2024年09月25日
国際政治学者の森本敏・元防衛大臣(拓殖大学顧問)は23日夜のBSフジ番組「プライスニュース」で自民党総裁選に立候補している高市早苗経済安全保障担当大臣が仮に首相になった場合、首相就任後もA級戦犯を合祀する靖国神社に参拝し「内閣総理大臣・高市早苗」と記帳するとしていることに「総理として参拝するのは国益を損なう。日中は身動き取れない状態になる」と国益を大きく害することになるとして、高市氏は「よく考えた対応をするべき。米国も反対すると思う」と強く警鐘を鳴らした。
森本氏自身も閣僚時には参拝を控えており「大臣の時は絶対にやるべきでない。それがあるべき姿」と提唱した。
高市氏は「国策に殉じられた方に尊崇の念をもって感謝の思いを捧げることは私が大切にしてきたことなので(総理就任後も)かわらない」などと発言。これまでも終戦記念日や靖国神社例祭などに入閣していながら日中・日韓関係に配慮無く、参拝し、中国や韓国から批判を浴びていた。総理として参拝すれば閣僚時代以上に国益を損ねることは否定できない。同番組に出演した政治ジャーナリストの後藤謙次氏や中央大学法学部の中北浩爾教授も同様に国益を損ねるとの見方を示した。
森本氏は番組内で参拝は日中関係のみでなく、日米韓3か国の関係においても影響が強いことを危惧した。特に日韓関係が修復されてきた中で、韓国内で参拝問題を放置すれば尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領への批判が高まり、何らかの対応をせざるを得なくなるばかりか、米国も困ることになるとした。
キャスターの反町理氏が自民党総裁選挙で保守層の支持を得るための選挙戦術として功を奏しているのではとの指摘に、森本氏は「(仮に総裁になったら)次の日から総理大臣として政治をやらなければいけないのです。日本の国の進め方、進み具合、日本にとっての国益を総理としてどう考えるかという立場でやるべきで、それで票が集まるっていうのは政治家のすることじゃありませんよ」と断じた。(編集担当:森高龍二)
記事提供:EconomicNews
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