大人の自閉症への支援対策を検討 英
2010年03月07日

自立が困難な自閉症の人々
自閉症の大人も、健常者と同じように働き、教育を受け、健康面での支援を受けて然るべきである。このことはイギリス政府が取り組んでいる、大人の自閉症患者への支援対策の中でも述べられている。
きっかけは、自閉症の大人が世間から置き去りにされている、とのコメントが下院の公会計委員会より寄せられたことだった。
コメントを受けて行われた調査の結果を見ても、自閉症の大人のうち働いている人はわずか15%にすぎず、そのわずかな人々の約半数は両親と同居し、生活も両親に頼っていて「自立」とは程遠い状況だった。
このような状況は、深く根付いた偏見がもたらした結果だといえるだろう。自閉症の人は、態度が悪く扱いが難しい人だとの誤解を受けやすく、就職アドバイザーなども特定の種類の仕事を薦める傾向がある。
さらに、社会福祉相談員などの立場にある者でさえ、自閉症は必ず学習障害を伴う、混雑した待合室が苦手で医療機関に行けない、などの思い込みがある場合も少なくない。
どのような対策か
今回の支援対策は、自閉症の人々の症状の緩和、既存のサービスをより利用しやすい環境づくり、就職率の上昇などを目指して立ち上げられた。保健省は全国自閉症対策委員会を設置し、ケアサービス担当大臣、フィル・ホープ氏と社会福祉部長、デイビッド・ビーハン氏がともに委員長を務める。
政府の支援対策では、ソーシャルケアの立場にある者や就職あっせんサービスに関わる者に対して、自閉症の症状のさまざまな表れ方や支援の仕方についての研修が行われる。ホープ氏は「担当者の理解が深まることで、公共サービスのあり方を根底から変えることにつながることでしょう」と語っている。
(編集部 小川優子)
▼外部リンク
Encouraging a new autism initiative
http://www.sidewaysnews.com/society-business/encouraging-new-autism-initiativeStayingGovernment autism strategy focuses on training
http://www.personneltoday.com/articles/2010/03/04/54517/government-autism-strategy-focuses-on-training.html
記事提供:障害者雇用インフォメーション|