【開催報告/生理セミナー】男子学生と「生理と社会」について考える。Be-A Japanの運営する女子支援ソーシャルプロジェクト「GBA(ジービーエー)」が、中高一貫男子校本郷学園で生理セミナーを開催
株式会社Be-A Japan
株式会社Be-A Japan(本社:東京都渋谷区神宮前、代表取締役:高橋くみ、取締役:山本未奈子)が運営する女性支援ソーシャルプロジェクト「GBA(ジービーエー)」は、2024年5月16日(木)に、本郷中学・高等学校(以下、本郷学園)社会部の中学1年生から高校3年生までの男子生徒24名と保護者4名に向け生理セミナーを実施いたしました。このセミナーは、2022年に続き2回目の開催となります。
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本郷学園 社会部で生理セミナーを企画するに至った経緯
女性支援ソーシャルプロジェクト「GBA(ジービーエー)」では、次世代へより良いバトンを手渡すための活動として、性や生理の正しい知識を伝えるべく、国内の学生やその保護者、また企業に向けて、生理セミナーを行っています。これまでの活動では、26回(合計1001名ご参加)にわたり実施してまいりました。セミナー活動を通して、タブー視されがちな生理について正しい知識と選択肢を学ぶことで、誰もが生きやすい社会を目指しています。
今回の舞台は、都内有数の中高一貫校男子校「本郷学園」の社会部。
社会部は唯一の部則に「あらゆる差別の禁止」を掲げ、「他人の靴を履いてみる」こと、「現場から直に学び、日本の未来を牽引する気概を持つ」ことを軸に、ビジネスアイデアコンテストに出場したり、地域の活性化や、被災地を訪問し取材したりするなど、幅広く現代社会の直面する課題を研究しています。
中高一貫の男子校であるために、生徒たちは日常的に女性と関わる機会が少ないのが現状ですが、社会部の顧問である松尾弥生先生は、「女性を知らないというのは、男性を知らない、人間を知らないということと同じ」とおっしゃいます。
学校の外に出れば、家族や地域との関わり、将来的には大学を含め新たなコミュニティや、職場等、女性と関わる機会は増えるもの。誰もが性別に関わらず個性や能力を発揮し、活躍できる社会を築いていくためには、互いを知り、想像力をもって思いやることが大切です。社会部に所属する生徒は、日頃より、人権、ジェンダーという観点からも社会に対して疑問、関心を持っている方が多いとのこと。「生理」というテーマを通して性やジェンダーについて考え、多様な人のあり方について理解を深めるきっかけにしたいという想いから、このたび2度目の開催に至りました。
日本が抱える「生理と社会」の問題とは?
本郷学園では「個性を尊重した教育を通して国家有為の人材を育成する」という教育理念のもと、リーダーとして社会の一線で活躍できる人材育成を目指している学校です。
そんな次世代を担っていく学生の皆さまに行ったセミナーのテーマは「生理と社会」でした 。
女性活躍推進が叫ばれるようになってしばらく、実情を見ると、いまだなくならない賃金・労働環境の男女格差、生理など女性ならではの健康問題による職種変更や離職などの機会損失、また生理用品が標準税率であることなど、女性の活躍を阻むような見逃すことができない問題が多く存在します。
また、2023年8月時点の日本の衆議院女性議員比率は10.6%、これは186カ国中164位*と先進国で最下位となり、女性の政治参加が著しく遅れていることがわかります。
女性議員が増えることで、女性の声が届きやすくなり、女性ならではの心身の悩みや課題に対する政策が進むことが期待されます。
そして、男性が女性の身体に関わる課題について知る機会を持つことも、必要に応じたコミュニケーションやサポートを叶えるために大切なことです。足りていない知識を補い、理解し合うことによって、政治を今よりも公平な議論がなされる場にしていくことができたら、女性だけでなく、社会のさまざまな格差を埋める多様性が生まれ、誰もが生きやすい社会を作れるのではないでしょうか。
今回のセミナーは、「生理と社会」というテーマのもと、本郷学園の社会部の生徒の皆さまと共に考える時間となりました。
出典:女性議員比率の国際比較(内閣府男女共同参画局)
*
https://www.gender.go.jp/policy/positive_act/pdf/sankou2_23_09.pdf
■セミナーの様子
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セミナーにはBe-A Japan CEO 高橋くみ、商品開発責任者 中村千春の2名が登壇し、2部構成で行いました。
〈第一部〉生理ってどんなもの?
