世界のリポソーム栄養補助食品市場分析:最新動向、成長機会、未来予測2025
LP Information Co.,Ltd
リポソーム栄養補助食品とは、リン脂質二重膜から成る球状構造体「リポソーム」にビタミン、ミネラル、ポリフェノール、アミノ酸、酵素などの有効成分を内包し、経口摂取によって高効率かつ安定的に体内へ届けることを目的とした次世代サプリメントである。リポソームは本来、医薬品分野での薬物デリバリーシステム(DDS)として研究されてきた技術であり、そのナノレベルのサイズと膜透過性、ターゲット部位への到達性の高さが特徴である。この技術を栄養補助食品へ応用することにより、従来の粉末型・錠剤型サプリメントでは難しかった「吸収率の低さ」「成分の分解」「安定性の欠如」といった課題を解消しうる新しいアプローチが実現されつつある。消化管のpH変動や酵素環境に左右されにくく、有効成分のバイオアベイラビリティ(生体利用率)を大幅に向上させる点が、リポソーム型サプリメントの最大の競争優位である。
健康志向の高まり、セルフメディケーションの浸透、アンチエイジングや免疫強化といった具体的なニーズの増加により、栄養補助食品市場は質の高い「効くサプリメント」への転換期を迎えている。特に、新型感染症を契機に「吸収されなければ意味がない」という消費者意識が顕在化し、成分の“届け方”が重視されるようになった。その中で、従来型サプリメントとの差別化を図る技術として、リポソーム構造を活用した製品に注目が集まっている。口腔粘膜吸収、腸溶性制御、血中移行性の最適化など、臨床医学で蓄積された技術的知見がサプリメント分野に流用可能となったことで、製品開発の高度化と高単価化が進行している。また、高付加価値を求める富裕層・意識高い層からの支持が強く、定期購入やギフト利用など長期消費モデルの形成も可能である。リポソーム型は“高吸収”という明確なセールスポイントを持ち、市場拡張の起点となる革新素材として評価されている。
リポソーム栄養補助食品の業界構造は、依然として新興市場的な様相を呈しており、大手健康食品メーカー、医薬品企業、バイオベンチャー、OEM・ODM専門企業など多様なプレイヤーが混在する構図である。現時点では、製造技術や原料調達のノウハウを有する企業が優位に立っており、特許技術やナノエンカプセレーションの知見を持つ企業が差別化を実現している。一方で、外資系サプリメントブランドを中心に高級志向の製品ラインが展開され、ECチャネルを活用した直販モデルの拡大も進行している。特にD2C(Direct to Consumer)型戦略を取る企業では、機能性表示食品制度を活用したエビデンス訴求、SNSによるブランド訴求、パーソナライズ提案など、単なる“製品”ではなく“ソリューション”としての提供が目立ちつつある。中小企業においても、製造委託や共同開発などによって一定の競争参加が可能であり、参入障壁が「技術と品質」に集約されることから、今後も技術主導型の競争が続くと予想される。
LP Information調査チームの最新レポートである「グローバルリポソーム栄養補助食品市場の成長2025-2031」(
https://www.lpinformation.jp/reports/58519/liposomal-dietary-supplement)によると、2025年から2031年の予測期間中のCAGRが10.4%で、2031年までにグローバルリポソーム栄養補助食品市場規模は4.5億米ドルに達すると予測されている。
図. リポソーム栄養補助食品世界総市場規模
図. 世界のリポソーム栄養補助食品市場におけるトップ22企業ンキングと市場シェア(2024年の調査データに基づく;最新のデータは、当社の最新調査データに基づいている)
LP Informationのトップ企業研究センターによると、リポソーム栄養補助食品の世界的な主要製造業者には、Quicksilver Scientific、SPIC Corporation、ActiNovo、Thorne Research、Life Extension、LivOn Labs、Pure Encapsulations、MaryRuth’s、Lipolife、Lipo Naturalsなどが含まれている。2024年、世界のトップ10企業は売上の観点から約70.0%の市場シェアを持っていた。
リポソーム栄養補助食品業界の成長を支える主な要因は、(1)消費者の「効果実感」へのシフト、(2)機能性食品と医薬品の境界領域拡大、(3)グローバル健康意識の同時進行、という三点にある。今後、個別化医療・栄養のトレンドとも連動し、腸内環境、睡眠、免疫、認知といった分野への展開が期待される。また、AIやビッグデータを活用した“栄養設計×送達技術”の融合によって、製品はますますパーソナライズ化・高精度化していく見通しである。投資視点から見ると、リポソーム技術に強みを持つ原料開発企業や、製剤受託を請け負うCMO(Contract Manufacturing Organization)、ブランドを立ち上げるD2Cスタートアップなど、複数の投資対象が存在する。まだ飽和していない技術系サプリメント市場の中で、リポソームは技術革新と市場ニーズの接点に立つ希少な成長分野であり、今後の事業開拓や資本提携の候補として十分な検討価値を有する。
レポート概要
タイプ別セグメント:
Liquid
Capsule
Others
用途別セグメント:
Online
Offline
会社概要
LP Informationは、専門的な市場調査レポートの出版社です。高品質の市場調査レポートを提供することで、意思決定者が十分な情報を得た上で意思決定を行い、戦略的な行動を取ることを支援し、新製品市場の開拓という研究成果を達成することに注力しています。何百もの技術を網羅する膨大なレポートデータベースにより、産業市場調査、産業チェーン分析、市場規模分析、業界動向調査、政策分析、技術調査など、さまざまな調査業務のご依頼に対応可能です。
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