東大阪、障がい者就労促進で野菜を水耕栽培
2014年12月15日
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農業の担い手確保と障がい者就労の拡大を
大阪府では、慢性的な人手不足が問題となっている農業において、多様な担い手の参入を促進し、これを解決していくことと、あわせて障がい者の雇用・就労機会の増加を実現することを目的として、府庁内での部局連携を進め、“農と福祉の連携”、いわゆる「農福連携」の取り組みを推進している。
こうしたなか、社会福祉法人「大阪手をつなぐ育成会」は、府の協議・調整のもと農林水産省の「農」のある暮らしづくり交付金を活用し、野菜の水耕栽培を開始した。場所はJRおおさか東線高架下用地を活用。サンチュやフリルレタス、ベビーリーフなどの新鮮な葉物野菜が育ってきている。
生産量を増やし、安定収入・黒字経営を目指す
水耕栽培とその野菜の販売を行っているのは、「大阪手をつなぐ育成会」の就労継続支援B型施設である「支援センターつなぐの」。今年の11月1日に開所した作業所で、“つなぐ”と“農”をあわせた言葉として「つなぐの」と名付けたという。
種まきから植え替え、収穫、包装、出荷、栽培棚の掃除といった作業を通所する障がい者が担当し、水温や気温、栽培溶液の管理を行いながら、日々野菜を大切に育てている。モデル事業としての注目度も高く、府や近隣の大学、一般企業とも連携し、相互の強みを活かしながら、販路の拡大、就職、人材育成などにつなげていきたい方針だ。
栽培施設は「アグリガーデン しゅんとくみち」と名付けられており、大きなビニルハウスがJR俊徳道駅から長瀬駅間の高架下に設けられている。12月15日には「支援センターつなぐの」の開所記念式典が催され、16日から19日までは「アグリガーデン しゅんとくみち」の公開見学会も行われる。
スタートしたばかりの取り組みだが、秘めた可能性は大きく、内外から高い関心が寄せられている。生産量を増やし、安定した収入を確保して、障がい者の自立を促進していくこと、農家の高齢化などによる人材不足といった現代の農業が抱える問題の解決の糸口を見出していくこと、これらの目標の同時実現がなされることを期待したい。
(画像は施設完成時のプレスリリースより)
▼外部リンク
社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 ホームページ
http://www.osaka-ikuseikai.or.jp/index.html支援センターつなぐの ホームページ
http://www.osaka-ikuseikai.or.jp/center/tunaguno.html大阪府 報道発表資料
http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 プレスリリース(施設完成時に提供)
http://www.osaka-ikuseikai.or.jp/center/img
記事提供:障害者雇用インフォメーション|