全タンパク質構造への薬の結合親和性から薬効と副作用を予測~シミュレーションとAI・機械学習で薬のメカニズムを理解する~〔名古屋大学,岡山大学〕
国立大学法人岡山大学
名古屋大学と岡山大学の共同研究成果プレスリリースです。
2024(令和6)年 6月 23日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
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https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2288/72793-2288-29a8f069001af5cb960a4acbbef0b117-1888x1062.jpg ]
<発表のポイント>
ヒトの全てのタンパク質の立体構造を、ドッキングシミュレーションと機械学習で解析し、薬の効能や毒性・副作用を予測する新しい計算手法を開発した。
全タンパク質に対する薬の結合親和性を計算することで、薬の結合パターンを明らかにし、薬の副作用の発現に関与するタンパク質の抽出を可能にした。
従来は考慮できなかったタンパク質群の影響を提案手法は考慮できるため、薬のメカニズムの理解や医薬品開発の期間短縮や費用削減に貢献することが期待される。
◆概 要
名古屋大学大学院情報学研究科の坂尻 由子 研究員、山西 芳裕 教授、岡山大学学術研究院医歯薬学域の澤田 隆介 助教、九州工業大学院情報工学研究院の柴田 友和 研究員の研究グループは、AlphaFoldに代表されるAI技術で得られた全てのヒトタンパク質の立体構造をドッキングシミュレーションと機械学習モデルで解析し、薬の効能や毒性・副作用を予測する新しい計算手法を開発しました。
約8千種類の既存薬と約2万種類のヒトタンパク質の結合親和性のシミュレーションから、様々な疾患に対する既存薬の新規効能を網羅的に予測できることを示しました。
さらに、数百種類の毒性に対する薬の副作用を機械学習モデルで予測し、副作用の発現に関与するタンパク質を抽出することにも成功しました。
本研究の提案手法は、薬のメカニズムの理解や医薬品開発の期間短縮や費用削減に貢献することが期待されます。
本研究成果は、2024年6月21日午前9時(日本時間)付Cell Press社「iScience」に公開されました。
[画像2:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2288/72793-2288-36674d079c529efbda1957fc122bd8cc-800x486.jpg ]
◆論文情報
雑誌名:「iScience」
論文タイトル: Predicting therapeutic and side effects from drug binding affinities to human proteome structures
著者:Sawada, R.(岡山大学), Sakajiri, Y. (名古屋大学), Shibata, T.(九州工業大学), and Yamanishi, Y.(名古屋大学)
DOI:10.1016/j.isci.2024.110032
URL:
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2589004224012574
◆研究資金
本研究は、JSPS科学研究費補助金・基盤研究A 21H04915「 医療ビッグデータから難治性疾患の創薬標的を予測する革新的AI手法の開発」(研究代表者:山西芳裕)の支援を受け行われました。
◆詳しい研究内容について
全タンパク質構造への薬の結合親和性から薬効と副作用を予測~シミュレーションとAI・機械学習で薬のメカニズムを理解する~
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r6/press20240621-1.pdf
[画像3:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2288/72793-2288-a71b8542cc2c5e6640108a35aeb1c547-1486x220.png ]
◆本件お問い合わせ先
<研究者連絡先>
東海国立大学機構 名古屋大学大学院情報学研究科 教授 山西芳裕(やまにし よしひろ)
TEL:052-789-5638
岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(医)薬理学分野 助教 澤田隆介(さわだ りゅうすけ)
TEL:086-235-7138
FAX:086-235-7138
<報道連絡先>
東海国立大学機構 名古屋大学 広報課
TEL:052-558-9735
FAX:052-788-6272
岡山大学 総務・企画部 広報課
TEL:086-251-7292
FAX:086-251-7294
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8463
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」(アプリ):
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学統合報告書2023:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001926.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:
https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学SDGs~地域社会の持続可能性を考える(YouTube):
https://youtu.be/Qdqjy4mw4ik
岡山大学Image Movie (YouTube):
https://youtu.be/RWn63i20xIw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2024年4月期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002079.000072793.html
岡山大学「THEインパクトランキング2021」総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
岡山大学『大学ブランド・イメージ調査2021~2022』「SDGsに積極的な大学」中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000072793.html
岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html
[画像4:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2288/72793-2288-f9ce10ef8dffad9a2e8b315ad6204804-1713x697.jpg ]
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください
岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html
プレスリリース提供:PR TIMES
記事提供:PRTimes