生活者はAIサービスを「負担の軽減」に活用する一方、「付加価値」としては「安心」「感動」といった感情的価値に期待
株式会社NTTデータ経営研究所

AIサービス利用者の73.5%が「負担の軽減」に価値を実感 「付加価値」は26.5%にとどまる
株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:山口 重樹、以下、当社)とNTTドコモビジネスX株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:稲葉 秀司)は、全国の20代~60代の男女1,042人を対象に「生活者がAIサービスに求める価値観に関する調査」を実施しました。
その結果、AIサービス※1は生活者の間で一定程度利用が進んでいるものの、その利用価値は時間短縮などの「負担の軽減」に偏り、楽しさや満足感といった「付加価値の提供」までには十分に至っていない実態が明らかになりました。またAIサービスへの課金意向は最大でも3%前後にとどまり、現時点ではマネタイズの可能性は限定的であることが確認されました。
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全国の20代~60代の男女1,042人を対象に「生活者がAIサービスに求める価値観に関する調査」を実施
【主なポイント】
1.AIサービスの利用は「負担軽減」が中心で、デジタルサービス※2 のような付加価値の提供には至らず
2. AIサービスへの課金継続意向は最大でも3.3%にとどまるが、デジタルサービスは「付加価値の提供」に対する課金意向が相対的に高い
3. AIサービスの利用意向は「検討・計画段階」が53.0%で最多、生活者が求めるのは「感情的価値」
【調査詳細レポート】はこちらからご覧いただけます:
https://www.nttdata-strategy.com/knowledge/ncom-survey/260327/
※1 本調査における「AIサービス」とは、「検索へのAI活用(ChatGPTなど)」「テキスト作成(メール・チャット支援)」「音声アシスタント(Siri・アレクサ)」「プランニング(旅行、経路など)」「料金シミュレーション(保険料金、電気料金など)」「レコメンド広告」「生成AIによる画像、動画の広告」「動画サイトのおすすめ提案」「監視カメラの自動顔認識」「レストランでの接客」「問い合わせへの対応(チャットボットなど)」を指す。
※2 本調査における「デジタルサービス」とは、「SNS(Instagram・Xなど)」「メッセージアプリ(LINE・WhatsAppなど)」「ECサイト(Amazon・楽天市場など)」「フードデリバリー(Uber Eats・出前館など)」「キャッシュレス決済(PayPay・Suicaなど)」「オンライン振込サービス(ゆうちょダイレクトなど)」「動画配信サイト(Netflix・YouTubeなど)」「音楽配信サイト(Spotify・Apple Musicなど)」「配車アプリ(GO・S-rideなど)」「旅行予約(Expedia・楽天トラベルなど)」「健康管理アプリ(あすけん・Fitbitなど)」「学習アプリ(Duolingo・Udemyなど)」を指す。
【調査背景】
近年、多くの企業ではデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に伴い、生成AIを含むAI技術への投資が急速に拡大しています。AI関連製品・サービスは企業の新規導入や投資増額が期待される分野として上位に位置付けられ、企業活動における重要な投資領域となっています。
一方で、AI活用の多くは、業務効率化やコスト削減といった提供者側の視点に基づく導入が中心であり、生活者視点での価値や体験については十分に検討されているとはいえません。
また近年の消費行動では、必需品の支出を抑える一方で、自身の充実や満足感につながる分野には積極的に投資する「メリハリ消費」の傾向が見られます。こうした消費行動を踏まえると、AIサービスが生活者に受け入れられ継続的に利用されるためには、単なる効率化だけではなく、生活者の価値観に基づいた価値提供が重要になると考えられます。
そこで本調査では、一般の生活者を対象にAIサービスの認知や利用状況、デジタルサービスに求める価値、AIサービスに対する課金意向などを把握し、生活者視点に立脚したAIサービスの価値創出の方向性を明らかにすることを目的に調査を実施しました。
【主な調査結果】
1.AIサービスの利用は「負担軽減」が中心で、デジタルサービスのような付加価値の提供には至らず
AIサービス利用者およびデジタルサービス利用者を対象に、サービス利用により満たされる欲求・願望について調査しました。その結果、AIサービスは調査対象の8種のサービスのうち7種のサービスで「時間の無駄を解消してくれる、スピード感がある」などの効率化に関する価値が最も多く選ばれました。
一方、デジタルサービスは全12種のサービスのうち6種のサービスで同様の結果となりました※3。
