NEDO「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に採択
日本ガイシ株式会社
複合ウエハー技術で光量子コンピューターの開発に貢献
日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(量子産業化)」において、「光量子コンピュータ産業化に向けたTFLN(薄膜ニオブ酸リチウム)光技術の研究開発」が採択されました。当社は長年培ってきた複合ウエハー技術を活用し、光集積回路の開発に取り組みます。本プロジェクトを通じて、光量子コンピューターの実用化を加速し、次世代AIを支える情報処理基盤の構築に貢献します。
生成AIの進展により、世界中のデータセンターの消費電力が増加し、環境負荷やエネルギーコストの上昇が社会問題となっています。これらの解決策として、量子コンピューターの高速な計算処理が注目されています。
従来の量子コンピューターは超低温で動作し、巨大な冷却装置と膨大なエネルギーコストが伴います。一方で、光方式の量子コンピューターは、室温で動作が可能なため冷却装置が不要で、設置スペースの大幅削減や省エネルギー化にもつながります。加えて既存の光ファイバーとの親和性も高いため、社会実装に向けた有力な次世代技術とされています。
本プロジェクトでは、これまで原理実証段階にとどまっていた光量子コンピューターの実用化を目指し、光集積回路の開発に取り組みます。また、国産メーカーによる世界標準化を進めることで、強固なサプライチェーンの構築を図ります。
当社は本プロジェクトにおいて、光量子コンピューターの集積回路に必要不可欠なTFLN※ウエハーの開発を担当します。「SAWフィルター用複合ウエハー」の開発で培った直接接合技術により、室温で接着剤を使用せずに異なる材料を高精度で貼り合わせるため、TFLNの材料特性を確保した高い信頼性を実現します。さらに、機能層をナノメートル単位で均一に薄膜化できる超精密研磨技術により、ウエハーの薄型化に貢献します。これらの技術をもとに8インチサイズのTFLNウエハーを開発することで、量産時のコスト削減や、競争力強化にもつなげます。
本プロジェクトは、2025年度から2027年度の3か年計画で実施し、複数の企業・研究機関と連携して取り組みます。NGKグループは、「NGKグループビジョン Road to 2050」で、カーボンニュートラルとデジタル社会分野への事業構成転換を目指しており、本プロジェクトにより、NGKグループの成長に資するテーマの新製品・新事業の創出を加速し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
■ 本プロジェクトの体制
・日本ガイシ株式会社(代表事業者)
・株式会社山寿セラミックス
・株式会社オキサイド
・浜松ホトニクス株式会社
・国立研究開発法人産業技術総合研究所(共同研究)
関連情報:NEDO 公募情報
https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100396.html
SAWフィルター用複合ウエハー
https://www.ngk.co.jp/product/saw-bondedwafer.html
NGKグループビジョン Road to 2050
https://www.ngk.co.jp/info/vision/
※ TFLN(Thin Film Lithium Niobate、薄膜ニオブ酸リチウム):ニオブ酸リチウム結晶を数百ナノメートルまで薄く加工した複合ウエハー。主にデータセンター内の光集積回路に使われる。
本件に関するお問合わせ先
コーポレートコミュニケーション部 TEL:052-872-7980
関連リンク
NEDO 公募情報
https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100396.html
SAWフィルター用複合ウエハー
https://www.ngk.co.jp/product/saw-bondedwafer.html
NGKグループビジョン Road to 2050
https://www.ngk.co.jp/info/vision/
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