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傷病手当金は「給与の2/3」で終わらない ── 休職中も社会保険料は止まらず、東京都・月給30万円の会社員は手残り51.7%

スペシャリスト・ドクターズ株式会社

傷病手当金は「給与の2/3」で終わらない ── 休職中も社会保険料は止まらず、東京都・月給30万円の会社員は手残り51.7%。手残りまで試算した人は10.0%だった

スペシャリスト・ドクターズ株式会社(東京都港区)が運営するライフプランメディア「IKIGAI TOWN」編集部は、協会けんぽ 令和8年度の保険料額表と、自社モニター調査(40~59歳・n=30,015)を突き合わせました。

傷病手当金の額は標準報酬月額の平均を30で割った額の3分の2ですが、休職中も健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金・厚生年金の本人負担は止まりません。東京都・標準報酬月額30万円・40代のモデルケースでは、休職中も月45,000円(月給のちょうど15.00%)を払い続けるため、手残りは155,010円=月給の51.7%になります。一方、調査では「手残り額まで含めて家計のシミュレーションを行っている」は10.0%にとどまりました。

▼調査データ・図版(CC BY 4.0・改変可)はこちら
https://ikigai.town/ja/press/2026-08-16/

■ 傷病による休職には、保険料の免除規定がない

健康保険法が保険料の免除を定めているのは、育児休業等(第159条)と産前産後休業(第159条の3)だけです。傷病による休職にはこれに当たる規定がありません。給与が止まっても、健康保険の被保険者であり続けるかぎり保険料は発生します。

■ 「2/3」から引かれるもの(東京都・標準報酬月額30万円・40代)

 項目                    金額(月) 月給に対する割合
 休職前の月給(標準報酬月額)        300,000円  100%
 傷病手当金(1日6,667円 × 30日)       200,010円  66.7%(=2/3)
 健康保険+介護保険(率11.47%の折半)    -17,205円  5.735%
 子ども・子育て支援金(率0.23%の折半)     -345円   0.115%
 厚生年金保険(率18.300%の折半)       -27,450円  9.150%
 社会保険料 本人負担 合計          -45,000円  15.00%
 社会保険料を引いた手残り          155,010円  51.7%

「2/3=66.7%」と「手残り=51.7%」の差は15ポイントです。月給30万円の人にとっては月45,000円、支給期間の上限である1年6か月では81万円になります。

これは制度の不備ではなく、休職中も健康保険の被保険者であり続け、厚生年金の加入期間も積み上がっていることの裏返しです。保険料を払っているからこそ、傷病手当金そのものが支給されています。

■ 傷病手当金は非課税だが、住民税の納付は続く

傷病手当金には所得税がかかりません。健康保険法第62条が「租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として、課することができない」と定めているためです。

一方で住民税は前年の所得に対して課税されるため、休職して収入が下がっても納付は続きます。給与天引き(特別徴収)ができなくなると、残額を自分で納める(普通徴収)形に切り替わるのが一般的です。金額は前年の所得によって変わるため、上記の45,000円には含めていません。

■ 手残りまで試算しているのは10.0%

 選択肢                    全体 500万未満 3000万以上
 休職中の税金や社会保険料の負担を深く考慮せず 38.8% 39.9% 36.9%
 自営業等で対象外、または制度をよく理解せず  37.0% 40.5% 21.7%
 給与の2/3がそのまま使える資金になると想定   11.3% 10.7% 15.0%
 手残り額まで含めて家計のシミュレーション済み 10.0%  5.8% 24.8%
 その他                     2.9%  3.1%  1.7%

手残りまで試算しているのは10人に1人。最も多かったのは「休職中の税金や社会保険料の負担について、深く考慮していなかった」の38.8%でした。

試算しているかどうかは、資産帯で大きく分かれます。金融資産500万円未満では5.8%、3,000万円以上では24.8%と4.3倍の開きがありました。

また「自営業等のため制度対象外、または制度内容をよく理解していない」が37.0%を占めます。国民健康保険には傷病手当金の法定給付がありません(自治体による任意給付を除く)。