また、サービス利用時の価値を「負担の軽減」と「付加価値の提供」に分類して分析※2した結果、AIサービスでは「負担の軽減」に価値を感じる人が73.5%と多数を占め、「付加価値の提供」に価値を感じる人は26.5%にとどまりました。一方、デジタルサービスでは「負担の軽減」が58.8%、「付加価値の提供」が41.2%でした(図表1)。
さらに、サービス別にみると、AIサービスでは8種のサービスのうち7種のサービスが「負担の軽減」に偏っており、「付加価値の提供」に価値を感じているのは「生成AIによる画像・動画の広告」のみでした(図表2)。これに対し、デジタルサービスでは全12種のサービスのうち5種のサービスで「付加価値の提供」に価値を感じている人が50%以上を占めました(図表3)。
これらの結果から、AIサービスは、生活者にとって負担軽減の手段として認識されているものの、楽しさや満足感などの付加価値を創出する手段としては十分に認識されていないことが示されました。
※3 AIサービスで利用者が限定的(n=50以下)であった「監視カメラの自動顔認識」「レコメンド広告」「プランニング」は分析対象外としている
※4 本調査では、生活者が各種デジタルサービスおよびAIサービスの利用時に感じる価値の性質を「負担の軽減」と「付加価値の提供」に分類し、それぞれの回答割合を基に加重平均を算出し分析(2.も同様)
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【図表1】AIサービス、デジタルサービス利用時に『負担の軽減』 『付加価値の提供』と感じる比率(SA)
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【図表2】AIサービス利用時に『負担の軽減』もしくは『付加価値の提供』と感じる比率(SA)
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【図表3】デジタルサービス利用時に『負担の軽減』もしくは『付加価値の提供』と感じる比率(SA)
2.AIサービスへの課金継続意向は最大でも3.3%にとどまるが、デジタルサービスは「付加価値の提供」に対する課金意向が相対的に高い
AIサービスおよびデジタルサービスの利用者を対象に、各種サービスに対する課金意向について調査しました。課金意向の把握にあたっては、現在の課金状況に加え、今後の課金必須化や値上げを想定した場合の課金継続意向を確認しました。その結果、AIサービスへの課金継続意向は全体として限定的であることが明らかになりました。
AIサービスで「課金しており、今後金額が値上がりしても金額次第で利用を続ける」と回答した人の割合は、「レストランでの接客」(3.3%)が最も高く、次いで「テキスト作成」(2.7%)と、いずれも低い水準にとどまりました。一方、デジタルサービスでは音楽配信サイト(16.0%)、動画配信サイト(14.8%)、学習アプリ(12.7%)などで、値上げされても課金を継続する層が一定数確認されました。
次にサービス利用時の価値を「負担の軽減」と「付加価値の提供」に分類し、課金状況および課金継続意向を分析しました。その結果、AIサービスで現在課金している人の割合は「負担の軽減」で4.6%、「付加価値の提供」で7.4%でした。いずれの場合も「課金しておらず、今後課金が必須になった場合は利用をやめる」と回答した人が多数を占めており、AIサービスへの課金継続意向は限定的であることが示されました(図表4)。
これに対し、デジタルサービスでは「負担の軽減」で12.6%、「付加価値の提供」で15.3%となり、付加価値を提供するサービスの課金意向が相対的に高い傾向がみられました(図表5)。
これらの結果から、AIサービスは生活者に一定程度利用されているものの、現時点では課金継続意向は限定的であり、デジタルサービスのように付加価値を提供するサービスの設計が収益化の鍵になることが示唆されました。
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【図表4】 AIサービスの「負担の軽減」「付加価値の提供」への課金意向(SA)
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【図表5】 デジタルサービスの「負担の軽減」「付加価値の提供」への課金意向(SA)
3.AIサービスの利用意向は「検討・計画段階」が53.0%で最多、「体験・娯楽」「モノの購入」「健康」の利用シーンで生活者が求める価値は「感情的価値」
全員(n=1,042)を対象に、生活者が重視する価値を調査しました。1.では、AIサービスは「負担の軽減」の価値が認識されている一方、「楽しさ」や「満足感」といった「付加価値の提供」には十分に至っていないことが明らかとなりました。これを踏まえ、生活者が本来どのような価値を求めているのかを把握するため、「時間的余裕と余剰資金があれば貯蓄や投資以外でどのようなことに使いたいか」というお金の使い道と、その際に重視する価値(感情・感覚・知的好奇心など)を調査しました。
