国内チョーク市場シェア3割超!障害者の働きが支える日本理化学工業
2014年07月27日
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生産ラインを担う従業員70%以上が障害者
板書が鮮明で書き心地はソフトでなめらか、ホタテ貝の貝殻を再生材として配合したエコロジー商品でもある炭酸カルシウム製の「ダストレスチョーク」。この製品を主力商品とし、国内チョーク市場でシェア3割超を占めるトップ企業となっているのが日本理化学工業株式会社だ。同社はその生産力、製品開発力とともに、障害者雇用への先進的取り組みで注目されている。
日本理化学工業では、生産ラインを支える全従業員の70%以上が知的障害のある社員だ。障害者雇用に取り組む上では、それぞれがまず今ある能力で仕事ができるように、そしてより能力を高めていけるように、さまざまな作業方法の工夫・改善を実施し、働きやすい環境づくりに努めているという。
徹底した品質管理と6S活動で皆に喜ばれる企業に
日本理化学工業は1937年に創業し、チョーク生産を開始。その後1960年に、はじめて知的障害者2名を雇用した。当時は社会全体としても障害者への理解に乏しく、同社も不安から雇用を積極的には考えなかったそうだ。
だが養護学校教諭の熱意に動かされ、まず2週間の実習を受け入れることを決めた。すると、その懸命に働く姿に従業員らから、ぜひ正式雇用をとの声が上がったという。ここから障害者雇用への取り組みが始まり、1975年には、全国初となる心身障害者多数雇用モデル工場第1号を開設。先進的事例として、数々の表彰を受けるようにもなった。今年3月にも、ダイバーシティ経営企業100選に入選している。
同社では、顧客に高品質の商品を継続して提供していくため、障害特性やそれぞれの能力に合わせた検査治具、作業標準をつくり、徹底した品質管理を行っている。また、社員全員で5S(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ)に安全(Safety)を加えた6Sを重視する活動を推進。全員で成長を支援し合い、皆に喜ばれる製品づくり、企業づくりに力を入れているという。
「ダストレスチョーク」以外にも、粉が出ない「キットパスビューシリーズ」や、体にやさしく、石膏ボードを再生した環境にもやさしいラインパウダー「エコプラスターライン」など、新たな商品の開発も活発に行われている。同社の長年にわたる取り組みは、学ぶところの多いものといえるだろう。
▼外部リンク
日本理化学工業株式会社 ホームページ
http://www.rikagaku.co.jp/index.php
記事提供:障害者雇用インフォメーション|