SAS最新調査:日本企業のAI成熟度、世界平均を上回る水準に
SAS Institute Japan株式会社
ビジネス価値最大化の鍵は、信頼できるAIへの投資
データとAIのリーディング・カンパニーであるSAS Institute Inc.(以下 SAS)は、AIの利用状況、影響、信頼性に関する最新調査「Data and AI Impact Report: The Trust Imperative(データとAIのインパクトレポート:信頼のための必須事項)」(
https://www.sas.com/ja_jp/gc/data-and-ai-impact-report.html )を発表しました。本レポートでは、AI導入の現状、ビジネス価値、信頼性、ガバナンス、データ基盤など、AI活用に不可欠な要素を多角的に分析しています。さらに、日本企業におけるAI導入・活用の現状と課題を詳細に検証し、日本は戦略的整合性と人材育成の両面で急速に成熟を遂げ、アジア太平洋地域におけるAIリーダーの一国であることを明らかにしています。
主な調査結果は、以下の通りです。
● グローバルなAI導入の加速と技術革新:世界の企業の65%がすでにAIを導入し、32%が今後12か月以内に導入予定
● 信頼のジレンマとガバナンスの重要性:世界の企業の78%がAIを完全に信頼していると回答する一方、AI技術そのものへの信頼性は40%に留まる
●日本企業のAI成熟度、世界平均を上回る水準に:約55%の企業が高度に統合されたAI機能を保有(世界平均:27.9%)
●日本企業では、信頼性とガバナンスを重視した「安定的なAI導入」:日本企業の「信頼できるAI」への投資割合は27%で、世界平均(25%)を上回る
●日本企業では、AIを「事業レジリエンス強化」の手段として活用
グローバルなAI導入の加速と技術革新
世界の企業の65%がすでにAIを導入し、32%が今後12か月以内に導入を予定しています。特にGenAI(生成AI)の登場により、AIは企業活動に不可欠な技術へと進化しています。従来型AIに加え、エージェンティックAIや量子AIなど新技術の導入も進み、企業の意志決定や業務効率化に大きな変革をもたらしています。
信頼のジレンマとガバナンスの重要性
本レポートによると、企業の78%がAIを完全に信頼していると回答する一方、AI技術そのものへの信頼性は40%に留まっています。AIへの信頼と実際の信頼性の乖離は「信頼のジレンマ」として世界的な課題となっており、特にGenAI分野で顕著になっていま す。信頼できるAIの構築は、生産性向上、イノベーション促進、顧客体験の向上、業務効率化、財務リターンなど、具体的なビジネス価値の創出に直結しています。説明可能性や透明性、強固なガバナンス体制の構築が不可欠であり、企業はこれらの課題に積極的に取り組む必要があります。
日本企業のAI成熟度、世界平均を上回る水準に
日本企業のAI導入は、生成AI・従来型AI・インテリジェントエージェントの活用拡大により急速に進展しています。
● 約55%の企業が高度に統合されたAI機能を保有(世界平均:27.9%)
● 13%がAIによる完全な業務変革を実現(世界平均:10.4%)
● 約54%が高度なデータ基盤を整備(世界平均:36.1%)
こうした進展を支えるのは、AI対応のデータセンターやネットワーク、IaaS(Infrastructure as a Service)への積極的な投資であり、日本はデータインフラ整備においてアジア太平洋地域をリードしています。プライベートクラウドやソブリンクラウドの利用も加速し、AIとクラウドの相乗効果がビジネス変革を支えています。
信頼性とガバナンスを重視した「安定的なAI導入」
日本企業の「信頼できるAI」への投資割合は27%で、世界平均(25%)を上回っています。これは、ガバナンス・信頼性・セキュリティを重視した堅実なAI導入に対する姿勢を反映しています。多くの企業がセンター・オブ・エクセレンス(CoE)を設置し、AI戦略を経営目標と連携させる体制を整備しています。コストや取り組みの断片化といった課題はあるものの、クラウド市場の急成長がAIイノベーションの拡大を支え、日本のリーダーシップを強化しています。
AIを「事業レジリエンス強化」の手段として活用
リスクに対して慎重な文化を持つ日本企業にとって、AIは事業レジリエンス(回復力)のツールとして導入が進んでいます。また、イノベーションをはじめ、競争力を高める戦略的ツールとしても位置づけられています。
AI導入の主要目的(上位3項目)
● ビジネスリスクの軽減: 46%
● 業務効率化: 45%
● 利益増: 40%
強固なAI基盤の構築:着実で拡張性のあるAI導入への道筋
日本企業は変化の速い技術環境に対応するため、統合型AIプラットフォームの構築を進めています。統合型AIプラットフォームはデータアーキテクチャーと連携し、大規模データを効率的に処理して実用的なインサイトを導き出す堅固な基盤を形成しています。また、人材不足への対応としてスキル開発投資が進み、産業全体でAI活用の裾野が広がっています。
日本企業が優先するAI運用課題(上位3項目)
● 企業のAI技術アーキテクチャーの構築: 53%
● 企業のAIを支援するデータアーキテクチャーの開発: 47%
● AIのトレーニングとリスキリングの支援: 46%
SAS Institute Japan株式会社 代表取締役社長 手島 主税は、次のように述べています。「日本企業は今、AIを“革新”のためだけでなく、“持続可能な成長”のための活用を進めています。AIを戦略的ツールとしてさらに活用していくためには、説明可能性や透明性、強固なガバナンス体制の構築が不可欠であり、SASは、長年にわたるアナリティクスの知見と先進的なAIプラットフォームを通じて、日本企業が信頼性・透明性・拡張性のあるAI活用を実現し、社会全体のレジリエンスを高めることを支援していきます」
調査概要
本調査は、北米、中南米、EMEA(Europe, the Middle East and Africa)、アジア太平洋地域における企業を対象に実施したもので、世界全体で2,375名のIT部門およびビジネス部門の意思決定者が回答しました。対象業種は、銀行、保険、ライフサイエンス、公共部門、製造、小売、通信など多岐にわたります。また、米調査会社IDCが調査結果に対する考察を提供しています。
SASについて
SASはデータとAIのリーディング・カンパニーです。SASの革新的なソフトウェアと業界特化型のソリューションが、世界中のお客様にデータを信頼できる意思決定に変換するパワーを届けています。SASは「The Power to Know®(知る力)」をお届けします。
*SASとその他の製品は米国とその他の国における米国SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。
記事提供:Digital PR Platform