お金の使い道の上位3項目である「体験・娯楽」「モノの購入」「健康」の利用シーンで生活者が求める価値は、「安心、感動、テンションがあがるなどの感情」が最多でした。次いで、「見た目、美しさ、心地よさなどの感覚」が続きました。
これらの結果から、生活者が時間やお金をかける場面では、安心や感動といった「感情的価値」が重視される傾向があることが示されました。一方で、語学、資格スクールなどの「自己成長」に関わる利用シーンでは、「学びを得られる、新しいことを知ることができるなどの知的好奇心」が最も求められていることから、利用時の文脈を踏まえた価値提供が重要であることが示唆されます(図表6)。
AIサービスの利用シーンを選択した回答者(n=783、「あてはまるものはない」と回答したn=259を除く)を対象に、重視する価値を満たすAIサービスに対する利用意向を調査した結果、「検討・計画段階」での利用意向が53.0%で最多となりました。AIサービスの設計においては、「体験時・実施時」の前の「検討・計画段階」に着目した付加価値の提供が重要であると考えられます(図表7)。
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【図表6】利用シーン別で生活者が求める価値
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【図表7】利用段階ごとのAIサービスの利用意向
【調査担当者コメント】
■NTTデータ経営研究所 ビジネストランスフォーメションユニット マネージャー 坂元 健一
昨今、AIサービスは企業での活用にとどまらず、日常生活においても急速に普及しています。本調査では、生活者が現状のAIサービスに感じていること、および求める価値を調査しました。
その結果、現時点で普及しているAIサービスの提供価値は「負担の軽減」に留まり、課金意向も低いことがわかりました。一方、既に市場が形成されているデジタルサービスにおいては、「付加価値の提供」まで提供価値が広がっており、課金意欲も相対的に高いことが確認されました。ただし、「付加価値の提供」に求める価値は、利用シーンや生活者によって多様であり、画一的なサービスでは生活者のニーズを十分に満たせないことが示唆されました。
これらのことから、AIサービス提供者には、「負担の軽減」のみならず、「付加価値の提供」を実現するサービス設計が求められます。その際、利用シーンや生活者が求める価値に応じたサービスの提供が重要となることが示唆されました。当社では、生活者が求める価値を充足できるAIサービスの社会実装が進むよう、引き続きAIサービス提供者を支援してまいります。
【調査概要】
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【関連リンク】
NTTデータ経営研究所:
https://www.nttdata-strategy.com/
【NTTデータ経営研究所について】
NTTデータ経営研究所は、1991年の設立以来、サステナビリティやヘルスケア、地方創生といった様々な領域の社会課題の解決や、企業変革の支援に向けたコンサルティングを行っています。政策や戦略の立案からプロジェクトの実行支援、新規事業の開発から実証までを一気通貫でお客様に伴走し、持続可能な成長と変革を支援します。NTTデータグループの戦略コンサルティングファームとして、多岐にわたる専門性により業界・組織を超えた連携を作り出し、未来への道筋を照らすことでお客様とともに新たな価値の創造に取り組んでいます。
<調査データについて>
回答者の属性は、回答者のアンケート上の自己申告に基づいています。
回答の構成比は、小数第2位を四捨五入しているため、各構成比の合計は100%にならない場合があります。
<調査結果の利用について>
本調査は、株式会社NTTデータ経営研究所とNTTドコモビジネスX株式会社が共同で行っており、本調査結果の著作権は、株式会社NTTデータ経営研究所とNTTドコモビジネスX株式会社が保有します。
調査結果の一部を転載・引用される場合は、出所として「NTTデータ経営研究所/NTTドコモビジネスX」と併記した上で、掲載日・掲載媒体・引用箇所などの情報につきましてはブランド推進担当までお知らせください。
調査結果について、出所を明記せずに転載・引用を行うこと、データの一部または全部を改変することなどの行為はご遠慮ください。
本アンケート調査の生データは提供いたしかねます。
本件に関するお問合わせ先
株式会社NTTデータ経営研究所
コンサルティングサポート部 ブランド推進担当(三輪、宇城)
Tel:03-5213-4016 E-mail:webmaster@nttdata-strategy.com







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