2024年09月20日
岸田文雄総理は18日の月例経済報告など関係閣僚会議で「賃金と物価の好循環が回り始め、デフレ脱却に向けた歩みが着実に進んでいる」と過去3年の取組み成果を強調した。
そのうえで「日本経済は価格や賃金をシグナルとし、労働や資本が動くという市場経済が本来持っているダイナミズムを取り戻しつつあり、このダイナミズムをいかして、賃上げと投資がけん引する成長型の経済を実現させなければならない」と述べた。
「労働が動く」というのは労働市場の流動性促進のために終身雇用制のもとで日本独特の年功序列の給与体系を崩し、ジョブ型人事、職務給を普及・拡大させ、転職を後押しするための学びなおしに税金で支援するという経団連が求める労働市場に改革していくことを意味している。
岸田総理はこの日の議論を踏まえて「デフレ脱却が視野に入っている今だからこそ正念場であると言える」とし「世界経済の変動の中にあっても賃金を起点とした所得増加と経済全体の生産性の向上により、日本経済を新たなステージに移行させていく。引き続き経済情勢を正確なデータに基づいて分析し、的確な経済政策運営につなげていただくことを期待する」と述べた。
また「33年ぶりの高い水準の賃上げと実質賃金のプラス転換、過去最高となる106兆円の設備投資、史上初めて600兆円を超える名目GDP(国内総生産)が実現した」と語ったが、企業の内部留保も600兆円を超えるものになっている。(編集担当:森高龍二)
記事提供:EconomicNews
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