第一部では、生理の基礎知識の座学、生理用品に触れるワークショップ、そして身近に考えられるシチュエーションを想定したディスカッションを行いました。
まずは生理の基礎知識、初潮から閉経までの女性の体のメカニズムや、生理によっておこる身体と心の変化について、実体験やアンケートデータにも触れながらお伝えしました。生理は女性同士でも感じ方や量、痛みの具合などが異なること等もお話ししました。
続いてのワークショップでは、ナプキンやタンポンを使って吸水実験を行いました。
初めて触れる生理用品に戸惑った様子の生徒の方も、中村から「他人を理解するには想像力が必要。机上で見聞きするだけでなく、実際に手に取って触ってみることでわかることもある」とお伝えすると、頷きながら積極的に参加をしてくれました。
「さらっとしているけど、ずっとつけているのはどうかな…」と、実際に触れてみることでリアルに想像できるとの声もあがりました。
高橋からは「全世界でタブー視されてきたこともあり、生理用品はなかなか進化してこなかった」というお話をし、今はさまざまな選択肢があることにも触れました。
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第一部の最後では、身近に起こりうるシチュエーションを想定したディスカッションを行いました。
テーマは、
1.通学時など歩いている時に、生理になっている人(赤いシミが洋服についている)を見かけたらどうする?
2. そろそろ夕食の時間なのに、母親が頭痛・腹痛で辛そうに横になっている。どうする?
という2つ。保護者の方も含めた4人×7 チームに分かれて、各チームの代表者1人が発表するという形式で行いました。
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1.通学時など歩いている時に、生理になっている人(赤いシミが洋服についている)を見かけたらどうする?
「道ですれ違った人なら言わないのも優しさかも」「異性から直接的に言われるというのは恥ずかしい思いをさせてしまうので、近くにいる同性の人から言ってもらう」など、相手への配慮があるさまざまな意見が飛び交い、中村からは「正解不正解はなく、こうして想像し考え、色々な意見があることを知るのも大事な時間ですね」とお伝えしました。
2.そろそろ夕食の時間なのに、母親が頭痛・腹痛で辛そうに横になっている。どうする?
ご参加いただいた保護者の方のアドバイスも聞きながら、「生理であってもなくても、体調不良は気にかけてあげるべき。言葉をかけてあげる」「干渉しすぎてしまうのも相手に負担がかかるので、手伝うことあったら言ってね、くらいに留めておく」「『 ご飯まだ?』 などの急かす声は一番だめ!」など、母親を気遣う声が聞こえてきました。
中には「自分で3食作ったことがあるが、腹痛で、さらに立ちっぱなしでご飯を作るのは大変なこと。だから『自分で作るよ』というような声がけをする」という生徒の声もあり、前半にお話しした生理を含めた女性の様々な不調を想像しながら発表する姿がみられました。
最後に、中村から「女性がいかに大変か、という話ではなく、まずは生理の実態を知り、知っているからこそ生まれる優しさもあるということが伝わったら嬉しい」とお伝えしました。
〈第二部〉「生理と社会」について考えてみよう
第二部では、『生理と貧困』やジェンダーバイアスについて触れ、生理にまつわる社会問題を共に考えながら、「どうしたら社会を変えられるか」というテーマでのディスカッションも行いました。
まずは「生理の貧困」について。“貧困”といっても経済的な問題だけを指しているのではなく、生理に対する知識がないこともまた「生理の貧困」であること。そして、その「生理の貧困」が招く問題として、女性の人権や健康の問題、それによる機会損失・労働損失といった社会問題がある、というお話をしました。経済産業省によると日本の労働損失は年間6,828億円にも上るといわれており、見逃すことができない問題です。
続いて、生徒の皆さまに一つ質問をしました。
女性社員が仕事でとても良い成果を出しました。社長から表彰され、全社員の前で、「よくやったね。素晴らしい」と称賛されました。
