モラハラ被害者が語る、「最も心を傷つけられた行為」とは?@夫婦間のモラハラ(モラルハラスメント)に関する実態調査(第3報)
レゾンデートル株式会社
モラハラ被害者が語る、「最も心を傷つけられた行為」とは?
1.はじめに
既婚者マッチングアプリ「Healmate(ヒールメイト)」を運営するレゾンデートル株式会社;
https://raisondetre-inc.co.jp/(東京都渋谷区)による夫婦間のモラハラ実態調査の第3報です。第2報では、配偶者からモラハラを受けたことがある人が4人に1人にのぼるという結果をお伝えしました。
今回の第3報では、その被害者層に焦点を当て、どんな言葉や態度が最も心を傷つけたのかを、男女別・世代別に明らかにします。
無視やため息、何気ない一言――。家庭という最も近い場所で起こるその小さなすれ違いが、静かに心の温度を奪っていきます。
モラハラは、目に見える暴力よりも、静かで見えにくい心の衝突として現れ、そして一度刻まれた感情の傷は、年月が経ってもふとした瞬間に蘇ることがあるのかもしれません。
今回の調査では、そうした“心に残るモラハラ”の実態を追いました。
<調査概要>
・調査タイトル:夫婦間のモラハラ(モラルハラスメント)に関する実態調査(第3報)
・調査期間:2025年9月29日~10月1日
・調査対象者:20~59歳の男女800人(夫婦間のモラハラ(モラルハラスメント)に関するスクリーニング調査にて「モラハラを受けたことがある」と回答された方)
・調査方法:インターネット(セルフ型アンケートツールFreeasyを利用)
・エリア:全国
・調査機関:レゾンデートル株式会社(
https://raisondetre-inc.co.jp/)
・調査報告の掲載:
https://healmate.jp/survey/・本報告の発表日:2025年10月31日
<調査対象者について>
夫婦間のモラハラ(モラルハラスメント)に関するスクリーニング調査にて「モラハラを受けたことがある」と回答された800名を対象としております。
男女、各年代とも100名ずつと均等なサンプル数になっています。
2. モラハラの頻度 ― 「ごくまれ」でも消えない痛み
モラハラがどのくらいの頻度で起きているかを尋ねたところ、男性では「毎日」18%、「週に数回」26%で、約半数が短い間隔で経験していました。
女性は「毎日」12%、「週に数回」21%、「月に数回」24%と分散しており、3人に1人以上が定期的なストレスを感じていることがわかりました。
図1:配偶者から受けたモラハラの頻度(男女別)
※実際の質問:Q. 配偶者のモラハラはどのくらいの頻度で起きましたか?(単一回答)
(夫婦間のモラハラ(モラルハラスメント)に関する実態調査 (C)レゾンデートル株式会社)
一方で、「年に数回」や「ごくまれ」と回答した人も一定数いました。
この結果からは、モラハラが必ずしも頻繁に起こるものだけではなく、限られた場面でも強い印象として残る場合があることがうかがえます。
夫婦という近い関係の中では、一度の言葉や態度であっても、記憶に残りやすく、その後の関係に影響を与えることがあると考えられます。
モラハラの影響は、回数の多さよりも、その瞬間に感じた衝撃や無力感の強さによって決まるのかもしれません。
「ごくまれ」な出来事でも、心の奥では今も続いている。
そんな痛みを抱えている人が少なくないことが、今回のデータから見えてきます。
3. 直近の経験 ― 女性は「1年以上前」でも忘れていない
「最近、配偶者からモラハラを受けたのはいつか」という質問では、「過去1か月以内」と回答した人が男性30%、女性29%でした。
全体の約3割にあたる人が、直近の出来事としてモラハラを経験していることになります。
一方で、残りの多くは「数か月前」あるいは「1年以上前」と回答しており、モラハラが日常的に続くケースばかりではないこともわかります。
図2:直近で配偶者からモラハラを受けたのはいつ?(男女別)
※実際の質問:Q. 最近で配偶者からモラハラを受けたのはいつですか?(単一回答)
(夫婦間のモラハラ(モラルハラスメント)に関する実態調査 (C)レゾンデートル株式会社)
注目すべきは「1年以上前」と回答した人の割合です。女性が32%、男性が22%と、女性のほうが過去の出来事を記憶している割合が高くなりました。
男性は比較的「最近の出来事」に意識が向きやすいのに対し、女性は過去の経験を「今の関係の一部」として抱え続ける傾向があるのかもしれません。
誰かの言葉や態度に傷ついたとき、その痛みは時間とともに薄れるどころか、形を変えて心の奥に沈んでいきます。
思い出したくないのに、何かの拍子に記憶が呼び戻される。女性の回答には、そんな“長く続く痛み”の存在がにじんでいます。
モラハラは、繰り返される出来事だけでなく、一度の出来事が心に残り続ける点にこそ、問題の根深さがあります。
4.最も心に残った行為(男女別) ― 男性は「責め立て」、女性は「否定や威圧」
最も心理的ダメージを受けた行為を尋ねた結果、男性では「小さなミスや行動を責める」が18%で最も多く、「侮辱・人格否定」17%、「無視・会話拒否」17%、「大声で怒鳴る」13%が続きました。
女性では「侮辱・人格否定」21%、「大声で怒鳴る」20%、「小さなミスを責める」17%が上位を占めました。
図3:配偶者から受けたモラハラのうち、最も心理的ダメージを受けた行為(男女別)
※実際の質問:Q. あなたが配偶者から受けたモラハラのうち、最も心理的ダメージを受けた行為はどれですか?(単一回答)
(夫婦間のモラハラ(モラルハラスメント)に関する実態調査 (C)レゾンデートル株式会社)
