【矢野経済研究所プレスリリース】 マンション管理市場に関する調査を実施(2025年)~マンション管理費市場、共用部修繕工事市場ともに中長期的に成長継続の見通し~
株式会社矢野経済研究所
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の分譲マンション管理市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。
1. 市場概況
2024年のマンション管理費市場規模(管理費ベース)は、前年比2.3%増の8,605億円と推計した。新築分譲マンション竣工戸数は微減傾向で推移しているが(データ出所:国土交通省推計)、新築分譲マンション価格や人件費等の上昇に連動する形で管理費は上昇しており、マンション管理費市場は引き続き堅調な伸びが続いている。
また、2024年の共用部修繕工事市場規模(工事金額ベース)は、前年比28.8%増の9,355億円と推計した。同市場はマンションの計画修繕周期の影響により、年次によって増減がある。2024年は2000年頃に大量供給されたマンションの2回目の大規模修繕工事が多数実施されている事や、建設資材価格や人件費の高騰などを理由に工事単価が上昇していることから、共用部修繕工事市場規模は大きく拡大した。
2.注目トピック~派生・周辺サービスの強化により、従来の「管理」事業から生活の「総合ソリューション」事業への進化が加速
マンション管理会社は、近年、マンション居住者の多様化するニーズや課題に応えるべく、管理サービスのメニューを増やして事業拡大に取り組む動きが見受けられる。具体的には、管理会社が従来から取り組んでいる水回りや室内トラブルに対する駆け付けサービスをパッケージ化した専有部サービスに加えて、駐車場・駐輪場のサブリース(転貸)や物件の買取・再販サービス、自動車や自転車など乗り物のシェアリングビジネス等が挙げられる。
その他、管理会社からはICTを活用した管理サービスも開発・提供されている。実際に、契約や各種書類の電子化、無人受付端末やAIを活用した自動応答サービス等の導入が進められている。
以上のように、マンション管理会社ではこれまで培ってきたマンション管理のノウハウやグループ会社等のリソースを活用し、新たなサービスを開発・提供することで、従来の「管理」事業だけでなく、管理に付随する幅広いサービスを提供する生活の「総合ソリューション」事業への進化が加速している。
3.将来展望
マンション管理費と共用部修繕工事を合わせたマンション管理市場全体は中長期的に成長すると予測する。
2025年のマンション管理費市場は前年比2.2%増の8,796億円、2030年には2024年比13.7%増の9,787億円に成長を予測する。管理費は、新築分譲価格の高止まりや人件費等の原価上昇を背景に、上昇傾向が続く見通しである。今後は、新築分譲マンションの供給戸数の先細りが見込まれるものの、新築分譲マンションが供給され続ける限りマンションストック数は増加する事から、マンション管理費市場は堅調に拡大する見込みである。
また、共用部修繕工事市場については、2025年は前年比7.3%増の1兆38億円、2030年には2024年比12.7%増の1兆539億円になると予測する。経年劣化に伴う小規模な修繕工事の増加や築年数が経過したマンションストック数の増加、長寿命化に対応した修繕工事ニーズの増加により、共用部修繕工事市場も堅調な拡大を見込む。
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https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3933調査要綱
1.調査期間:2025年7月~9月
2.調査対象:マンション管理会社等
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
4.発刊日: 2025年9月30日
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記事提供:DreamNews