バンクーバー「世界一のバリアフリー都市」めざす カナダ
2010年03月22日

パラリンピックは障害者への理解に役立つか
2010年の冬季バンクーバー・パラリンピックをきっかけに、市民のリーダーたちが、障害者にもアクセスしやすい都市として、世界でリーダーとなることを望んでいる。しかし、一部の専門家の中では、パラリンピックが一般の障害者の役に立つかどうか疑問を持つ人もおり、意見が二分している。
バンクーバーの街でパラリンピックに注目することは「障害についての話題が出ることにつながる」と、バリアフリー都市になることを進める市会議員のヘザー・ディールはAFPに語った。「パラリンピックが開催されることで注目が集まった」
車椅子にやさしい街だと評価しつつ・・・
パラリンピックの開催で、バンクーバーはバリアフリーの面ではすでに成功している部分がある。開会式の前から、国際パラリンピック委員会の理事長を務めるフィリップ・クレーブン卿は、車椅子を使っても、通りや公共機関を使うことができるとアクセスの良さを称賛したからだ。ちなみに、クレーブン卿は、英国の元車椅子バスケットボールの選手だった。
一方、バンクーバーにあるブリティッシュ・コロンビア大学で社会福祉、障害者問題を専門とするティム・ステイントン教授はこう語る。
「パラリンピックを主催することで、おそらく政府の中では、アクセスがよくなることがわかっただろう。人々に身体の不自由な人々の能力、可能性を気付かせる役割もある。だが、誰もがスポーツ選手になることができるわけではなく、ある種、障害に対しての虚像を作り上げている。どの障害者もスポーツに興味があるわけではないのだから。しかも、硬度の障害者のために実際、日々の支援を提供できていない」と警告した。
各地で進むバリアフリー施設
また、アルペン会場のホイッスラー近くのスキーリゾートの建設を発表した市長、ケン・メラメドは、バリアフリーな子どもたちの遊び場を提供し、目標は「障害を持つスポーツ選手がトレーニングするためのセンター」にすることだという。
現在、バンクーバーとホイッスラーでは、丸いドアの取っ手の代わりに、車椅子をはじめとした指定の車が駐車できるスペース、車椅子のための電気コンセントと照明スイッチ、広いドアをはじめ、車椅子に対応したバスなどがある。
北欧や米国と異なるバリアフリー基準
しかし、スウェーデンの車椅子カーリングのチームの監督で、ヨーロッパでバリアフリーの専門家として活動するトーマス・ウィルヘルムは、北欧やアメリカでのバリアフリーの基準と異なるという。
「例えば、バンクーバーの選手村で、いくつかのトイレが使いにくい場所にあって、車椅子の人々が利用するのは難しい。また、私の妻のアネッサは、古いエレベーターで標識を見つけるのにかなり苦労した」
▼外部リンク
AFP: Paralympics: Vancouver hopes to become top accessibility city
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5ixnVcrGXo-W8OsjdVC7r7Cyaaz-g
記事提供:障害者雇用インフォメーション|