自閉症で仕事を得られない数が半数以上 豪・シドニー
2010年03月26日

自閉症でまともな仕事得られない青年
オーストラリアのシドニーで、ジェームズ・ラッセルという青年がいる。彼は、電車時刻表について、特別な知識を持っている。
ラッセルは、子供の時に「自閉症」と診断された。しかし、20歳で過去2年の間、トラックでの仕事に影響を受け、あらゆるシドニーの路線と日付について、何が起こったかを話すことができるのだ。
それでも、得ることができた唯一の仕事は、封筒をいっぱいにし、箱を運ぶだけのものだった。だが、学校を卒業当時、支えとなった先生と愛する家族のおかげで、将来に対する望みでいっぱいだった。
現在、失業中で、少なからず影響を受けている。「仕事のために奮闘することは、私を失望させた」という。母のティナ・ラッセルは「彼は、本当にとても落胆していて、孤独になった。朝にベッドから出たくないようだ」
半数以上の自閉症患者が失業中
ラッセルは、国の障害者らを仕事で支援するシステムで見逃された比較的軽い障害で、何万人の内の1人でもある。約95,000人の大人が3つの自閉症障害のうちの1つにある。自閉症、アスペルガー障害、型にはまらない自閉症で、53%が失業中だ。
その中でも、働いている人々のほとんどは、できる仕事以下の、とてもレベルの低いものだ。「カンタス航空でヘッドセットをまとめたり、スーパーマーケットの棚を積み重ねたり、封筒をいっぱいにしたり・・・とても耐えられず、不適当な例が多い」と関係者は語る。
身体障害者が卒業する時、政府の支援レベルは減少する。養護プログラムの資金不足もあるが、比較的育つ環境にあって、卒業生は最高2年の間、1週間につき3日、支援とトレーニングが受けられる。
「あまりにもたくさん、学校から若い成人期への移行とは対照的に、学校に集中することが確かに問題だ」と、障害者会議の指導者、ドーギー・ヘルドが言った。
しかし、適当な職を見つける支援不足は、問題の一部にすぎない。障害への理解の欠乏が、価値ある貢献ができる障害者の卒業生、彼らの能力について雇い主の間でもある。
80%の従業員が自閉症というデンマークの会社
一方、デンマークの会社「Specialisterne」で、革命的な雇用モデルがある。非常に成功した例で、従業員の80%が自閉症を持っているというコンピュータソフトウェアビジネスを始めた。
初年度で、100万クローナ(200,000ドル)の利益を上げ、現在、マイクロソフトとアップルとソフトウェア契約を争っている。しかも、すべての従業員に市場価格で給与が支払われ、仕事場は独自のニーズに応じて準備されている。
「オーストラリアの連邦政府は、このような会社のモデルを使って試験的プログラムに資金を供給する必要がある」と、ラッセルは言う。
▼外部リンク
Remarkable minds just waiting for work (Sydney Morning Herald)
http://www.smh.com.au/national/remarkable-minds-just-waiting-for-work-20100319-qmad.html
記事提供:障害者雇用インフォメーション|