これを聞いて、「社長の性別は男女どちらを想像した?」と問いかけると、参加者全員が、社長は男性だと想像したと答えました。
“社長(リーダー)は男性である”と無意識に思ってしまうようなジェンダーバイアスもまた、女性の活躍の妨げる原因にもなっていることを説明し、高橋からは「性別に関わらず、誰もが自分の好きな人生を歩んでいけるために、私たちはこうしてセミナーを開催している」ともお伝えしました。
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また、ジェンダーギャップ指数が日本は146か国中125位であり、特に政治の分野で男女比をみると圧倒的に日本は少ないことについてもお話ししました。日本の社会構造に「国のトップ層を変えないと変わっていかないのでは」との意見した生徒もいました。
中村から「マイノリティの声を届けるには3割は必要だと言われています。今の日本では、女性議員の数がまだまだ少なく、社会を変えていこうという女性の意見が通りにくいのが現状」という話もすると、保護者の方も大きく頷いている様子でした。
出典:ジェンダーギャップ指数(GGI)2023年
https://www.gender.go.jp/policy/positive_act/pdf/sankou1_23_09.pdf
第二部の最後には、どうしたら社会を変えられるかというテーマでのディスカッションをし、男性が生理を知ることのメリットについて考えました。
「(生理を知ることで)具体的な対応ができるようになると、お互い健康的に生きていける」
「男性が生理を知ることによって女性の意見が理解できるし、意見が通るようになる」
というような声が挙がり、知ることで少しでも社会が良くしたい、と生徒の皆さんが真剣に考えている姿が印象的でした。
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最後に、高校2年生の部活の代表の学生から、
「我々一人一人が抱えている悩みが社会全体の問題にもつながってくると思う。生理のことに関わらず、個人的な悩みを身近な人に相談したりして解決していくことが、良い社会につながっていくのではないか 。今回のお話は、我々が選挙権を持った時に活かすことができる、有意義な時間だった」との感想をいただきました。
次世代のリーダーを担っていくであろう本郷学園の生徒たちとこうして「生理と社会」をテーマにセミナーを開催できたことは、Be-A Japanとしても充実感のある時間となりました。セミナーが架け橋となり、若者たちの想いとパワーが明るい未来への力となることを願っています。
参加者の声
・知らないということは人を傷つけてしまうことをあらためて思った。身近な人がつらそうにしている際は声をかけずとも何かサポートできたらいいなと思った(学生)
・生理は個人差がとても大きいことが一番大事なことだと思った。もっとも知らなくてはいけないと感じる。(学生)
・親と話すことがないので聞けて良かった。この講演をほかの学校でもやるべきだと思った(学生)
・女性は生理だけではない。PMSや排卵通がある。もっと母を気にかけてあげたい(学生)
・生理休暇は日本が初めて導入したのに、0.9%しか普及してないこと(が印象に残った)(学生)
・ナプキンやタンポンの実験において、思ったよりもタンポンが吸水せず、ナプキンも湿っていたことが印象に残った。不快感もあるのかもしれない。(学生)
・私たち親世代にとって生理はまだタブー視されている面が強いかと思いますが、このような機会により、これからの社会を担う学生たちが生理について学び、新しい価値観による新しい社会を作ってほしいと思いました。(保護者)
・生理に関しての知識が貧困という問題が大きいと感じました。男子校全生徒にこのような授業があるとよいと思います。(もちろん男女問わずすべての人に!)(保護者)
【開催概要】
「生理と社会について考える」生理セミナー
・日時: 2024年5月16日(木)15:40~17:40
・会場: 本郷中学校・高等学校(本郷学園)
170-0003 東京都豊島区駒込4-11-1
・対象:本郷学園社会部 中学校1年生~高校3年生の男子生徒24名、保護者4名
・スピーカー: 株式会社Be-A Japan代表取締役CEO 高橋くみ、Chief Product Officer商品開発責任者 中村千春
