【矢野経済研究所プレスリリース】健康・機能性食品素材(44素材)市場に関する調査を実施(2025年)~2023年度の健康・機能性食品素材(44素材)の市場規模は前年度比102.9%と好調に推移~
株式会社矢野経済研究所
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の健康・機能性食品素材(原料)市場を調査し、各素材別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
1. 市場概況
2023年度の健康・機能性食品素材(本調査対象44素材[原料]の合計)国内市場規模は、流通金額ベースで前年度比2.9%増の2,496億1,100万円と推計した。 また、44素材の2023年度流通量合計は9万4,553トン(同1.0%増)であり、一般食品用途での活用が引き続き進んでおり、穏やかながら流通金額、流通量ともに伸長した。
2024年度は、紅麹による健康被害問題を受け、末端製品である健康食品企業の通販事業の一部定期購入の停滞や、機能性食品素材事業者がPRISMA2020※への対応に追われたことにより機能性表示食品の届出受理件数のペースが鈍化した。これに伴い、新たな届出を控える企業もあり、2024年度の健康・機能性食品素材の供給量にも鈍化がみられた。
一方、機能性表示食品への採用を前提としない素材へ注力する素材供給企業や、既存素材の新規分野への開拓を進める動きが活発化していることにより、健康・機能性食品素材市場は緩やかに拡大し続ける見込みである。
※2025年4月以降、機能性表示食品の届出時に用いるSR(システマティックレビュー)は、PRISMA2020に準拠することが必須となった。
2.注目トピック~日本国内での健康・機能性食品素材の成長が鈍化も、海外展開に向けた動きが活発化
健康食品市場の成長が見込まれる地域として、経済的な成長が著しい台湾や香港、タイ、ベトナム、インドといったアジア地域を中心に、健康・機能性食品素材への引き合いが増加している。
一方、健康・機能性食品素材の輸出に関しては、各国の食品としてのレギュレーションや、ハラールなどの宗教対応が必要であり、レギュレーションに関しては専門知識を有する人材の確保や現地商社等との連携による対応、後者に関しては生産拠点におけるハラール認証取得などの動きが見られる。
素材(原料)別にみると、東南アジアを中心に、国内でも一定の需要がある美容素材や、整腸作用のある乳酸菌やビフィズス菌などの菌末製品、オリゴ糖などの食物繊維への需要が高まっている。日本国内での健康・機能性食品素材の成長が鈍化する中で、海外に新たな成長を求める動きが今後も広がるものと見られる。
3.将来展望
健康食品市場において、紅麹関連商品による健康被害の対象商品が生活習慣病予防の機能性表示食品、打錠であったことから、関連商品や打錠商品など一部への影響は見られた。しかし、健康食品及び健康・機能性食品素材国内市場全体への影響は軽微であり、国内の健康食品市場、健康・機能性食品素材市場は今後も緩やかな成長基調を維持していく見通しである。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3832調査要綱
1.調査期間:2025年2月~4月
2.調査対象:健康・機能性食品素材供給企業(メーカー、商社等)
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・アンケート調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日: 2025年5月9日
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記事提供:DreamNews