埼玉で障がい者雇用促進に向けたモデル研究事業「チームぴかぴか」
2014年08月11日

県教育委員会が直接雇用、一般就労を目指し「働きながら学ぶ」
埼玉県では、今年度から県教育委員会が障がい者雇用を促進するためのモデル研究事業として、「チームぴかぴか」事業を進めている。全国的にみてもめずらしい取り組みであり、注目が集まっている。
この「チームぴかぴか」事業は、県教育委員会が知的障害特別支援学校高等部の卒業生を直接雇用し、一般就労を目指して“働きながら学ぶ”仕組みを構築するものだ。現在はまず12人が非常勤職員として雇用されている。
12人は支援員のサポートのもと、県の仕事として、名刺作成や書類のシュレッダー処理、データ入力、資料へのシール貼りやポスター折り、メール集配などの事務作業のほか、倉庫整理や清掃作業、公園の除草作業などの業務に取り組んでいる。
障がい者らはこうした仕事に従事しながら、一般就労で求められる職業スキル向上に努めるほか、企業での研修にも参加。あわせて県が事業を通じて蓄積した障がい者雇用のノウハウなどを企業へと提供することで、障がい者雇用の新規職域開拓と特別支援学校卒業生の一般就労率向上の実現を目指す。
教育委員会における障がい者雇用率の低さの改善もあわせ、問題の同時解決を!
障がいをもつ特別支援学校の卒業生では、約4割が就労を希望しているものの、現状、一般就労の実現は74.1%にとどまり、希望者のうち3割近くは職を得られていない。県ではこれを改善すべく、平成28年度卒業生での一般就労実現率90%、就労希望の実現において実質100%が達成されることを目標とする。
また県教育委員会は、その障がい者雇用率が1.76%と全国ワースト2位であるほか、法定雇用率に対する不足数でも全国ワースト3位と低い水準にとどまっている。そこでこの「チームぴかぴか」事業により、障がい者を直接雇用することで、法定雇用率2.2%を早期に達成することも目指す。
埼玉県では、今後、事業を通じて障がい者を雇用する上でのさまざまな課題についてもしっかりと整理し、さらなる事業の拡充・継続も検討するという。そして、現状ある問題の同時解決を図り、地域全体での障がい者雇用促進にもつなげていきたい考えだ。
▼外部リンク
埼玉県 チームぴかぴか事業について
http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/627289.pdf第1738回埼玉県教育委員会定例会 議事資料
http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/627630.pdf埼玉県教育委員会 ホームページ
http://www.pref.saitama.lg.jp/kyouiku/
記事提供:障害者雇用インフォメーション|