発達障がい者のためのPC教室「湘風舎」が活動開始から10年
2015年01月21日

実践的PCスキルを身につけ、就労と自立を目指す
神奈川県藤沢市で、自閉症やアスペルガー症候群、学習障がいなど発達障がい者の支援を目的とし、PC教室を開いている「湘風舎」が今年、活動開始から10年を迎えた。教室開設以来、小学生から社会人まで幅広い年代の障がい者に利用されており、各種PC資格の取得者も多数輩出、身につけたスキルを活かして就業した受講者も多いなど、確実に成果を上げてきている。
「湘風舎」は、2005年に発達障がい者に対象を特化したPC教室としてオープン。地元藤沢はもちろん、茅ヶ崎や鎌倉、横浜、葉山、平塚、八王子など、幅広いエリアから受講生が集まり、スキルアップを図る場となった。
活動も多角化、就業機会の拡大へ
教室では、ローマ字入力やブラインドタッチといった基本操作から、インターネット操作、ビジネスに直結し即戦力となりやすいワードやエクセルなどの事務系処理技術、グラフィック、各種資格取得対策まで、個々に合った指導を行っている。
参加する障がい者らは、それぞれのペースで楽しく学び、スキルを身につけていくという。こだわりの強さと好きなもの、関心のあるものが相まって、特定の分野にとても詳しくなる人も少なくないそうだ。
PCスキルを身につけることで、従来よりも幅広い職種での就労につなげやすくなることはもちろん、自己表現がしやすくなり、社会的自立や円滑なコミュニケーションの構築も促されている。
「湘風舎」で学んだ障がい者らは、株式会社パソナハートフルや日総ぴゅあ株式会社、株式会社リンクライン、横浜市役所などで働き始めている。
現在はPC教室以外にも、発達障がい児に遊び場を提供する「遊びの会」や、保護者のための意見・情報交換の場となる「保護者会」の運営、ボランティア体験企画、就業施設見学会なども実施しており、総合的な支援へと活動も多角化している。今後も障がい者雇用の促進と社会的自立に寄与する場として、活かされていくことが期待される。
▼外部リンク
湘風舎 ホームページ
http://www.geocities.jp/syofusya/
記事提供:障害者雇用インフォメーション|