【本郷学園について】
2022年に創立百周年を迎えた私立中高一貫の男子校です。個性を尊重し、国家有為の人材を育成することを建学の精神として、旧高松藩松平家第十二代松平頼壽(よりなが)伯爵によって創立されました。文武両道をモットーに、生徒たちは勉強だけでなく部活動や委員会活動に熱心に取り組んでいます。
【本郷学園 社会部顧問 松尾弥生先生よりコメント】
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初めて聞いた中1生には何もかも「未知との遭遇」だったようです。
「この世に生理というのがあるのも知らなかったし、女の人がそんなに大変なのも知らなかった。お母さんは何も話さないし、なぜ黙っているのだろう。みんな知っておくべき知識だと思う」と言っていました。
「生理=隠すべきこと」という固定観念を女性たち自身が脱却する必要を感じました。この授業はすべての人が、まだ小学校低学年で(生理が始まる前に)受けておくべきだと思います。
【Be-A Japan 代表取締役CEO高橋くみよりコメント】
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2年ぶりに本郷学園でのセミナー開催では、社会部の皆さまと再会も叶い、喜びもひとしおでした。中学1年生から高校3年生までの生徒たちが、生理についての知識を得るためにまっすぐな視線を向けてくださり、その先にある課題を見出し、社会にどう役立てていけるかと懸命に考える、その熱心さに改めて感激しました。
セミナー後には、「本物の知識が得られて嬉しい。将来役にたつと思いました」「この講演を他の学校でもやるべきだと思いました」「知るだけでは意味がなく、行動に移していきたい」と嬉しいメッセージを多数いただき、その想いこそが真に社会を変えていく力になると頼もしく感じました。
「生理と社会」というテーマで、ジェンダーや人権についてじっくりお話しした2時間。知識のお伝えだけでなく、共に考える機会をいただき、今後もこのテーマのセミナーを多くの教育機関で開催したいと思えた貴重な経験となりました。
本郷学園の皆さま、ありがとうございました!
【Be-A Japanについて】
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Be-A Japanは、「Girls be ambitious. 望めば変わる。人生も、世界も。」をコンセプトに、女性をはじめ、すべての人の心身の健康と活躍を応援。
これまで不便を感じることの多かったサニタリーライフにおいて、その期間のニーズに寄り添う高い機能性を備えた新たな選択肢として、超吸収型サニタリーショーツブランド Be-A〈ベア〉を提案。
多様化する女性の生き方をエンパワーし、サステナブルなものづくりと消費が求められる現代社会への貢献をめざしています。
【GBAについて】
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Girls Be Ambitious(GBA)は、女性をエンパワーメントし、
女性につながるすべての人々と共に豊かに生きる社会を築くことを目的とし、日本国内と海外の両軸で活動を行うソーシャルプロジェクトです。
社会のなかで、誰もが等しく権利と機会を持ち、女性一人ひとりが自らの能力を発揮できるよう、モノの提供だけでなく、手段の提供に取り組みます。
また、想いに賛同してくださるアーティストと協業して、唯一無二の個性で彩られるアートを創出し、企業やブランドの価値を広げ、企業と社会、人々を繋げることに寄与します。
公式HP:
https://girlsbeambitious.com
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会社概要
社名:株式会社Be-A Japan
本社:東京都渋谷区神宮前5丁目1番7号
代表取締役:高橋くみ
取締役:山本未奈子
公式ホームページ:
https://withbe-a.com
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記事提供:PRTimes