/出典:『ファミリー企業 事業承継白書2026』
画像3:
https://www.atpress.ne.jp/releases/600583/LL_img_600583_3.png
【図2】6役職階層における認知の階層減衰(3指標平均 top1率・N=822)/出典:『ファミリー企業 事業承継白書2026』
画像4:
https://www.atpress.ne.jp/releases/600583/LL_img_600583_4.png
【図3】経営者の自覚と部長層の現実 ― 伝達ギャップ(N=822/405)/出典:『ファミリー企業 事業承継白書2026』
■当社の共同創業者である取締役COO 甲斐 博一(本白書 執筆責任者)のコメント
今回の調査は、承継の最大の苦労が法務・税務ではなく「社員の求心力」にあること、そして経営者の想いが本部長と部長の間で断絶していることを、データで裏づけるものでした。多くの経営者が薄々感じながら言語化できずにいた構造だと考えています。
とりわけ重要なのは、経営者の89.6%が「伝わっている」と考えながら、部長層では26.1%にしか届いていないという「伝達ギャップ」です。承継期の最大の盲点は、「もう伝わっている」と感じてしまうことかもしれません。
事業承継は、資産や後継者選定の問題である以前に、物語と戦略を同時に動かす機会です。私たち記録と記憶は、本調査を通じてファミリー企業の承継、及び承継後の成長に向けた支援に一層貢献してまいります。
■調査概要
「事業承継期の選択構造に関する定量調査」
調査名称 : 事業承継期の選択構造に関する定量調査
(『ファミリー企業 事業承継白書2026』)
調査対象 : 事業承継期にある中堅・大企業(従業員50名以上)の
ファミリー企業に勤務する、会長・社長・取締役/
役員・本部長・部長・課長(計6役職階層)
回答サンプル数 : 822名(経営層405名、中間管理職417名)
実施時期 : 2026年4月24日~27日
調査方法 : オンライン定量調査(セルフ回答方式)
調査企画・設計 : 株式会社記録と記憶
調査結果詳細はこちら:
https://go.kirokutokioku.jp/download/business_succession
■株式会社記録と記憶について
当社記録と記憶は、「物語であふれる豊かな世の中をつくる」をビジョンに、2024年1月に設立。B2B企業を中心とするマーケティング支援と物語創造、動画およびコンテンツ制作、そしてそれらのインテグレーションを中心に事業を展開しています。以下、事業内容と会社概要を紹介します。
【マーケティングおよび戦略構築支援事業】
当社はお客様企業の戦略の中心をWho?(市場/顧客/顧客組織理解)とWhat?(提供価値定義)におき、お客様と共にその組み合わせを設計するところから伴走します。その後、マーケティング設計へと落とし込んでいきます。新規事業戦略、および既存事業戦略再構築のどちらにも対応します。
【物語コンテンツ制作事業】
当社はお客様の戦略を深く理解、あるいは戦略の構築そのものからお手伝いし、お客様企業そのものや製品/サービスの提供価値と市場やさらにその中のお客様を物語によってつなぐことを重視しています。物語は様々な表現方法をもって存在しますので、伝達するチャネルにあわせてコンテンツに展開します。
【会社概要】
社名 : 株式会社記録と記憶
本社所在地: 〒101-0064
東京都千代田区猿楽町2丁目8番11号 VORT水道橋III 8F
代表取締役: 有馬 顕
事業内容 : マーケティングおよび戦略構築支援、コンテンツ制作
設立 : 2024年1月
HP :
https://kirokutokioku.jp
詳細はこちら



記事提供:@Press