■ 都道府県でも、休職中に払う額は変わる

協会けんぽの健康保険料率は都道府県ごとに決まります。令和8年度は佐賀県の10.55%が最も高く、新潟県の9.21%が最も低い組み合わせです。

 都道府県     健康保険料率 本人負担率 本人負担額(月) 手残り
 佐賀県(最も高い) 10.55%   15.350%  46,050円  153,960円
 東京都        9.85%   15.000%  45,000円  155,010円
 新潟県(最も低い)  9.21%   14.680%  44,040円  155,970円

差は月2,010円、1年6か月まで休職した場合は約3万6千円です。47都道府県すべての数値はCSVに収録しています。なお令和8年度は引き上げた都道府県がなく、35府県が引き下げ、12県が据え置きでした。全国平均は9.9%です。

■ 「もらえる額」ではなく「使える額」

傷病手当金の説明は「給与の2/3」で終わることが多く、この説明自体は間違っていません。しかし家計が向き合うのは、振り込まれた額から社会保険料と住民税が出ていった後の残りです。

本リリースが述べているのは「試算したか」であって、「保険に入るべきか」ではありません。試算した結果、いまの貯蓄で足りるという結論もあり得ます。

■ 続き(図版・47都道府県CSV・そのまま記事化できる本文パック)

図版2点(SVG/PNG)、モデルケースの内訳と47都道府県別の本人負担額・設問の全選択肢を収めたCSV、そのまま記事化できる本文パックを下記ページで公開しています。いずれも CC BY 4.0(出典表示のみで改変・転載可・事前連絡不要)です。

▼記事の続き・データ一式
https://ikigai.town/ja/press/2026-08-16/

■ 調査概要

集計名:傷病手当金の手残り額と、休職中に続く社会保険料の実額(IKIGAI TOWN 編集部集計)
集計主体:スペシャリスト・ドクターズ株式会社(IKIGAI TOWN 運営)

公表資料:全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年度保険料額表(東京支部)」および「令和8年度 都道府県毎の保険料率」(健康保険料率は令和8年3月分~、子ども・子育て支援金率0.23%は令和8年4月分~適用)。厚生年金保険料率18.300%は日本年金機構(平成29年9月分~固定)。傷病手当金の算定式・支給期間は協会けんぽの公表内容による。いずれも2026年8月15日時点で確認。

参照条文:健康保険法第62条、同第159条、同第159条の3(e-Gov 法令検索にて確認)

モデルケースの前提:東京都・標準報酬月額300,000円(協会けんぽ健保22等級/厚年19等級)・40代(介護保険第2号被保険者)・賞与なし・支給開始日以前12か月の標準報酬月額がすべて30万円・給与の支払いが全くない完全休職・暦月30日。

自社調査:IKIGAI TOWN モニター調査。対象は40~59歳、有効回答 n=30,015(2026年3月期・4月期・5月期を合算)。設問は「傷病手当金の手残り額のシミュレーション」(単一回答)。

留意点:
・モデルケースは上記の前提に基づく試算であり、実際の支給額・保険料は、加入している健康保険(協会けんぽ/健康保険組合/共済組合)、標準報酬月額、休職期間、勤務先の規定によって変わります
・住民税は前年の所得・控除によって決まるため、本試算には含めていません
・本リリースは個別の税額計算・保険料計算・税務相談を行うものではなく、制度の是非や保険の要否、特定商品の優劣を論じるものでもありません
・自社調査はモニター調査であり、回答者はお金・資産形成への関心が高い層が中心で、国勢調査ベースの代表サンプルではありません

■ 会社概要
商号:スペシャリスト・ドクターズ株式会社
所在地:〒105-6923 東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー23階
運営メディア:IKIGAI TOWN(https://ikigai.town/ja/
編集長:塩飽 哲生
本件連絡先:support@ikigai.town





配信元企業:スペシャリスト・ドクターズ株式会社
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記事提供:DreamNews

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