自閉症の療育に保険金 米・ミズーリ州
2010年03月22日
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保険金がおりる?法案は現在検討中
アメリカのミズーリ州で、自閉症スペクトラム障害の療育に対する保険金の支払いが検討されていることがわかった。法案が成立すれば、州政府の管理のもと、最大で年間55,000ドル(約495万円)の保険金が、21歳未満の自閉症患者の療育に対して支給される。
賛成派によれば保険は家族の負担を大きく軽減するものであり、保険料の値上げは最小限にとどめる予定だという。州議会議員スコット・ラップ氏による出資も行われた。
ラップ氏は議会で、「我々議会議員も患者の家族も学校も、皆それぞれが自分のやるべきことをやっているのだ。保険会社だって当然やるべきこと(保険金の支払い)をやってもらおうではないか」と力強く述べた。
採用されれば中小企業へのしわ寄せも
一方で州議会議員のルアン・リッジウェイ氏は、法案が採用されることで中小企業の経営者に与える影響を懸念した。
「正直なところ、今この時点でもまだ賛成するか否かを決めかねています。発達障害のある人々のためを思うと賛成したいところですが、保険金がもらえない人のことや、この経済的に厳しいご時世の中で結果的に仕事を失うかもしれない人のことを考えると、心が痛みます」とリッジウェイ氏。
リッジウェイ氏は結局、他の5人の議員と共に反対に一票を投じた。
法案は現在ミズーリ州議会にかけられている。ミズーリ州議会では自閉症に関する他の法案が通過したばかり。だが支払われる保険金は36,000ドルが上限とみられている。ジェイ・ニクソン知事に提出される前に、両院での妥協案を探ることが求められる。
(編集部 小川優子)
▼外部リンク
Mo. Senate passes autism insurance bill
記事提供:障害者雇用インフォメーション|