河田フェザー、エコで障がい者就労も促進する再生羽毛のダウンコートを発売へ
2014年09月07日

今秋「グリーンダウン」のコート発売が決定
日本唯一の羽毛素材メーカーである河田フェザー株式会社が、地球環境にやさしく、障がい者の就労機会創出にも貢献する、再生羽毛「グリーンダウン」の取り組みで注目を集めている。3年ほど前から開始した取り組みだが、今秋、初めて女性用ダウンコートとして発売されることが決定した。
河田フェザーによると、近年、世界的に羽毛の需給バランスが崩れ、価格が高止まりしているほか、入手の困難さから、品質のよくない羽毛や疑似羽毛・羽毛増量剤、未洗浄のリサイクル羽毛が混入した製品も目立ち始めているという。
こうしたなか、同社では上質な羽毛を安定価格で提供し続けたいと考え、国内で使い捨てにされてきた羽毛を回収し、独自の精製加工技術によって再生させる「グリーンダウンサイクルシステム」の仕組みを考案。もともと100年以上繰り返し使える丈夫な素材である羽毛を最大限に活かし、優れた品質を保ちながら供給量を確保する取り組みを進めている。
こうして誕生した再生羽毛のグリーンダウンを用い、株式会社三陽商会による「SANYO」「EVEXbyKRIZIA」「TOBECHIC」「VINVERT」の4ブランドが、ミドル丈やロング丈のダウンコートなど合計9型のアイテムを10月下旬から販売することとなった。衣料品に使用されるのは、これが国内初であり、価格は従来のダウンコートとほぼ同等になる見込みという。
環境保全と障がい者就労支援、地域福祉、ファッションニーズがサイクルに
「グリーンダウンサイクルシステム」では、まず使わなくなった羽毛ふとんや着なくなったダウンジャケットなどの製品を回収する。
まだ使える羽毛が処分されてしまうことを防げるほか、水鳥からとれる羽毛は約半分が炭素からできており、燃やすと多くの二酸化炭素が発生することから、より長く使用し羽毛の状態を保つことは、二酸化炭素の排出抑制につながり、地球温暖化防止にも貢献すると考えられている。ゴミを削減しながら、貴重な資源を循環させ、再利用を進めることで多角的な環境保全が図れるというわけだ。
次に、この回収した羽毛製品の選別・解体業務は、近隣にある明和町社会福祉協議会の障がい者福祉サービス事業所「ありんこ」に委託しており、障がい者の就労支援や社会参画の機会を創出するものとなっている。河田フェザーは、こうして取り出された羽毛に洗浄・精製加工を施し、新毛よりもさらに綺麗な、そして同様のふわふわ感を維持した羽毛へとリフレッシュさせる。
こうして再生された羽毛から新たな羽毛製品が作られ、消費者に購入してもらうことで、サイクルが構築される。なお、全国から集められた羽毛製品の枚数に応じ、河田フェザーの関連会社であるエコランド有限会社が、「UMOUプロジェクト」として赤い羽根共同募金へ寄付を行う仕組みも設けているため、地域福祉活動の支援にも貢献するものとなっているそうだ。
河田フェザーでは、この「グリーンダウンサイクルシステム」を全国的に普及させるため、回収拠点と輸送ネットワークの拡充、周知活動の実施、ステークホルダーからの羽毛製品回収などを行う協力企業も募っている。障がい者の就労促進という面でも、今後の大きな成長が期待される取り組みである。
▼外部リンク
河田フェザー株式会社によるプレスリリース
http://www.alterna.co.jp/13625河田フェザー株式会社 グリーンダウンサイクルシステム
http://kwd.jp/pure-plume明和町社会福祉協議会 ホームページ
http://www.ma.mctv.ne.jp/~mei-skyo/エコランド有限会社 ホームページ
http://ecoland.co.jp/
記事提供:障害者雇用インフォメーション|