ハルシノゲンで精神病は治るのか?
2010年06月08日
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ドラッグと精神病薬
もしあなたが1969年のドラッグカルチャーの震源地/サンフランシスコアシュベリーストリートにいたら、あなたは現在病院でつかわれている精神病薬のルーツを知ることができるだろう。
LSD ブーム
サンフランシスコアシュベリー・ストリート。ホームレス、絞り染めのシャツを着た若者達でいっぱいだ。この人たちは目をギラギラさせて手に何かを持っている。健康そうには見えない。
1943年、アルバート・ホフマンはLSDのトリップ効果を発見した。そして最初のLSDの服用実験がおこなわれ化学者たちはドラッグが内面意識におよぼす効果についての研究をはじめた。ホフマン管轄下のサンド研究所は1965年8月LSD-25を完成させた。
この薬はLSDの社会的欲求にこたえてつくられた薬品で、処方用ではなく娯楽用の薬だった。このLSD-25は「バッドトリップ」と恐ろしい幻覚作用をもたらす薬であった。アメリカ国立精神衛生研究所はこのLSD-25を認可せず、生産禁止とした。LSDを服用すると意識に何か珍しい事がおきることは認知されたが、公的機関においてそれ以上の研究がおこなわれることはなかった。
ハーバード大学教授ティモシー・リアリーは冗談半分で一度だけLSDに手をだした。リアリーの幻覚剤の初期の研究には当時の彼の脱社会的な生活が色濃くあらわれている。リアリーは1970年に刑務所から脱獄するなど軽犯罪とはいえない犯罪をおかしている。
LSD - 25ブームがおき、アメリカの大学の研究者の評判は大きく落ちた。政府の大学への資金援助にさえ影響をあたえた。
リアリーが言うには、リアリーはLSDを使って地球を離れたということだ。LSDは社会に蔓延した。
ここ数十年でLSDが脳にあたえる効果についての研究はまた増えている。LSDが脳にあたえるリスクとメリット利点とについての事例や研究結果はたくさん集まってきている。
ハルシノゲン(幻覚剤)の効果
作家。アーティスト。幻視者。精神主義者。現実逃避者。人生に退屈している人。幻覚はこれらの人たちに大きな作用をあたえてきた。世界には神と交信するための道具として自然幻覚剤を使う宗教が多くある。
西洋文化が幻覚剤を発見したのは、研究室やジャングルの中のお寺ではなかった。スペイン人がマジック・マッシュルームを発見したが、なぜマジックマッシュルームでトリップするのか、西洋科学がハルシノゲンという物質を発見するまで、その理由はしばしば無視されていた。
ハルシノゲン(幻覚剤)は脳内のセロトニンの分泌量を変えることで服用した人に幻覚をあたえる。セロトニンは神経細胞同士が情報を通信するためのホルモン物質。 セロトニンは気分や感覚、幸福感に大きな作用をあたえる。
研究者はうつ病、OCD、その他の感情障害は、抗うつ薬を使ってセロトニン受容体をブロックして脳内のセロトニンレベルをかえることで緩和できることを知った。
現在のハルシノゲンは当時のハルシノゲンよりももっと効果がおおきい。しかしハルシノゲンがどのような仕組みで知覚の変化をあたえるのか知っている人は少ない。うつ病の原因がセロトニンであるのかどうかすら実はあやふやなのだ。
セロトニンは脳細胞の再生において重要な働きをもたらす。ストレスはセロトニンの生産を阻害し、脳細胞間の情報交換を阻害し、こころの状態に影響をあたえるとされる。セロトニンの分泌量を上げる薬を日常的に服用すると慢性的なうつ病になる。
医学教授ジョン・ホプキンスは医学研究の一環として、サイロシビンを24才~64才の精神的に安定した健常者にあたえた。これらの被験者は過去に一度もハルシノゲンを服用したことはない。1年後、これらの被験者は一様に今までにない精神的なトリップ体験をしたと言ったのだ。
健常者はハルシノゲンを飲むとトリップする。精神病に悩む患者がハルシノゲンを飲み続けたら一体どうなるのだろうか?
▼外部リンク
HowStuffWorks
Can we treat mental illness with hallucinogens?
http://health.howstuffworks.com/mental-illness-hallucinogens.htm/printable
記事提供:障害者雇用インフォメーション|