この結果から、男性は「繰り返し責められること」や「自分の意見が通らないこと」にストレスを感じやすく、
女性は「人格を否定されるような言葉」や「威圧的な態度」に強く反応する傾向があることがわかります。
同じモラハラという言葉で語られる出来事でも、心が傷つく瞬間の形は男女で少し違います。
専業主婦の50代女性は、「仕事をしていないことを理由に、思いや考えをよく否定されました。“それは働いてないから分からないんだよ”と言われた言葉が、今も頭から離れません」と話します。
その一言には、立場や価値を見下ろされるような感覚があり、自分の存在そのものが軽く扱われたように感じたといいます。
40代の男性は、「話をしている途中で一方的に遮られ、義父や義兄に話を持っていかれました。自分の言い分を聞いてもらえず、気づけばすべて相手の都合で進んでいました」と語ります。
言葉を交わしているのに、話が通じない。会話の中で立ち位置を奪われることが、静かに自尊心を削っていきます。
男性にとっての痛みは、話を遮られ、存在を軽く扱われること。
女性にとっての痛みは、人格や立場を否定され、自分の思いを口にできなくなること。
形は違っても、どちらも「理解されない」という孤独を伴っています。
モラハラの痛みとは、支配の強さだけでなく、信じていた関係の中で“自分という存在が小さくなっていく感覚”なのかもしれません。
5. 世代別TOP5 ― 若年層は「監視」、中高年層は「否定と沈黙」
夫婦の関係は、年齢や立場によっても形を変えていきます。
若い世代と長年連れ添った世代とでは、心が傷つく理由や感じ方にも違いがありました。
図4:心理的ダメージを受けたモラハラ行為TOP5(世代別)

※実際の質問:Q. あなたが配偶者から受けたモラハラのうち、最も心理的ダメージを受けた行為はどれですか?(単一回答)
(夫婦間のモラハラ(モラルハラスメント)に関する実態調査 (C)レゾンデートル株式会社)
20代では「怒鳴る」「侮辱」「小さなミスを責める」「無視」「スマホやSNSのチェック」が上位に入りました。
自由やプライバシーを制限されることへの抵抗感が強く、「心配だから」「見守っているだけ」という言葉が、かえって窮屈さや不信感につながっている様子がうかがえます。
愛情と管理の境界線があいまいになりやすい世代ともいえます。
30代では「小さなミスを責める」が突出し、次いで「侮辱」「怒鳴る」「家事や育児の押し付け」「行動を管理される」が続きました。
仕事や育児に追われる中で、相手への感謝や思いやりが後回しになり、指摘や注意が「攻撃」として受け止められやすくなる時期でもあります。
「自分ばかり責められている」という感覚は、積もるほどに関係の温度を下げていきます。
40代では「侮辱」「怒鳴る」「小さなミスを責める」「無視」「生活費の制限」が上位に入りました。
家庭内での役割や経済的責任が明確になる世代であり、その中での軽視や支配のニュアンスが強く響いていると考えられます。
たとえ言葉の端に悪意がなくても、長年積み重なった価値観のズレが痛みを深めてしまうのかもしれません。
50代では「侮辱」「無視」「小さなミスを責める」「怒鳴る」「生活費の制限」が上位を占めました。
長年連れ添った相手だからこそ、言葉が少なくても心の動きを察することができる分、沈黙やため息の重さが一層こたえます。
「もう言っても変わらない」というあきらめと、「それでもわかってほしい」という願いが、同時に存在しているように見えます。
6. まとめ
本調査から、夫婦間モラハラの実態として以下の点が明らかになりました。
●男性は「責め立て」や「沈黙」に、女性は「否定」や「威圧」に強いストレスを感じている
●女性は「1年以上前」の出来事を覚えている割合が高く、過去の一言が現在の関係に影響している
●若い世代は「監視や制限」に敏感で、中高年層は「尊重されないこと」への痛みが大きい
●モラハラの本質は、回数や声の大きさではなく、「自分の存在が軽く扱われる感覚」にある
モラハラは、特別な家庭にだけ起きるものではありません。
相手を支えたいと思う気持ちと、理解されたいという思いがすれ違うとき、自分の期待と相手の態度や行動のギャップに落胆するとき、そのわずかな隙間から、無視やため息、強い言葉が生まれてしまうことがあります。
怒鳴り声が止んだあとにも、言葉の余韻や沈黙が残ります。
その沈黙に、関係が冷えていく前触れを感じ取れるかどうかが、修復への分かれ道になるのかもしれません。
そして、もう一つの問いが残ります。
なぜ人は、愛する相手に対してモラハラをしてしまうのか。
それは怒りや支配ではなく、「わかってほしい」という気持ちの裏返しなのか。
いよいよ、次回の第4報がシリーズの最終回です。
次回は、配偶者がモラハラをする理由、モラハラへの対処、
そしてそれが夫婦の生活や関係にどんな影響を及ぼしているのかを深く掘り下げます。
“なぜ、モラハラは起きてしまうのか”――その根源を探ります。
◎調査の目的
私どもレゾンデートル株式会社;
https://raisondetre-inc.co.jp/(東京都渋谷区)は、「結婚後の新たな生き方」を提案する既婚者向けメディアやネットサービスの展開を行うシステム開発企業です。現代の夫婦関係のあり方や多様性を把握し、今後のサービス開発に向けた市場動向を探るため、今回の調査を企画しました。
◎調査内容・本リリースに関するお問い合わせ
今回の調査内容やデータの詳細に関するお問い合わせ、報道関係の皆様の取材依頼やお問い合わせは下記までお願い申し上げます。
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記事提供:DreamNews