【矢野経済研究所プレスリリース】化粧品受託製造市場に関する調査を実施(2026年) 2025年度の化粧品受託製造市場は前年度比103.6%の3,675億円
株式会社矢野経済研究所
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内の化粧品受託製造市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。
1.市場概況
2025年度の国内化粧品受託製造市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比103.6%の3,675億円となった。
化粧品受託製造市場は、発注先クライアントからの化粧品の新規・リニューアルオーダーの見込み発注などで2025年度初頭は勢いづいたものの、物価上昇を含む消費マインドへの影響等により、店頭における化粧品販売が想定通りには振るわない状況が続いている。多様化する消費者ニーズに加え、通信販売やECチャネルの台頭、韓国コスメをはじめとした海外化粧品の流通拡大などを背景に、販売チャネルや製品の分散化が進行している。2025年度も化粧品メーカーや小売り各社は、化粧品の実需とのずれで生じる在庫滞留を避けるべく、適正な在庫管理の観点から慎重な発注計画を進めている。このような市況から、受託案件は中小ロットを複数にわたって発注する方式が増加しており、数量ベースの動きは総じて弱含みで推移している。また、化粧品受託製造市場は原材料価格や物流・人件費等の複合的なコスト上昇要因の影響を受けており、発注先クライアントへの価格交渉を実施している。価格の上昇分を販売価格に転嫁するなど、参入企業の売上高ベースでの規模は拡大し、底上げ効果もあったことから、市場規模全体は前年度を上回った。
2.注目トピック~中東情勢緊迫化がサプライチェーンに影響
2026年3月以降のイラン情勢の緊迫化、ホルムズ海峡の通航制限等に伴い、化粧品受託製造市場をはじめとした化粧品サプライチェーンは大きな影響を受けている。今般の事態により、化粧品容器の原料となる石油化学製品の供給が滞り、容器メーカーの在庫枯渇や生産停止が発生したことで、プラスチック容器が不足した。また、原油価格の上昇による界面活性剤、シリコン、乳化剤等の石油由来原料の仕入れ価格や原材料価格の高騰が、国内化粧品市場および化粧品受託製造企業の生産活動に大きな負担となっている。
3.将来展望
2026年度の国内化粧品受託製造市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比103.3%の3,796億円に増加すると予測した。
化粧品受託製造市場は、国内の人口減少という構造を抱えながらも、清潔感や健康的な肌を保つための基礎的な化粧品需要に下支えされるとともに、エイジングケアといった高付加価値の機能性スキンケアや個人の髪質に合わせた高価格帯のパーソナルなヘアケア商材が多様なチャネルに展開されるなど、プラスの要因もある。また、男性用化粧品や女性特有の悩みに寄り添ったフェムテック発想の化粧品等、時代のニーズを反映した新たな分野も市場活性化に寄与するなど、その成長が今後も期待される。一方で、大手小売りチェーンを筆頭に、韓国コスメの取り扱いやプライベートブランド(PB)製品の開発といった取り組みも活発なことから、日本製化粧品ブランドの棚落ちや化粧品受託製造企業への受託案件にマイナスの影響が生じることもあると予想する。
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https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/4156調査要綱
1.調査期間: 2026年4月~6月
2.調査対象: 化粧品受託製造・容器・原料参入企業、化粧品メーカーその他関連企業・関連団体等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面接、電話等によるヒアリング、郵送アンケート調査ならびに文献調査併用
4.発刊日:2026年6月26日
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